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専門家「風景」をつくるガーデニング術

青い花の咲く、我が家のオススメの宿根草

居場英則

前2回の記事では、我が家の庭の風景を作る高木と低木について書いて来ました。

今回は、それらの植物の足元で、グランドカバー的に空間を引き締める、オススメの宿根草について

書いてみようと思います。

バラを始める前から、様々な宿根草が我が家の庭にありましたが、そんな中でずっと変わらず育てている、

愛着深い、我が家のロングセラーの宿根草をピックアップしてみました。

改めて選んでみると、それらの宿根草には共通点がありました。

そう、それは花色が青〜紫色という共通点です。

青い花は、鮮やかすぎず、眺めていると穏やかな気持ちにさせてくれる、目にも優しい花ですね。

● ロックガーデンをブルーの絨毯に変えるアジュガ

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こちらは、我が家の前庭、玄関アプローチの脇に、丹波石をランダムに積み上げて作ったロックガーデン。

このロックガーデンには、宿根草のアジュガを一面に植えています。

バラの開花の直前、4月の中旬くらいになると、このロックガーデンでではアジュガの花が満開になり、

まるでブルーの絨毯を敷き詰めたように華やかになります。

ロックガーデンが緩やかな勾配を持った斜面になっているので、

荒々しい岩肌がむき出しになった丘に、ブルーの森が出現したようにも見えます。

●青紫色の森のようなアジュガ

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アジュガの花は、この写真のようにタワーのように立ち上がって

青紫色の花が何段にも亘って咲きます。

この木のようにも見えるアジュガの花が重なって咲くと、

まるで森のような雰囲気になります。

アジュガは比較的花期が長いので、長い間(1ヶ月ほど)花を楽しめますが、

バラが咲く頃には散ってしまいます。

バラとコラボしいてくれるともっと重宝するのですが、そこが唯一残念なところです。

地下茎でどんどん増えますし、踏まれても丈夫。

花が終わっても赤紫色の常緑の葉っぱを楽しめますので、

庭では何かと使いやすい植物だと思います。

●楚々とした可愛らしい紫花、シシリンチウム

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こちらは、前庭の丹波石を積み上げた花壇のさらに外側、道路の縁石との境目の小さなスペースに植えている

宿根草で、シシリンチウム。

春先に紫色の可愛らしい花をたくさん咲かせる常緑の宿根草です。

この写真のように列植すると見応えがありますよ。

●丈夫で手が掛からないところもグッド

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このシシリンチウムはとても丈夫で、ほぼ何もせずとも、毎年ちゃんと花をさかせてくれる優秀な植物です。

小さな花なので、他の花の引き立て役にも最適です。

我が家では、地植えのビオラなどと競演させていますが、

小輪同士でも、相手の花をちゃんと目立たせてくれます。

素朴な花なので、変に主張せず、花壇の丹波石との相性もとても良いですね。

●野性味の中にも品がある、シラン(紫蘭)

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こちらは、我が家の中庭に植えている宿根草でシラン。

「紫の蘭」と書きます。

蘭の一種ですが、野性味があって庭に植えていても全然浮きません(笑)。

むしろ、この蛍光色のような独特の花色がとても庭の中で目立ちます。

丈夫ですぐに増えてしまうという難点?(汗)がありますが、

それだけ気軽に使える植物だと思います。

さすが蘭の一種というだけあって、ひとつの花の可憐さも持ち合わせていますね。


●壁面誘引のつるバラの足元で咲かせる

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このシランを、我が家では隣地境界フェンスに壁面誘引した

つるバラの足元で咲かせています。

ピンクや赤紫、そして白などのつるバラの足元で、バラには数少ない

青紫色の花を添えるように、このシランを配置しています。

このシランの花があることで、バラの花色が一層映えるような気がします。

また、このシランを植えている場所は、かなりの日影ゾーンなのですが、

少々の日影でも、ものともせず咲いてくれるところもシランの良さだと思います。


●シェードガーデンに映える薄紫色の花、ギボウシ

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こちらは、中庭のシェードガーデンゾーンに植えている宿根草で、ギボウシ。

