今年もいよいよバラのシーズンがやって来ましたね。
この季節のために、寒い冬につるバラの誘引作業をしたり、薬剤散布や肥料やり、雑草抜きなど、
日々の庭作業に力を注いできました。
その成果が現れるのが、この5月。
まさに庭が輝く、待望のシーズンです。
今回は、その輝けるバラシーズンを目前に、我が家にあるバラの中で、ボクのオススメのバラを紹介しますね。
第1回目は、「我が家の玄関アプローチのガラス扉のある壁面を彩るバラ」と称して、
そのシーンを形成しているバラたちをご紹介します。
● 我が家の庭を代表するシーン、いくつものつるバラがつくる「壁庭」風景
こちらは、我が家の前庭と中庭をつなぐガラスの扉がある、建物外壁部分です。
白い割肌調の大理石タイルを貼った外壁面に複数のつるバラを誘引して、この「壁庭」風景をつくっています。
我が家には、アーチを使ってつるバラを演出するシーンはないのですが、
この「壁庭」では、ガラス扉の両側の壁面からいくつものつるバラで取り囲むような誘引を行い、
まるでアーチでガラス扉を覆っているかのような演出をしています。
このつるバラのアーチをくぐり抜けて、パブリックな前庭からプライベートな中庭へと、お客様を誘います。
● 赤に近いローズピンクのつるバラ、キング・ローズ
一枚目の写真の右上を飾るバラがこちらのバラ、キング・ローズです。
一季咲きのつるバラで、ポンポン咲きでたわわに花を咲かせてくれます。
このバラは、ボクにとって、バラを始めるきっかけとなった思い入れの深い
バラでもあります。
ボクがバラを始めるずっと前から、母が育てていたバラですが、
バラ栽培の知識のない母が、つるバラなのに毎年強剪定しても健気に咲いてくれていました。
この目の覚めるような赤いバラが心の原風景となって、バラを始めるきっかけになりました。
この思い出のバラを、庭で一番目立つこの場所に移植し、つるを大きく伸ばして、
3年がかりでこの風景をつくりました。
白いタイル壁とのコントラストが強く、とても目立ちます。
我が家のシンボルローズと言っても良いつるバラです。
● ステム(花茎)が長く、うつむいて咲くつるバラ、ジャスミーナ
キング・ローズとガラス扉を隔てて対峙するのがこちらのつるバラ、ジャスミーナ。
返り咲きもする大型のつるバラです。
一見すると、名花ピエール・ド・ロンサールにも似ていますが、
花は少し小ぶりで、房咲き、透明感のあるピンク色をしています。
このバラの特徴は、ステム(花茎)が長く、房咲きでたくさんの花を付けるので、
その花の重みで垂れ下がるように下を向いて咲くことです。
なので、冬の誘引においても、枝を横に倒すというより、斜め上に持ち上げて、
なるべく高いところで咲かせるようにしています。
実は、もともとこのジャスミーナを植えている場所には、ピエール・ド・ロンサールを
植えるつもりにしていたのですが、このバラに合わせるキングローズも、
このあとでご紹介するドロシー・パーキンスも、遅咲きの品種のバラなので、
花期を合わせるために、花の雰囲気の良く似たこのジャスミーナに変更しました。
花色や形にばかり目が行きがちですが、「花期を合わせる」という観点に立って
バラを選ぶことの重要性を、このジャスミーナから学びました。
● 誘引の妙が映える、ステム(花茎)の短いバラ、レオナルド・ダ・ヴィンチ
一枚目の写真で、ガラス扉の左側、ジャスミーナの下あたりに誘引しているのが
こちらのバラ、レオナルド・ダ・ヴィンチ。
典型的なローズピンクの美しいバラで、ボクのお気に入りナンバーワンのバラ
と言っても過言ではありません。
このバラの特徴は、その花の美しさもさることながら、ステム(花茎)の短さ
にあると思っています。
先ほどのジャスミーナは、ステムが長く、つるを誘引したところから
50センチくらい離れて花が咲く感じですが、
こちらのレオナルド・ダ・ヴィンチは、ステムが短く、
ほぼつるを誘引した場所で花が咲いてくれるので、誘引の美しさが映えるバラといえます。
壁に誘引した場合、壁にピッタリ張り付くように咲いてくれるので、
壁面との相性もとても良いと思います。
「花色」、「花形」、「花が咲く時期」に加え、「ステム(花茎)の長さ」も、
バラ選びの大きなポイントのひとつかと思います。
もちろん、それ以外にも、「香り」や「耐病性」、「花持ちの良さ」なども
重要だとは思いますが、「景観」という視点でみると、
先ほどの4項目が重要ではないかと思っています。
● 枝代わりのバラを加えてみる
こちらは、先ほどのレオナルド・ダ・ヴィンチの枝代わりの
(突然変異による形質が変化した)バラで、レッド・レオナルド・ダ・ヴィンチ。
ローズピンクの花色のレオナルド・ダ・ヴィンチに対し、こちらのバラは
真っ赤な(クリムゾンレッドの)花が咲きます。
枝代わりでほぼ性格は近しいのですが、花色以外にも樹形が若干異なります。
