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京北・香りの里/六ヶ畔・花簾庭(京北バラ園)2025年オープンガーデン&公式ホームページ開設のご案内

居場英則

桜満開の今日この頃、ようやく三寒四温の気候もおさまって、温かくなってきました。

ひとつ前の記事でも書きましたが、我が家のガーデンも早春を彩るユキヤナギが満開で、

次はツツジが続々と咲き始めています。

さて、今年もいよいよ春のオープンガーデンのシーズンが近づいてきました。

僕がデザインをさせていただいた京都のバラ園、「京北・香りの里/六ヶ畔・花簾庭」(通称:京北バラ園)も、

今年2025年もオープンガーデンを開催することになりましたので、お知らせします。

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2018年よりスタートした京北バラ園のオープンガーデンは、バラ園オーナーの厚意により、

春のバラシーズンのみ週末の土日限定で開催しております。

今年2025年も、以下の8日間、実施することになりました。

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◆ 2025年(令和7年)京北・香りの里/六ヶ畔・花簾庭(京北バラ園)・オープンガーデン情報 ◆

     開催期間:令和6年5月24日(土)、5月25日(日)、5月31日(土)、6月1日(日)

              6月7日(土)、6月8日(日)、6月14日(土)、6月15日(日)の限定8日間

     開園時間:9:00~16:00 

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実は、「京北・香りの里/六ヶ畔・花簾庭」(京北バラ園)は、これまで公式のホームページがなかったのですが、

このたびようやく公式ホームページが開設されました。

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「京北・香りの里/六ヶ畔・花簾庭」の公式ホームページは、こちら → 


京都の市街地から北へ車で約1時間の場所にある京北は、冷涼な気候のため、バラの開花期も、

京都市内より約半月ほど遅れて、5月中旬~6月中旬頃が見ごろとなります。

例年、5月の最終週の土日と、6月1,2週目の週末の土日の計6日間限定でオープンガーデンを開催しておりますが、

今年は、日程の関係上、5月下旬~6月中旬の4週間、計8日間の開催となっております。

是非、お越しいただけましたら幸いです。

オープンガーデンの詳細は、上記、公式ホームページをご参照ください。


さて、今回のブログ記事では、先日(3月下旬)に、現地を訪れた際の様子をご紹介したいと思います。

今年のオープンガーデンに向けて、ヘッドガーデナーのRさんほか、スタッフの皆さんが丹精込めて

剪定・誘引などの作業をされておりますので、その様子をご覧いただければと思います。

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現地を訪れた3月下旬、ちょうどバラ園のメインエントランス横で、紅梅が美しく咲いていました。

この紅梅は、バラ園オーナーが所有する別の土地に植わっていたものを、バラ園のシンボルとして、

この場所に移植したものです。

毎年3月に美しい、赤い花を咲かせてくれます。

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今年は、冬の降雪が多く、ガーデンのつるバラの仕立てが遅れ気味だったようですが、

ヘッドガーデナーのRさん含め、皆さんの頑張りで、3月末には、ほぼ完成に近いところまで仕上がっていました。

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こちらは、メインエントランスを入ってすぐの、木立性のイングリッシュローズエリア。

コンパクトに剪定され、株元にも、雑草対策で木チップを新しく敷きつめ、とてもキレイに仕上がっていました。

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木立性のイングリッシュローズエリアの向かい側、駐車場との間の木製フェンスに誘引されたつるバラゾーン。

イングリッシュローズのつるバラを中心に、配置しています。

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和の風情を醸し出す、平瓦を載せた木格子塀も、新たに防腐塗料が塗られ、とても真新しく見えます。

オープンガーデンに備えて、バラ園各所で、様々なメンテナンス作業が行われています。

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同じ木格子塀を反対側(メインゲート方向)を見たところ。

旺盛に育っていたつるバラも、キレイに整えられて、木塀に貼り付けられています。

木塀の外側には、シンボルツリーの紅梅が見えています。

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こちらは、八連のアーチ。

一般的な円弧状のアーチではなく、里山風景に馴染むよう、切妻屋根をイメージしたオリジナルデザインで、

地元のアイアン作家さんに製作していただいた特注アーチです。

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高さも高く、最長部で約4.5mほどあります。

そのアーチの両側部分に植えられた大型のつるバラを添わせるように、頭頂部へと誘引しています。

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アーチの奥の方から、メインエントランスゲート方向を見たアングルです。

