花がくらしに
もたらすもの
広尾にある「AFRIKA ROSE」を訪れると、そこにはたくましさを感じさせる色とりどりのケニア産のバラが咲き誇っています。どれもハッとするほど鮮やかで、日本ではなかなか見かけない大輪。萩生田さんがケニアのバラについて教えてくれました。
「赤道直下のケニアは、日照時間が長く標高が高いので朝晩の寒暖差が激しく、これがバラにとって非常に適した生育環境なっています。ケニアでバラに初めて出会った時には、その美しさ、力強さはもちろん、長持ちすることにも驚きました」
草月流いけばな師範でもあるという萩生田さん。それまでたくさんの花を見てきた中でもバラは繊細で優雅というイメージがあったそうですが、ケニアのバラはその真逆です。
「実は私、20代の時は日常的に花を飾る方ではなかったんです。もちろん綺麗なんですが、お水を変えたり、茎を切ったりするのがやや面倒(笑)。私のように面倒くさがりでも、長生きしてくれる丈夫なお花です」
そして、この仕事でお客様とコミュニケーションをとる中で、改めて花がくらしにもたらす豊かさに気づいたそう。
「お客様はご自身のためにお花を飾ったり、大切な方のためにお花を贈ったりする、素晴らしい習慣をお持ちです。それにはとても影響を受けました。忙しいと心が荒みがちですが、朝に5分、飾っている花の水を変えたりする余裕を持つことが、一日の精神状態を良い方向に向けてくれます。それを花が教えてくれました。」