つる樹形のレオナルド・ダ・ヴィンチに対し、こちらのレッド・レオナルド・ダ・ヴィンチは
シュラブ樹形のバラです。
一枚目の写真を見ていただくと分かりますが、このレッド・レオナルド・ダ・ヴィンチ
(画面左下)は、鉢植えで、壁面に誘引せず、その手前でふわっと広がるように咲かせています。
色違いで同じ花形のバラを並べて咲かせることで、違和感なくボリュームアップを図る作戦です。
● 大きな壁面をカバーするランブラー系のつるバラ、ドロシー・パーキンス
一枚目の写真の左上あたりに誘引しているのが、こちらのつるバラでドロシー・パーキンス。
一季咲きで大きく育つランブラー品種のつるバラです。
バラを始める際に、いくつかのバラの本を読む中で、度々紹介されていたバラで、
大きな壁面をカバーするのにふさわしいバラだと思いました。
我が家のドロシー・パーキンスも、最長部分で約8メートルはあろうかというほど、
成長しています。
限られた壁面で咲かせるために、毎年、冬の剪定で大きさをコントロールしています。
我が家にあるバラの中では、超遅咲きの部類に入るバラで、5月末、このバラが咲く頃、
我が家のバラシーズンのフィナーレを迎えます。
● 赤いバラに赤いバラを組み合わせる
こちらは、一枚目の写真の、ガラス扉の右側の壁面、上段を覆うキング・ローズの下で、
赤いミニバラのような花を咲かせるつるバラ、レッド・キャスケードです。
この小さな花は、花弁が厚く、花持ちが良く、長い間ずっと咲いてくれます。
また、四季咲き性の強いバラで、春以外にも良く咲いてくれます。
白い壁面を赤いキング・ローズが覆い、コントラストのある風景が作れますが、
キング・ローズは一季咲きのつるバラなので、5月以降はずっと花がありません。
前庭に面したよく見える場所なので、春以外にも花が咲いていて欲しいということで、
四季咲き性の強い、このレッド・キャスケードを選びました。
その決め手は、やはり赤い花色です。
白い壁面とのコントラストを考えると、派手で目立つ色のバラを配置したかったので、
このバラを選んでいます。
同じ壁面に、同じ花色を選ぶのは、あまりやらないことなのかもしれませんが、
ボクは確信犯的に(汗)、やってしまいました~(笑)。
想像していた以上に、上手く行ったと思っています。
● 同系色の鉢植えのバラを合わせる。
一枚目の写真の、ガラス扉の右下あたりに、鉢植えで置いているのが、このバラです。
ストロベリー・アイス。
半つる扱いもできるバラですが、我が家では木立性に近い扱いで育てています。
我が家の庭は、乱張り石を敷き詰めていて土の部分が極端に少ないのです。
なので、その欠点をカバーするために、鉢植えのバラを随所に配置して、ボリュームアップを行っています。
一枚目の写真の右下あたりには、地植えの紫陽花があるため、バラの咲く5月は、ここだけが緑の葉っぱが
目立ってしまいます。
それを何とかカバーするために、鉢植えのバラを置いて、景観的に馴染ませています(汗)。
ピンクや赤系統のバラで、その時期に一番キレイに咲いている鉢をここに移してやります。
鉢植えと地植えを上手くコラボレーションさせながら景観を作るように配慮しています。
● 春のバラシーズンをイメージしながらの誘引作業
こちらは、その前年の冬の前庭風景です。
一枚目の写真で見ていただいた玄関アプローチのガラス扉付近のつるバラの誘引はこのようになっていました。
翌年の春にどのように咲くかイメージをしながらの誘引作業は、想像力を刺激され、なかなか楽しいものです。
イメージ通りに咲いてくれたか、春はその結果発表の時期でもあります。
● ほぼイメージ通りに咲いてくれました〜
こちらは、昨年春の前庭風景です。
建物の外壁を全面的に使った「壁庭」が出現しました。
花期を合わせ、花色や花形(全体的に、小輪房咲き系が多いです。)を合わせ、白い壁面との対比を考えながら、
つるバラの配置、誘引を行いました。
白いタイル面を少し見せることで、ピンクや赤が引き立っています。
2階のサーモンピンクの左官壁との相性も考慮しました。
概ねイメージした通りに咲いてくれましたが、一部、イメージ通り行かなかった部分もあります(汗)。
ステム(花茎)の長いジャスミーナとステムの短いレオナルド・ダ・ヴィンチを交差するように
誘引してしまったたため(ひとつ上の写真をご参照ください。)、レオナルド・ダ・ビンチの花が、
ジャスミーナの花の中に埋もれるようになってしまいました(大汗)。
こういった反省点を踏まえながら、改良改善を加えながら、また翌年の春を夢想しながら作業をしています。
今年の開花まであと1ヶ月。
今年は昨年以上に美しく咲いてくれるかな~。
いろいろ改良した部分があるので、その部分がイメージ通りに咲いてくれることを期待しつつ、
その日を待ちたいと思います。
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