不等辺の三角屋根がとても印象的です。

周囲の和風建物とも調和するようなデザインです。

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八連アーチの隙間から、バラ園中央方向を見たアングルです。

ちょうどこのあたりは、「香りのオールドローズ」を集めたエリアです。

半つるバラのオールドローズを、岩(景石)の後ろ(北側)の植栽して、つるを岩の手前(南側)へと

引っ張る誘引を行っています。

このバラ園は、『近くを流れる「上桂川」の水の流れを、バラの花で表現する』という

ガーデンデザインコンセプトを立てています。

そのガーデンデザインコンセプトに沿って、このような特殊なツルの誘引方法を採用しています。

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こちらは、京北バラ園の代名詞ともいうべき、「バラの滝ゾーン」。

棚田の段差を活かして設けた擁壁花壇に、群星(白花)・群舞(ピンク花)という日本のつるバラを混植し、

上桂川に設けられた堰(六ヶ堰)を流れ落ちる水をバラの花で表現するという設えとなっています。

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オープンガーデンの際には、まさにその滝を流れ落ちるような水のように咲く「バラの滝」を見ていただけると

思いますが、実は、花が咲く前の誘引は、このような形になっています。

棚田の上の段(北側)に植えたつるバラのつるを、手前(南側)に引っ張るような誘引をしています。

麻ひもや鉄筋などを使って、滝のように見せるための「クセ」を付けています。

このあたりもヘッドガーデナーのRさんたちスタッフの経験と工夫でつくられています。

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少し引きで、「バラの滝」の全景を見ると、こんな感じ。

約50mくらいありますので、これが全部咲き誇ると、圧巻の風景を作ります。

是非、現地で実物を見ていただきたいです。

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「バラの滝」を構成するつるバラ(群星・群舞)の誘引のクローズアップです。

オープンガーデンの際には、この仮留めしている麻ひもや支柱、鉄筋などは撤去しています。

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「バラの滝」ゾーンを反対方向を見たところ。

実は、昨年の開花期のあと、園内に鹿が入って、この群星・群舞の枝をかなり食べられてしまいました。

(このあたりは、鹿や猪などの獣害が発生するエリアのため、バラ園は周囲を柵で囲っています。)

なので、今年の「バラの滝」のつるが、例年に比べ、若干ボリュームが足らないかもしれません。

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こちらは、「香りのオールドローズゾーン」。

先ほども少し書いた通り、つる樹形のオールドローズを、地面際で寝かせ、岩(景石)を乗り越える

水のように見せる誘引を行っています。

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このあたりも、同様に、オールドローズゾーンのつるバラの誘引の様子です。

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同じ部分を、真横から見たアングルです。

今は、まだ葉も花もありませんが、頂芽優勢の原則をうまく使って、この弓なり形状全部に花を咲かせます。

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同じ部分を裏側から見たところです。

岩を越えて花を咲かせる誘引方法がよく分かっていただけると思います。

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こちらは、オールドローズゾーンの横、低い木塀に誘引したオールドローズのつるバラエリアです。

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この木塀にも、平瓦が載せてあり、和の趣きを感じるような設えとなっています。

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このあたりは、小輪一重咲きのつるバラを配置していて、木格子と相まって、「和」をイメージする花色の品種を

選んでいます。

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こちら、ヘッドガーデナーRさん渾身の誘引テクニックで仕立てられた一重咲きのつるバラ「安曇野」です。

写真では分かりにくいかもしれませんが、満開になると、球体に咲くように仕立ててあります。

京北バラ園の名物のひとつとなっています。

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こちらは、休憩所(東屋)を兼ねた、つるバラを誘引するためのパーゴラです。

先に紹介した不等辺三角形のアーチ同様、周囲の和の街並みや里山風景に調和するようにデザインしています。

一見すると切妻屋根の建物に見えますが、実はパーゴラです。

このパーゴラ(兼東屋)も木でできており、経年劣化でずいぶん古ぼけていましたが、

現地の管理人をお願いしているMさんが、防腐塗料を塗ってくださって、キレイになりつつあります。

訪れた時は、まだ一部の壁面が塗られていませんでしたが、現在はすでに全面塗り終わってきれいになっています。

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この東屋パーゴラにも、何本ものつるバラが誘引されているのですが、