ギボウシといえば、葉を楽しむ植物というイメージが強いと思いますが、

その花もなかなかの鑑賞価値があるんですよ。

こちらがそのギボウシの花です。

バラの一番花が終わった6月〜7月頃に、花茎を伸ばして

鈴なりにその可憐な花を咲かせてくれます。

少し暗いイメージのシェードガーデンが、一気に華やぎます。

●花が終わっても美しい緑を生み出す、庭の清涼剤

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ギボウシの花も素敵ですが、やっぱりギボウシと言えばその葉の美しさに尽きますね。

我が家でも庭のあちこちにギボウシを植えています。

中庭のシェードガーデンゾーンでは、斑入りの葉を持つギボウシを何種類も植えています。

色の異なる緑が重なる事で、清涼感が出て来ますね。

真夏でも、ここだけは静かな森の中のような雰囲気になります。

冬には地上部が枯れて、何もなくなってしまうタイプの宿根草ですが、

春に葉っぱが出て来る時の喜びも味わえるのもなかなか良いですよ。


●淡い紫色の花火、アガパンサス

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ギボウシに良く似た花の咲かせ方をする宿根草が、こちらのアガパンサス。

花が咲くまでは、地表に近いところで葉が広がっているだけなのですが、

初夏になると一気に花芽を立ち上げて、地上から1メートルくらいの高さで

鮮やかなブルーの花を咲かせます。

まるで、地上から打ち上げ花火が上がったかのような雰囲気です(笑)。

花は透明感のあるブルーで、四方八方に開きます。

いくつも重ねて咲かせると面白いです。


●何層もレイヤー(層)を作るように、段を付けて花を咲かせる

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こちらは、我が家の前庭の隣地境界側の花壇です。

この狭いスペースに何層にも亘って植物を重ねるように配置し、花を咲かせています。

白いフェンスに添って、高木のオリーブを列植し、その手前に宿根草のアガパンサスを植え込み、

地面から1メートルくらいの高さで花を咲かせます。

そして、アガパンサスと同じ時期に花の咲く、紫陽花を鉢植えでアガパンサスの手前に並べています。

アガパンサスの淡いブルーとの対比で、濃いピンク色の紫陽花を並べました。

その紫陽花の足元には、常緑のセダムをグランドカバーとして植え込み、一番奥の白い木製フェンスには、

数種類のつるバラを誘引しています。

小さな庭で、限られた植栽スペースを有効に活用するために、何層にもレイヤー(層)をつくって、

同時期にいろいろな花を咲かせる工夫をしています。


如何でしたでしょうか?

今回は我が家の庭に地植えしている宿根草のなかから、特にオススメの5品種の植物を紹介してみました。

バラにはない花色のブルーを上手く使う事で、派手な色の「バラの庭」というイメージだけではない

素朴な印象を作れるのではないかな〜と、思っています。

また宿根草を選ぶ際には、花の咲く時期に気を遣う事と、一年の大部分の期間は葉っぱのままなので(汗)、

葉の美しいものを選ぶようにしています。


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居場英則

『進化する庭、変わる庭』がテーマ。本業は街づくりコンサルタント、一級建築士、一級造園施工管理技士、登録ランドスケープアーキテクト(RLA)。土面の殆どない庭で、現在約120種類のバラと、紫陽花、クレマチス、クリスマスローズ、チューリップ、芍薬等を育成中。僕が自身の庭を創り変える過程で気づいたこと。それは、植物の持つデザイン性と無限の可能。そして、都市部の限定的な庭でも、立体的な空間使用、多彩な色遣い、四季の植栽の工夫で、『風景をデザインできる』ということ。個々の庭を変えることで、街の風景も変えられるはず…。『庭を変え、街の風景を変えること』が僕の人生の目標、ライフワーク。ーー庭を変えていくことで人生も変えていくchange my garden/change my lifeーー

個人ブログChange My Garden

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