ジョギングは
お寺を巡りながら
文化財が立ち並ぶ町での生活とは、どんなものなのでしょうか? 蔵造りの建物で有名な川越一番街にある「陶舗やまわ」は、一部が文化財に指定されています。2階には昔、ぴっちりと隙間なく閉めて商店を火事から守っていたという観音開きの窓が並ぶ荘厳な佇まい。昔は一番表を商売に使い、奥に居住蔵、倉庫蔵と連なる造りだったそう。現在、居住蔵と倉庫蔵はカフェや陶芸教室として再生活用されています。
「今、毎日の行動は半径500メートルくらいですよ」と原さんは笑います。足繁く通う商店街や蔵の会の事務所も、近隣の仲間たちとお酒を飲む場所も自宅から程近い場所にあるとか。週に2日か3日は、近所を8キロほどの距離をかけてジョギングをしているそうですが、その間にお寺を5ヶ所通ると言います。
「僕が子どもの頃は、近所のお寺でよくサッカーや野球をして遊びました。長喜院とか......今考えたら、お寺さんもよく遊ばせてくれましたよね(笑)。あとは、この家の屋根に登って、忍者のように走り回っていました。近所の友達の家を屋根伝いに訪ねたりなんかして。当時は高い建物がなかったので、遠くまで見渡すことができたんです。当時はまだ倉庫蔵もかなり残っていて、家並みに光る瓦のうねりがすごく綺麗で。いつもぼうっと見ていましたね」