デジタルネイティブが考える
雑誌の可能性
「幼い頃は、本も雑誌も読んでこなかった人間でしたし、デジタルネイティブだという自覚はだいぶあります。まさか、自分が雑誌業界で働くことになるなんて思ってもみませんでした」
そう語る井上さん。現在、雑誌『Pen』の公式サイト『Pen Online』のディレクターを務め、メディアをより成長させていくためにコンテンツの拡充と運用に尽力しています。
「ウェブ、紙、それぞれに特徴があります。ウェブは、ひとつひとつのコンテンツの企画やタイトル、サムネイル次第で全く違った層のユーザに読んでもらうことができます。よくも悪くも記事単体として完結している必要があり、タイトルやサムネイルで興味をもってもらって、はじめて本編に触れてもらうことができます。一方、紙である雑誌は本一冊をつかってひとつのテーマや特集をあらゆる切り口で触れられるので、読者に対してより偶然の出会いを演出できます」
全く雑誌メディアとは関係のないライフスタイルを送ってきたものの、たまたま就いた仕事の中で思いがけず紙の魅力にも気づいたそう。何と言っても、その手触り感。「もの」としてプレゼントできるのもいい、と教えてくれました。
「以前は雑誌で流行や最先端の情報をいち早く知ることができましたが、今は個人レベルでも魅力的な発信ができる時代。メディアの役割は変化していく必要があります。これから『Pen』の中では紙やウェブなど、チャンネルにとらわれずもっと横断的に、企画を展開していきたい」