2024.10.24 / 花の名所、花のイベント訪ねてみたい名庭園
今回は、今年2024年に見に行ったガーデンの中から、特に僕が気に入っている、読者の皆さまにも是非見に行って
いただきたいと思うおススメの庭園をご紹介したいと思います。
それは、三重県津市にある「赤塚シャクナゲガーデン」です。
赤塚シャクナゲガーデンは、赤塚植物園グループが運営する西洋シャクナゲの栽培見本農場で、
赤塚オリジナル品種のシャクナゲ「スーパーローディー」シリーズを中心に、
200品種以上・約3,000本のシャクナゲや、数々の花木が植栽されたガーデンで、
毎年、シャクナゲの開花シーズンの4月初旬~下旬の約1ヵ月間だけ一般公開しているガーデンです。
この赤塚シャクナゲガーデンは、我が家のある奈良県の隣県・三重県の津市にあり、車で2時間ほどで行ける
こともあって、ここ数年、毎年のように4月のシャクナゲの開花シーズンになると訪れている、
超お気に入りのガーデンなのです。
約10,000㎡の広い園内には、ここでしか見ることができない、赤塚植物園が育種・開発したオリジナル品種を含め、
200種以上、約3,000本のシャクナゲが植栽されているそうです。
4月初旬頃から早咲きの品種が咲き始め、4月末の遅咲きのシャクナゲまで、開花リレーが続くので、
どのタイミングで訪問するかで、咲いている品種が異なり、毎年どのタイミングで見に行くか楽しみにしています。
もうひとつ、僕がこのガーデンを気に入っている理由は、とても美しいランドスケープデザインにあります。
赤塚シャクナゲガーデンは、県道沿いのフラットな土地につくられていますが、園内には、ケヤキやカツラなどの
樹形の美しい高木が両側に並ぶシンボリックな園路があり、その高木の足元を彩るシャクナゲも、
みな大株に育っており、イギリスの庭園で見たようなとても印象的な風景をつくっています。
その赤塚シャクナゲガーデンの「ランドスケープ(園内の風景)編」と、次回の「シャクナゲ品種編」の2回に
分けて、その魅力をご紹介したいと思います。
今回は、第1回目、「ランドスケープ編」と題してレポートしたいと思います。
今年2024年は、4月16日(4月中旬)に訪問しました。
こちらが、赤塚シャクナゲガーデンのエントランスです。
早速出迎えてくれたのが、こちらの淡いピンク色のツツジの列植ゾーン。
係の方に品種名をお聞きしたのですが、忘れてしまいました。
確か、赤塚さんで育種した特別な品種で、一般に販売されていない品種だそうです。
手前の常緑の斑入り葉の植物とのコントラストも印象的で、とても美しいです。
花のアップです。
このツツジは、桜のソメイヨシノと同じように、花が咲く時にはまだ葉がほとんど展開していないため、
花だけがたくさん咲いている状態で、とても美しく見えます。
入場口で入場料(一般:700円/人)を払って、園内に入ると、もう赤や白、ピンクのシャクナゲが満開でした。
赤塚シャクナゲガーデンさんの、園内地図が、公式ホームページに掲載されていますので、
こちらにもリンクしておきます。→ ※ 赤塚シャクナゲガーデンの園内MAP
どんどん奥に進んで行くと、樹形の美しいケヤキ並木が見えてきます。
ここからが、赤塚シャクナゲガーデンの一番の見せ場、ケヤキ・カツラ並木ゾーンです。
手前には、大株のシャクナゲが、2mくらいの高さからなだれ落ちてくるようにダイナミックに咲いています。
そして、こちらが、僕が今一番気に入っている風景です。
高さ10m以上に育っている、ケヤキ・カツラ並木が両側にあり、緑のトンネルを構成しています。
落葉樹のケヤキ・カツラの新緑が芽生えたばかりで、葉も黄緑色でとても軽やかで明るい雰囲気の小径です。
その足元に、両側からいろんな花色のシャクナゲが斜面を構成するように咲き乱れているのも美しいです。
