10月も中盤を過ぎました。
ついこの前まで(10月に入っても)まだ30度を超える夏日があったのに、ここ数日は一気に涼しくなってきて、
朝晩はむしろ寒いくらいの気候になってきました。
季節が巡るのは早いというか、やはりここ数年の異常気象、地球温暖化の傾向がますます顕著になって、
春や秋が短くなり、いきなり夏→冬というような季節の巡りになってきているようで、心配になります。
さて、しばらく忙しくしていて、庭作業もほとんどできていなかったので、最近の写真がないため、
今回は、この春の我が家のバラ庭で咲いたバラのいくつかをご紹介したいと思います。
実は、今年の春は気温が高かったためか、あっという間に咲いて散ってしまったような印象で、
バラがきれいに咲いている写真が例年より少なかったように思います。
だんだんバラを育てるのが難しくなってきているようにも感じています。
そんな状況ですが、いくつか気に入っているバラをご紹介してみます。
こちらは、我が家の前庭の建物の外壁麺に誘引しているつるバラで、パレード。
当初は外壁になかったつるバラですが、数年前に地植えしてからだんだんと大きく育っていて、
今ではメインローズのジャスミーナを凌ぐ勢いになってきています。
テラコッタ色の外壁に、マゼンタピンクのビビッドな色が映えます。
こちらは、パレードのアップ。
大輪花ですが、開き切る前の状態もとても端正なフォルムで美しいバラです。
濃い緑の葉っぱとのコントラストも美しいです。
こちらは、前庭・玄関アプローチ沿いの隣地境界のブロック塀に誘引している
つるバラで、バロン・ジロー・ドゥ・ラン。
開いたばかりのフレッシュな花で、この花の最大の特徴である、
波打つ花弁に白いピコが入る姿がとてもアーティスティックで気に入っています。
波打つ花弁が本当に美しいです。
咲き進むと、次第に濃いバーガンディ色に変色していきます。
とても品のある花だと思います。
さらに咲き進むと、ブルーイングして、次第に濃い赤紫色に変色します。
この花色の移り変わりも、このバラの魅力の一つです。
こちらも、前庭の玄関アプローチに壁面に植えているつるバラで、カクテル。
殿堂入りの名花です。
超早咲き品種で、我が家の庭でも、1,2を争う早咲きです。
カクテルの花のアップ。
咲き始めは、花芯は鮮やかな黄色で、外側もかなり濃い赤色ですが、
次第に、中心部は白く退色し、外側の赤色も次第に薄くなっていきます。
少し今風の花形ではない感じですが、多花性で、剛健種なので、
気に入って育てているバラです。
最後の方で紹介しますが、このカクテルの枝替わり品種の、
ピンクカクテルというバラも、とても魅力的で美しいバラです。
こちらは、中庭の一番奥の通路スペースの木製フェンスに誘引しているつるバラで、マダム・イサーク・ペレール。
このバラも超早咲き品種で、カクテル同様、我が家の庭で1,2を争うように咲くバラです。
オールドローズに分類されるバラですが、花型は今風でとても美しいバラだと思います。
香りも素晴らしく、ステム(花茎)が短いため、誘引したその場所で咲いてくれるため、
誘引時のイメージ通りに風景をつくってくれるのも、このバラの魅力のひとつと言えます。
花を真正面から見たところ。
美しい花形で、花色もとてもビビッドで美しいため、育てている人も多い、人気の品種です。
こちらも、中庭の最奥、通路状のスペースで、建物の外壁にワイヤーを渡して誘引しているつるバラで、
シャンテ・ロゼ・ミサト。
ローズスタイリストの大野耕生氏が、歌手の渡辺美里さんに捧げるバラとして名付けられたバラで、
少しシャビーなライラックピンク色のディープカップの花型に特徴があります。
今年は、ツルをあまり切り詰めずに、壁面の高いところまで誘引してしまったのが仇となって、
かなり先の高い位置で咲いてしまいました。
このバラは、ステム(花茎)が長いため、もう少し低い位置で咲かせるように、剪定を行うべきだったと
反省しています。
こちらも、シャンテ・ロゼ・ミサトの横に、建物の外壁面に誘引したつるバラで「すみれの丘」という、
青バラ品種のバラです。
