コロナ禍で始まった
新たな挑戦
2020年、飲食業界を襲ったコロナ禍の波は、瓢亭にも押し寄せていました。これまでのように料亭という場だけで食の提供ができなくなった中で、通信販売をスタート。新たな商品開発に着手し、クラウドファンディングにも挑戦しています。
「お店が休業という状況下で何ができるか。スタッフみんなから意見を募って、発案してもらいました。すると、ラーメンはどうだろうかという声が多かったんです。『本当においしいスープが引けたらやってみようか』というところからスタートして、商品になっていきました」
そうして誕生したのが「鯛ラーメン」。スープは、鯛の骨を干し、ていねいに煮出した極上の味に。瓢亭では年間を通じて鯛のお造りを献立としており、そのこだわりを感じる一品となりました。「鯛ラーメン」はクラウドファンディングの応援購入プロジェクトで販売されましたが、あの老舗・瓢亭がラーメンを作った、と大きな話題になっています。
ラーメンだけではありません。コロナ禍で同じく打撃を受けたのが、航空業界。その機内食メーカーの工場のために立ち上がったプロジェクトでは、他の有名シェフと並んで、髙橋さんは「和風ビーフカレー」を手掛けました。
新型コロナウイルスで、「ある種、人類が試されている」と感じたという髙橋さん。どう生き残っていくかを模索した2年間でした。