本はディズニーランド
みたいなもの
「私、すごいおしゃべりなんですよ。小さい時から全く人見知りしませんでした。人と話すのが好きな性格なんです」
そう自己分析する通り、底抜けに明るい性格と類いまれな行動力で、熊谷さんは「Book Swap Japan」を立ち上げました。土日は図書館に入り浸っていたというほど、大の本好きです。
「本ってディズニーランドみたいなもの。現実じゃない、別の世界に没頭できる。コロナ禍とか災害とか、大変なことが起きたときにも心の拠り所になる、今この時代に本当に必要なものだと思ってます」
コロナ禍で図書館が休館になり困った熊谷さんは、昔、アメリカ旅行時に公園で見かけたリトル・フリー・ライブラリー(木箱に本が入っていて、持ち出し自由の小さな図書館)を思い出します。これがやりたい、と熊谷さんは企画書を作って調布市の「緑と公園課」に持ち込みましたが、残念ながら、日本の法律上公園に設置することはできないと返答が。
それを受けて、古本を集めて多摩川沿いに自分達の図書館を開く「Book Swap Chofu 川の図書館」のアイディアに発展。本の持ち出しは自由で返却不要、持ち込み・寄付も受け付けています。回を重ねるにつれて蔵書は1500冊にまで増え、この日を楽しみにやってくる常連さんもできるほどに。
「コロナ禍の前は、隣に住んでいる人たちのこともよく知りませんでした。でも、今は地域の人たちの顔がよくわかる。あいさつし合える人がいるというのは本当に素晴らしいこと。自分にとって、人生を変える大きな経験になりました」