「すみれの丘」は、青バラの銘花「青龍(セイリュウ)」を生み出した
故・小林森治氏が2004年に作出した品種で、世界初の青いつるバラ品種と言われています。
こちらは、中庭で一番目立つ位置に植栽している大型のつるバラで、
スパニッシュ・ビューティ。
高い位置に持ち上げて誘引していて、そこから枝垂れ咲くように仕立てている
のですが、今年はいいタイミングで撮影できなかったので、
その雰囲気を伝える良い写真が撮れていませんでした。
その名の通り、フラメンコのダンサーのスカートのような緩やかなウェーブが
掛かった、美しい大輪の花が魅力的な品種です。
こちらは、中庭の玄関ドア横の建物壁面に誘引している中型のつるバラで、
イングリッシュローズのテス・オブ・ダーバー・ビルズという長い名前の品種で、鮮烈な赤色の花が特徴的なバラです。
花形も、イングリッシュローズならではの美形で、しかも大輪です。
このバラが咲くと、とてもインパクトがあります。
こちらも、イングリッシュローズのつるバラで、廃版品種となってしまったアブラハム・ダービーです。
複雑に色が混じりあったコーラルピンクの花が美しく、香りも素晴らしいフルーツ香で、
なぜ、この品種が型落ちしてしまったのか、信じられないくらい、素晴らしいバラです。
ここからは、前庭に移ります。
こちらは、鉢植えで育てているバラで、イングリッシュローズの
ガートルード・ジェキルという品種。
イングリッシュローズと言えば、まずこの品種が挙がるほど有名な品種で、
著名な女性園芸家の名前が付いています。
濁りのない美しいピンク色が特徴的な花で、ダマスク香も鮮烈です。
こちらは、友人から譲り受けたイングリッシュローズで、
すでに廃版となっている珍しい品種で、ラジオ・タイムズ。
イングリッシュローズの中では、一番の早咲き品種で、この花が咲き出すと、
一気に庭が明るくなるほどの美しい花です。
ラジオ・タイムズが咲き進むと、このような感じになります。
少し妖艶な雰囲気を纏います。
こちらは、前庭に地植えしているイングリッシュローズで、
特にコンパクトな品種で、シスター・エリザべス。
ライラックピンクの花色が特徴で、小ぶりな花をいくつも咲かせます。
こちらは、前庭のシンボルツリーを植えている花壇に植栽している
イングリッシュローズで、クィーン・オブ・スゥェーデン。
コロンとした花形が可愛らしく、とても整った花形をしています。
このクィーン・オブ・スゥェーデン、一番の特徴は、その花首の強さでしょうか?
イングリッシュローズの多くは、花は美しいけど、花首が弱く、
大きな花を支えきれず、下を向いて咲く品種が多い中で、
このクィーン・オブ・スゥェーデンは、しっかりとした花首で、
上を向いてしっかり花を咲かせるのが特徴です。
こちらも、シンボルツリーの花壇に植えているイングリッシュローズで、ジョン・クレア。
咲き始めたばかりの頃の一枚で、コロンとした美しい花形をしています。
このバラも早咲き品種です。
こちらは、前庭の北側・隣地境界側の花壇、「キャンディコーナー」と
名付けているエリアに植栽しているイングリッシュローズで、トランクウィリティ。
はちみつ色の花色が特徴的なバラです。
もう一枚、トランクウィリティ。
イングリッシュローズらしい、丸くコロンとした花形がとても美しいです。
こちらも、同じ花壇に植えているイングリッシュローズで、ひとつ前のトランクウィリティによく似た花が咲く
トロワラスという品種。
こちらも優しい花色がとても印象的な品種です。
こちらも、イングリッシュローズのひとつで、一部の方々に人気の高いタモラという品種です。
なんとも言えない美しいサーモンピンクの花色がとても魅力的です。
今年咲いた花の写真の中で、一番気に入っているのがこの写真です。
こちらも、キャンディゾーンに植栽しているイングリッシュローズで、
カーディング・ミルという品種です。
シャーベットオレンジ色の花色がとても美しく、気に入っているバラです。
こちらは、半分葉っぱで隠れてしまっていますが、濃い黄色の花色のイングリッシュローズで、
ゴールデンセレブレーション。
