野球少年が出会った
レザーの魅力
プロ野球選手を目指し、高校時代は強豪校でピッチャーを務めていたというTOMYさん。レザーとの出会いはグローブでした。
「小学生の時にグローブを買ってもらったんですが、最初は硬かったのが、大切にケアしながら使っていくと、どんどん自分の体に馴染んでいくのが良いな、と思って」
大学に入学すると、厳しい練習から解き放たれた喜びはあったものの、勉強、遊び、アルバイト、どれをとってもなかなか真剣に打ち込めなかったそう。
「『これは自分が本当にやりたいことじゃないし』と言い訳をする気持ちが芽生えてきたんです。野球に打ち込んでいた高校時代は気づきませんでしたが、好きなものが無くなれば自分はこんなにも空虚だったのかと気がついて。カッコ悪くて嫌だな、と思いました」
新しいモチベーションを探していた時、TOMYさんの琴線に触れたのが、ネイティブアメリカンのアクセサリーとレザーでした。
「アメリカの先住民が作るジュエリーが好きでした。シルバーに鉱物を組み合わせていたり、精巧な彫り物があったり、とにかくカッコよかった。でも僕はネイティブアメリカンじゃないから本物の作り手にはなれないし、じゃあ、選ぶとしたらレザーの道かな、と」