将棋には「もういいや」が
来なかった
「将棋に出会った時のことはあまり覚えてないのですが、父からルールを教わって対戦した時、純粋に楽しかったんですよね。そのゲーム性にのめり込んでいったんだと思います」
そう振り返る野原未蘭さん。現代の子どもの遊びとして、将棋はなかなか選択肢に上がらないような気もしますが、同年代の友人たちとのギャップは感じなかったのでしょうか?
「将棋だけじゃなくて、いろんな習い事をさせてもらってました。将棋はその一つとして、週に一回通っていたという感じ。友達と毎日遊んでましたし、ゲームもやってました。幼稚園から小学校高学年くらいまで水泳もやっていて」
水泳を辞めた時、将棋は県代表レベルになっていました。
「水泳はすべての泳ぎをマスターできたこともあって辞めましたが、将棋にはそれがなかった。父がうまく誘導していたんだと思いますが(笑)。将棋を続けたかったというよりは、辞めたいと思わなかった、というイメージです。負けると悔しくて嫌になることもあったけど、翌日にはもう指していた。何が他の競技と違ったのか、うまく言語化できないのですが」