一旦、ケヤキ・カツラ並木から離れて、園内の別のルートを進んでみます。
このあたりは大株のシャクナゲが見事なエリアです。
壁面に誘引しているようにも見えるくらい、園路の両側の高い位置まで、シャクナゲの花が咲いていて、
まるでシャクナゲの渓谷を歩いているようです。
先ほどのケヤキ・カツラの並木道は、長い一本道でしたが、こちらは園路が緩やかに蛇行していて、
その両側に大株のシャクナゲが満開です。
カーブを曲がった先に、次にどんな風景が待っているのか、期待感を持たせるランドスケープデザインです。
訪問したのが4月中旬で、園内には遅咲きのヤエザクラが満開でした。
サクラとシャクナゲのコラボレーションも、とても美しいです。
シャクナゲのさらに上方に、満開のヤエザクラが見えていて、立体感を感じる風景がとても素敵です。
このヤエザクラもとても立派な樹形をしていて、少しアルコーブのように膨らんだ園路にベンチが置かれていて、
その上を覆うように、ヤエザクラが枝を伸ばしています。
こちらは、また別のヤエザクラ。
こちらは、足元にちょうど同じ時期に咲く、黄色いヤマブキが植えられていました。
ピンクと黄色、そして新緑の黄緑色の組み合わせが、とても春らしい風景を構成しています。
少し先に行くと、樹形の良いモミジも植えてありました。
紅葉の時期は、このシャクナゲ園には公開されていないのですが、きっと秋の紅葉の季節も美しいのだろうと
想像できます。
このモミジゾーンの近くに、こんな場所がありました。
赤いシャクナゲ(品種は、太陽)が両側から張り出し、赤い花の壁のようになっていて、
そこに穴が開いて奥に行けるようになっています。
秘密の花園に入るような、ワクワク感を持たせるような演出になっています。
赤いシャクナゲのトンネルの向こうには、まさに秘密の花園がありました。
黄色いヤマブキが、滝のように枝垂れ咲いているエリアで、
黄色に包まれたような錯覚に陥る、特別な場所です。
こちらが、そのヤマブキの花のアップです。
八重咲きの美しい花形です。
近寄ると、黄色というよりゴールドに近い、まさに山吹色です。
再び、園路を奥に進んで行くと、変わった葉を持つ植物が目に留まりました。
こちらが、その植物で、園内におられた係の方に、この植物の品種を
お聞きしましたら、斑入り葉のヤマボウシとのことでした。
こちらが、その斑入りのヤマボウシの葉っぱのアップです。
特に、この時は新緑の時期だったので、葉のとても新鮮で美しかったです。
斑入り葉のヤマボウシは、園内でとても目を惹き、美しかったです。
それ以外に、目を惹いた植物があります。
ケヤキ・カツラ並木エリアに植えられている植物で、オーレア(黄緑色)の新緑がとても目立っていました。
こちらがその植物で、常緑樹のツゲの一種でしょうか?
特に、新緑部分は、鮮やかな黄緑色です。
反対側から見るとこんな感じ。
奥に咲いているシャクナゲの花を引き立ててくれています。
こちらは、新緑の葉のアップです。
いろんな表情をもっていて、とても魅力的です。
冒頭でご紹介した、ケヤキ・カツラ並木の小径を、最奥から見返したアングルです。
ケヤキやカツラの高木が、両側から緑のトンネルをつくるように枝を張り出していますが、
園路は、よく見ると一直線ではなく、緩やかに蛇行しています。
ところどころにベンチが置いてあって、ここでゆっくりとくつろげるようになっています。
都会の喧騒を忘れて、ぼーっと過ごすには、とても素敵な空間なのです。
いつまでもここに居たい、そう思わせてくれる素晴らしいランドスケープデザインです。
是非、皆さんも一度、この美しいガーデンを訪れていただきたいと思います。
本当におすすめのガーデンです。
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