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専門家「風景」をつくるガーデニング術

県立奈良高校・創立100周年記念事業・中庭プロジェクト、その20(文化祭「青丹祭2024」編)

居場英則

僕の母校である、県立奈良高等学校の創立100周年記念事業でつくる中庭(竪義の庭)プロジェクト。

今回は、奈良高校の文化祭・「青丹祭(せいたんさい)2024」の一般公開の日にお邪魔させていただたので、

新しい中庭をはじめ、現役の学生たちの様々な催しやイベント、パフォーマンスなどの様子を

レポートしたいと思います。

ちょうど1年前の青丹祭は、創立100周年記念事業の中庭の工事が着工し、既存の中庭が解体され、

中庭は更地になっていたのですが、まだ工事中ということで活用されませんでしたが、

今年の青丹祭では、中庭で様々なイベントが開催されるという話を聞いていましたので、

楽しみにしていました。

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奈良高校の今年の文化祭「青丹祭2024」は、9/6(金)、9/7(土)の2日間行われました。

平日は仕事で行けなかったので、週末の土曜日にお邪魔させていただきました。

生徒の通用門には、普段はない色鮮やかな風船による装飾がされ、お祭り気分を高めてくれます。

この日は、雲一つない快晴で、白い校舎が青い空に映えていました。

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8時半からの開場で、早くもたくさんのOBOG、地域住民の方、他校の学生などが受付に並んでいました。

今年2024年の文化祭「青丹祭」のテーマが、校舎に掲げられてました。

今年のテーマは、「θ→∞ たのθもんがち!楽しさは無限大!(∞)」でした。

昨年2023のテーマが、「青丹祭であることを用いて、最高の青春を求めよ」でしたが、

両年とも奈良高校らしい数学的なテーマが掲げられていました。

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こちらは、校舎東棟1階、生徒の昇降口です。

この昇降口を入った奥に、新しくできた中庭「竪義の庭」があります。

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昇降口から中庭を見たところ。

今年は、新しくできた中庭「竪義の庭」をサブステージ(メインステージは体育館)として活用されるとのことで、

白い役員用のテントが設けられ、プラトン・アリストテレス立像の前には、楽器かアンプ?が置かれたような

塊があってブルーシートで囲ってありました。

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ちなみに、こちら↑の写真は、ちょうど1年前の青丹祭の時のプラトン・アリストテレス立像。

旧校舎(法蓮校舎)から、新校舎(朱雀校舎)へと、立像は移設されていましたが、

まだ、正面玄関前に仮設置の状態でした。

その立像に、旧校舎の時と同じように、飾り付けがされていました。

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そして、こちらは1年前の中庭の様子。

ちょうどお盆明けに解体工事に着手して、9月初旬の青丹祭の頃には、整地が終わって、

楕円形のスタンドベンチをつくるための土盛りが行われているところでした。

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土留め擁壁の基礎も作り始めていました。

中庭は工事中ということで、昨年の青丹祭では、校舎の外側の喧噪からは想像もできないほど

静寂に包まれていました。

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そして、こちら↑が、今年2024年の青丹祭当日の中庭。

4月からすでに供用が始まっていて、学生たちには、新しい中庭はすでに日常の風景になっています。

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校舎(東棟)2階の廊下から、中庭を見下した写真。

昨年は、整地中で、一面土しかなかったため、とても広大な敷地に思えました。

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こちら↑が、今年。

楕円形のスタンドベンチが配され、その内側には床のパターン張りタイルが特徴的な中央広場(アリーナ)、

スタンドベンチの外側に植栽も配置され、重層的になりましたが、中央の広場自体はコンパクトになりました。

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校舎南棟3階から、斜めに中庭全景を見たアングル。

この時は、本当に広く見えました。

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こちらは、今年。

このアングルで見ると、完成した中庭も、相当広く見えますね。

文化祭の飾りつけで、南北の校舎をつなぐように、中庭の上空に風船が架けられていました。

まだ朝早いのですが、早くもスタンドベンチには、中庭でのパフォーマンスを見に来たギャラリーが座っています。

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中庭では、まず初っ端、ダンス部のパフォーマンスが始まりました。

前回、中庭のお披露目会(8月)には、ダンス部全体でのパフォーマンスを見せてくれましたが、

青丹祭では、各グループでのパフォーマンスのようです。

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あっという間に、スタンドベンチには、多くのギャラリーが集まりました。

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パフォーマーの後方から、校舎東棟・昇降口方向を撮影してみました。

この日も朝から日差しが強く暑かったので、日陰のできるエリアにギャラリーが集中していました。

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次々にダンス部のパフォーマーが入れ替わり、その都度、大きな歓声を浴びていました。

僕の高校時代には、まだダンス部はなかったので、今の時代、ダンスなどのパフォーマンスを演じてもらうには

この新しい中庭の空間は、ちょうど良いサイズだなと思いました。

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ダンス部に続いて、書道部のパフォーマンスが始まります。

まず、中央広場に、大きなブルーシートが広げられました。

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まずは、紙の上に寝そべって、ダンス的な要素から演技が始まりました。

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部員の学生たちが分担して、一気に紙の上に筆を進めていきます。

校舎の上から見下ろして、全景を見ることができるのも良いですね。

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書きあがった書は、持ち上げられて、正面に向くよう、回転していきます。

