自分の中に生まれた
感情と向き合う
「日々を過ごす中で、スルーしてしまいがちな自分の感情だったり、見なかったことにしてしまう状況などで、あえて立ち止まってみることを意識しています」
藤原さんは自身の発明について、そのように教えてくれました。例えば、「ツイッターで『バーベキュー』と呟かれる度に、藁人形に五寸釘が打ち付けられるデバイス」を作ったときには、「自分がぜんぜんバーベキューに誘われないのが寂しい」という感情があったそう。
「作った後にどうなるかというと、『悩むほどたいしたことじゃなかったな』と。こういう、もやもやした感情を具現化してあげることが無駄づくりの基本にはあるのかな、と思いますね」
感情とていねいに向き合っている様子が見る人にも伝わるのか、発明品の動画を公開しているYouTubeチャンネルには、「癒された」「ありがとう」というコメントが多く寄せられています。
「わりとドロドロした感情がきっかけになることが多いので、(コメントは)意外でした」
無駄づくり、という言葉だけ聞くとネガティブなイメージもありますが、藤原さんの発明はくらしを豊かにするエネルギーを秘めています。