2020.1.22 / お気に入りの植物
あっという間に、1月も半月を過ぎました。
我が家では、昨年末からスタートしたつるバラの誘引作業や
鉢植のバラの植え替え、寒肥やりなどの一連のバラの作業の他、
以前から気になっていたガーデンのマイナーチェンジなどの作業を終え、
これで、あとは春が来るのを待つばかり・・・といった感じです。
今回は、そんな春を心待ちにするシーズンにぴったりな春咲きの球根植物を
紹介したいと思います。
春咲きの球根植物といえば、チューリップや水仙などが思い浮かびますが、
今回は、少しマニアックな球根植物「シラー」を採り上げてみます。
シラーは、釣鐘や星のような形の花が一般的な球根性多年草植物で、
世界中に分布し、地中海沿岸地域が原産とされています。
シラーの中にはいくつかの品種がありますが、僕が育ててみて特におススメと
思うのが、「スプリング・ビューティ(Spring Beauty)」と呼ばれる品種で、
その名の通り、「春の到来を告げる花」とも言われ、早春の3月上旬に開花します。
「スプリング・ビューティ」を含む「シラー・シベリカ」という品種は、
草丈が10~20cmと小ぶりで、透明感のある青い星形の花が特徴です。
この↑写真は、「シラー・スプリングビューティ」の花が
咲き始めたばかりの瞬間を捉えたものです。
僕は植物を育てることももちろん好きなのですが、
植物、特に美しい花の写真をカメラに収めることが趣味で、
普段から庭に出る時は、必ず一眼レフカメラを持って出ているほどです。
これまで、何万枚、何十万枚もの花の写真を撮っていると思いますが、
その中でも、この写真は特に気に入っている一枚です。
主題であるシラーの青い花が、今まさに開きつつある動きのある瞬間を
切り取った一枚で、構図や背景の処理、色のバランスなど、
上手くまとまった、まさにフォトジェニックな一枚です。
ちなみに、この写真を撮るのに、僕は地面に這いつくばっています(笑)。
まず、この「シラー・スプリングビューティ」の満開の様子から見ていただきましょう。
小さなお気に入りのテラコッタ鉢に植えて咲かせています。
花のアップです。
品種紹介でも書きましたように、草丈が10~20cmと小ぶりで、
開いた花は透明感のある青い星形をしています。
鉢を斜め上から見下ろして見たところです。
僕は、植物は寄せ植えにせず、一品種一鉢というスタイルで育てることが多く、
この「シラー・スプリングビューティ」も、この単品種だけで育てています。
背景に、同じ時期に咲く黄水仙を映り込ませるようにして撮ってみました。
黄色とブルーという補色対比を使って、よりシラーのブルーが浮き上がるように撮影しています。
シラーは、前年の秋に球根を植え付けるところから始めます。
地植えすることによって、年々球根を増やしていくこともできますが、
僕の場合、花の写真を撮りたいので、地植えしてしまうと低い位置での撮影が難しくなるので、
鉢植で育てています。
花後に、液肥をやって球根を太らせたあと、土から取り出し、秋まで冷暗所で保管しています。
それを秋(11月頃)に、テラコッタ鉢に植え付けます。
お気に入りのテラコッタ鉢の鉢底に、収穫ネットに鉢底石を入れて置き、
水はけが良いようにしてから土を入れていきます。
赤玉土、腐葉土、牛ふん堆肥に加え、水はけ対策にパーライトなどを混ぜて、土を作ります。
草丈が低いため、根もそんなに深く張らないので、地表面に近い浅い位置に球根を埋めています。
球根の間隔は、なるべく密集させて咲かせたいので、一般的な間隔より少し狭く植え付けています。
球根の配置が終わったら、この上に土を厚さ2センチほど被せていきます。
あとは、定期的な水やり以外には特に何もすることなく、ただ春の開花を待つばかりです。
そして、3月上旬、待望の開花のシーズンを迎えます。
土の中から緑の葉が伸びてくると、その葉がパカっと割れて、
中から瑞々しいブルーの花が顔を出します。
そして、中から力を振り絞って、青い花が緑の葉を押し分けて出てこようともがいています。
そして、突然、青い花がパッと花開くのです。
まさに、生命の神秘を感じる、花が咲く瞬間を目の当たりにすることができます。
そして、こちらは冒頭に紹介した写真を少し引いて撮ったところ。
左側の花芽は、3つ連なったまま、まだ花を開かず、花茎をのばしています。
葉の中に包まって収納されていた痕跡のように、花茎の先端が腰を曲げたようになっています。
そして、アッという間に、花が弾けるようにパッと開いてしまいます。
この一連の開花の様子を観察しながら、カメラで写真に収めるのがとても楽しい時間です。
この写真を撮るために、半年間育ててきたようなものです。
更にアップで、開花の瞬間を見てみましょう。
どこかドキュメンタリー映像を見ているような、植物の力強さを感じます。
緑の殻(葉)を破って、今誕生した命のようです。
しばらくすると、太陽の光の方に向かって、花が開いていきます。
ほんの僅かな瞬間ですが、この場に立ち会え得たことの喜びを実感できますよ。
そして、次々と青い透明感のある星形の花が開いていきます。
本当に小さな花ですが、とても美しいシーンを観察できるのが、
このシラーを育てる楽しみのひとつです。
シラーを育てるには、ほとんど手間もかからず、植えたまま放置してしまっても
大丈夫なほど強い品種なので、是非育ててみてはいかがでしょうか?
そして、あなたも「生命誕生の瞬間」的なフォトジェニックな写真を
撮ってみませんか?
■おすすめ特集