2018年、SDGsの認知度は
14・8%だった
女性誌の編集に30年以上携わってきた関さん。時代の流れの中で、ファッション、ビューティというテーマに対する消費者の意識の変化を感じています。
「社会や地球に負荷がかかる服を着たり化粧品を使って本当に心地よいと言えるのか、読者はそんな気づきを得ています。生産背景など、ものにまつわるストーリーが昔よりも重要視されるようになりました。一方でファッションやビューティの本質はくらしをわくわくさせてくれるもの。そのわくわくをお届けする、という点で僕がするべき仕事が大きく変わったとは思いません」
SDGsというテーマを取り上げると決めたのは2018年のこと。国連でSDGsが採択されたのは2015年ですが、当時、日本ではまだSDGsの認知度は高くありませんでした。
「ある調査では、その時の日本人のSDGsの認知率は14・8%。特に、『FRaU』のメインターゲットである30代、40代の女性の認知度は平均よりも低かったんです。消費活動の中心である女性たちの認知度が低いと、日本のSDGsが遅れたままになってしまう。何かできないかと考えた時に、ずっと一つのテーマを深掘りしてきた『FRaU』のスタイルだったら、一冊全部を使ってSDGs特集ができると思いました」