木部の塗装のため、一旦誘引を解き、さらにワイヤーの張り替えも実施しました。

木部塗装のあと、ステンレスワイヤーを張り替えてもらい、ようやくつるバラの誘引という手順になります。

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パーゴラの内部の木部もキレイに塗り替えてもらいました。

このあと、床のデッキ部分も塗り替えていただくことになっています。

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木製パーゴラの南側。

こちらの屋根面(垂木)も塗り替えていただき、その後にステンレスワイヤーを張り直し、

そして、大型のつるバラ(メイクィーン)を両側から屋根の上へと誘引します。

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こちらは、バラ園北側の、棚田2段目にあるアイアン製のパーゴラ。

我が家から持ち込んだ大型のつるバラ、ポールズ・ヒマラヤンムスクやドロシー・パーキンスなどを

誘引してもらっています。

また、フランソワ・ジュランビルという枝垂れ咲く品種のバラを、スクリーンのように仕立ててあります。

ここも、ヘッドガーデナーRさんこだわりのエリアです。

京北バラ園に行かれたら、是非、見ていただきたい場所です。

京北バラ園は、4段棚田の一番下のたんぼ一枚(約300坪)が敷地となっていますが、

実は、現在、棚田2段目と3段目にエリアを拡張しています。

新たに、「バラの滝ゾーン」があと2ヶ所設置されました。

また、この写真のエリアも、来年には、また少し様変わりする予定です。

この風景が見られるのも今年だけです。


※ オープンガーデン2025について

当バラ園は、個人の私庭であり、有志ボランティアにより維持管理されています。

令和4年から、入園されるお客様から、お一人様500円の「維持管理協力金」をお願いしております。

本年2025年度(令和7年度)も、入園にあたり、お一人様500円の「維持管理協力金」をお願いいたします。

皆様から頂戴いたしました「協力金」は、バラ園の今後の永続的な維持を目標とした、

園内のバラの育成・保護、資材購入、園内の整備等に使用させていただきます。

どうかご理解・ご協力の程、お願い申し上げます。

なお、「維持管理協力金」にご協力いただきました方には、京北バラ園オリジナルの「大判ポストカード」

(3枚1セット、先着3000名様)をプレゼントいたします。

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【 京北・香りの里 六ヶ畔・花簾庭(京北バラ園)について 】

■住所:京都市右京区京北比賀江町口烏谷(くちからすたに)

    (京北にある皇室ゆかりの御寺・常照皇寺に向かう国道477号線の左側にあります。)

2025年(令和7年)・オープンガーデン情報

   開催期間:令和7年5月24日(土)、5月25日(日)、5月31日(土)、6月1日(日)

            6月7日(土)、6月8日(日)、6月14日(土)、6月15日(日)の限定8日間

   開園時間:9:00~16:00   駐車場:あり  


※ 「維持管理協力金」についてご協力のお願い

  当園は個人の私庭であり、有志ボランティアにより維持管理されています。

  入園されるお客様・お一人様500円の「維持管理協力金」をお願いしております。

※ その他のお願い

  ・個人邸につき、トイレ、手洗い所、自動販売機、休憩設備等はございません。

   近隣の公共施設をご利用いただきますようお願いいたします。

  ・ペットの同伴はリード着用。園内でのトイレは禁止とします。

   お客様の中には動物が苦手な方、アレルギーのある方などもいらっしゃいます。

   飼主の方は、十分配慮の上、ペットの同伴をお願いします。

   園内が混雑している場合は、入場をお待ちいただく場合もございます。

  ・マナーを守っての散策をお願いします。

  ・当園内、付属の駐車場での事故、盗難等につきましては一切責任を負いません。

「京北・香りの里/六ヶ畔・花簾庭」の公式ホームページは、こちら → 

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居場英則

『進化する庭、変わる庭』がテーマ。本業は街づくりコンサルタント、一級建築士、一級造園施工管理技士、登録ランドスケープアーキテクト(RLA)。土面の殆どない庭で、現在約120種類のバラと、紫陽花、クレマチス、クリスマスローズ、チューリップ、芍薬等を育成中。僕が自身の庭を創り変える過程で気づいたこと。それは、植物の持つデザイン性と無限の可能。そして、都市部の限定的な庭でも、立体的な空間使用、多彩な色遣い、四季の植栽の工夫で、『風景をデザインできる』ということ。個々の庭を変えることで、街の風景も変えられるはず…。『庭を変え、街の風景を変えること』が僕の人生の目標、ライフワーク。ーー庭を変えていくことで人生も変えていくchange my garden/change my lifeーー

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