このバラも、花型が美しいのが特徴的です。
黄色い花が咲くイングリッシュローズは多々ありますが、
このゴールデン・セレブレーションは、その中でも別格の美しさがあると思います。
こちらは、イングリッシュローズではないのですが、
オレンジ色の花色のつるバラで、サンセット・グロウ。
親株は、残念ながら数年前に枯らしてしまったのですが、こちらはスペア
として挿し木していた株を少しづつ大きく育てているところです。
花もちは悪く、すぐ散ってしまうのですが、その分、次から次へと開花し、
香りも強いフルーツ香で、とても良いバラです。
大きくして、壁面に誘引して風景をつくるには、最適なバラと言えます。
こちらは、品種不明のバラ(木立性)で、花色のあかね色がとても美しい品種で、
とても気に入っているバラです。
多花性で、枝先にたくさんの花を一度に咲かせます。
こちらが咲いた時の様子。
少しマットなオレンジ色が、とても印象的な花色です。
別アングルでもう一枚。
まさにブーケのように、まとまって咲いてくれます。
こちらは、京阪園芸さんが以前手がけていたF&Gローズのひとつで、
ブルドゥ・パルファムという薄紫色のバラです。
写真では、少し雨に打たれて汚れてしまっていますが、綺麗に開花すると、とても美しいのです。
こちらの写真は、前庭・北側隣地境界部分の「キャンディ・コーナー」と呼んでいるエリアのバラが
開花し始めた頃の様子です。
白い木製フェンスに誘引した早咲き品種のつるバラ、ピンクカクテルは、だいぶ咲き始めていますが、
手前のイングリッシュローズが、まだほとんどが蕾のままです。
こちらは、ピンクカクテルのアップです。
冒頭でご紹介した銘花・カクテルの枝替わり品種で、赤い部分がピンク色になっている一重咲きのつるバラですが、
同じ花形でも、赤がピンクに変わるだけで、こんなに印象が変わるのです。
このピンクカクテルは、本当に可愛らしく、このピンクカクテルの花色に合うように、手前の木立性のバラは、
黄色やアプリコット色、すみれ色などを選択しています。
このキャンディ・コーナーを、斜め横から見たアングル。
超早咲きのピンクカクテルの合わせて、このエリアには、早咲き品種で
かつ花色をキャンディコーナーのイメージ合うものをセレクトしています。
そのひとつが、淡い青紫色をしたクレマチスの美佐世という品種です。
こちらが、クレマチス・美佐世のアップ。
名前からも分かるように、日本で作出されたクレマチスで、
単体で見ると和を感じるところもありますが、うまく合わせれば、
洋風にもなります。
バラにはない青い花色と大きな花形が、とても印象的です。
バラだけだと、すこし暑苦しくなる部分を、うまく中和して演出してくれています。
このエリアには、この美佐世以外にも、天塩やミゼットブルーといった、青い花色を持つクレマチスを複数入れて、
可愛らしい風景となるよう、演出をしています。
こちらも、バラとは違う植物で、フジの一種のアメジスト・フォール(アメリカフジ)を、
前庭に面したパーゴラに誘引しています。
植えた時は小さかったのですが、数年たって、かなりの花を咲かせるようになってきました。
通常のフジは、4月後半~5月初旬に咲くため、バラと合わせるのは難しいのですが、このアメジスト・フォールは、
遅咲きのフジのため、早咲き品種のバラを花期を合わせることができます。
また、一般的なフジほど大きくはならないため、一般家庭の庭に植えても心配は少ないです。
そういった意味でも、このアメジスト・フォールはとても重宝する植物と言えます。
こちらが、アメジスト・フォールの花のアップ。
通常のフジのように、花穂が長く枝垂れて咲くタイプではなく、キウイのような楕円形の大きさで
コロンとした可愛いフォルムをしているのも、魅力の一つではないかと思います。
如何でしたでしょうか?
今年2024年の我が家の庭で咲いたバラのすべてではありませんが、特に印象的だったバラを
ご紹介させていただきました。
これからバラを育ててみようと思われる方の品種選びの参考にしていただけると幸いです。
■おすすめ特集