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そして、観客席に向かって掲げられました。

スタンドベンチや四方の校舎から見ることができる、この中庭にとてもよくフィットしたパフォーマンスです。

書は、今年の文化祭「青丹祭2024」のテーマ、「θ→∞ たのθもんがち!楽しさは無限大!(∞)」に

因んだと思いますが、「むげん」が「夢幻」と「無限」の2つのことばに掛け合わされて表現されていました。

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ここからは少し、室内展示の様子です。

2年生は、教室を使った展示が担当で、こちらのクラスでは、回転木馬(人力でしたが)に

乗ることが出来ます。(乗りませんでしたが:笑。)

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こちらは、ボーリングができる展示でした。

こういう楽しそうな展示の様子を見ていると、高校時代が懐かしいです。

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こちらは、屋外プールで、水泳部のパフォーマンス「ウォーターボーイズ」が行われていて、

多くの観客で盛り上がっていました。

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こちららは、校舎の外側に設けられた模擬店の様子。

模擬店は、主に3年生や部活が担当します。

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こんな模擬店もありました。

「アイスの天ぷら」です。

つくるの結構、難しいんじゃないかな?

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校舎の中をひととおり巡って、再び、中庭「竪義の庭」へ戻ってきました。

中庭では、軽音楽部の演奏が始まっていました。

体育館のステージと、中庭のステージの2つの会場に分かれて、様々なバンドが演奏していました。

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設計者としては、中央広場の床タイルパターン張りの部分がステージになるのかなと、いうイメージを

持っていたのですが、そこはパイプ椅子を並べたアリーナ席になっていました。

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校舎東棟2階の共用廊下から、中庭の正面方向を見たアングルです。

旧校舎から移設されたプラトン・アリストテレス立像を設置した階段状のスペースが、

演者の舞台のようになっていて、プラトン・アリストテレスも一緒にバンドのメンバーのように

演じているかのようにも見えます。

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この頃になると、太陽が上がってきて、中庭は結構な暑さになっていました。

中央のアリーナ席も用意されていましたが、暑くて、観客は少しでも日陰に入ろうと、

手前のスタンドベンチに集中していました。

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文化祭の開催される9月上旬は、まだ残暑厳しい季節で、晴れたのは良いのですが、日差しが強く、

本当に暑かったので、アリーナ席の観客や、ステージで演奏するパフォーマーには、

とても厳しい条件だったかもしれません。

ですが、この時期、日本各地で開かれているサマーフェスのように、暑い中でも

この中庭でパフォーマンスすることが、学生たちの憧れになるような、

そんな中庭になっていってくれるといいなと思いました。

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実は、僕も奈良高校在学中は、軽音楽部に在籍していまして、ドラムを担当してまして、

いくつものバンドを掛け持って演奏していました。

自分がデザインさせてもらった中庭で、後輩の軽音楽部の学生たちが演奏している姿を見て、何だか感無量でした。

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体育館のメインステージでの演奏やパフォーマンス、校舎外の模擬店などに学生が分散しているためか、

暑かったこともあり、中庭は思ったほど観客は多くありませんでした。

ただ、文化祭の終了後、学生や教職員の方だけが参加された後夜祭でも、

中庭でさまざまなパフォーマンスが行われたそうで、

その際には、大勢の人が中庭に集結し、大変盛り上がったそうです。

あと、ガーデンの観点で言うと、中央広場の床に芝生のように見えるグリーンの部分、

ここにはクラピアという、グランドカバープランツを雑草対策も兼ねて植栽しているのですが、

だいぶ緑の範囲が広がってきました。

楕円形のスタンドベンチの間、足を入れる部分の地面にも、同じくクラピアを植栽していますが、

そちらもだいぶ緑が茂って、カーペット状になってきました。

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軽音楽部のパフォーマンスの合間に、バイオリンの三重奏も披露されました。

中庭で聴く、アコースティックな音色も素晴らしかったです。

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aこちらは、奈良高校の現役の先生方のバンド演奏です。

懐かしい楽曲が演奏され、演奏テクニックもヴォーカルの先生の歌声もとても良くてとても盛り上がっていました。

現役の学生だけでなく、OBOGも、この新しい中庭で、今後何らかのパフォーマンスができたらいいなと、

個人的には思いました。

文化祭最終日は、お昼まで公開でしたが、学生時代に戻ったようで、とても楽しい1日でした。

このような中庭の使われ方を実際に見ることができて、設計者冥利につきた1日でもありました。


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居場英則

『進化する庭、変わる庭』がテーマ。本業は街づくりコンサルタント、一級建築士、一級造園施工管理技士、登録ランドスケープアーキテクト(RLA)。土面の殆どない庭で、現在約120種類のバラと、紫陽花、クレマチス、クリスマスローズ、チューリップ、芍薬等を育成中。僕が自身の庭を創り変える過程で気づいたこと。それは、植物の持つデザイン性と無限の可能。そして、都市部の限定的な庭でも、立体的な空間使用、多彩な色遣い、四季の植栽の工夫で、『風景をデザインできる』ということ。個々の庭を変えることで、街の風景も変えられるはず…。『庭を変え、街の風景を変えること』が僕の人生の目標、ライフワーク。ーー庭を変えていくことで人生も変えていくchange my garden/change my lifeーー

個人ブログChange My Garden

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