2024.12.18 / 京北・香りの里/六ヶ畔・花簾庭(京北バラ園)の四季
12月も中盤を過ぎ、いよいよ年の瀬ですね。
さて、今回は、ひとつ前のブログ記事で書かせていただいた京都・京北にあるバラ園、
「京北・香りの里/六ヶ畔・花簾庭」(通称:京北バラ園)の冬仕舞について、その続編(後編)として、
この冬に実施した作業、そして来年2025年に向けて、少し変化がある件についてご紹介したいと思います。
京北バラ園は、京都市内中央部から車で約1時間ほど行った、京北という里山風景の中にあります。
皇室ゆかりの御寺・常照皇寺に向かう国道477号線に沿った4枚棚田の1枚目、国道に面した
田んぼ一枚分の敷地につくられています。
その棚田の段差(約50cm)を活かして、敷地の隣を流れる上桂川の堰を流れ落ちる水の流れを、
つるバラ・群星&群舞の花で表現した「バラの滝」が名物となっています。
こちらが、その「バラの滝」部分です。
まだ、葉が落ちていないので、緑モリモリですが、ここが6月初旬には、滝のような美しい風景に変わります。
こちらが、春(6月上旬)の風景。
バラ園をつくる前、最初にこの地を訪れた時に、このイメージを思いつきました。
それからもう8年ほどが経ちました。
バラ園のバラは、成長して大きく育ったものもありますが、うまく適合せずに枯れてしまったものも多々あります。
そんな中で、この群星・群舞による「バラの滝」は、毎年変わらず、この美しい風景を作り出してくれます。
京北バラ園は、個人のオーナーの所有によるバラ園ですが、この度、バラ園オーナーとも相談し、
4枚棚田の残りの3枚の棚田エリアへも、バラ園を拡張するという話になりました。
夏ごろから、現地では、拡張エリアの棚田の段差部分に、一期エリアと同じような、「バラの滝」をつくるべく
棚田の段差を活用した擁壁花壇が、あと2ヶ所つくられました。
こちらが、棚田2枚目と3枚目の間につくられた擁壁花壇です。
側面から見ると、このようになっています。
右側の赤く紅葉した葉は、ブルーベリーの木です。
バラ園オーナーが、京北の各地に、ブルーベリー畑を所有して、栽培しておられますが、
その苗木が、ここにも植えられています。
2段目の新設した擁壁花壇方向を見ると、こんな感じ。
手前のブルーベリーの木が大きくなりすぎていて、この後、擁壁花壇につるバラを植えたとしても重なり合って、
美しく見えないため、このブルーベリーの木は、移植もしくは処分することになりました。
(ブルーベリーはツツジ科の植物で、移植が結構難しいらしいです。)
ブルーベリーの木の間を抜けて、2段目の擁壁花壇のところまで行ってみました。
一期エリアにつくっている擁壁花壇と同様、奥の空間へ抜けていくための道(すき間)も作ってあります。
奥には、美しい茅葺屋根の古民家も見えていて、バラ園の借景となっています。
この古民家もバラ園オーナーが所有されていて、春のオープンガーデン時期に合わせて、
古民家の方では、お茶会が催されています。
2段目の擁壁花壇の全長(全幅)は、約30m。
一期エリアにつくった「バラの滝」ゾーンとほぼ同じ長さがあります。
ここに、一期エリアと同様、つるバラの群星&群舞を植栽する予定です。
既に、長尺苗の手配も整っていて、来年春(3月頃)、雪解けを待って、植栽する予定です。
(京北では、毎年、雪が積もります。)
この擁壁花壇の裏側は、このようになっています。
棚田の段差(約50cm)を活かして、さらにその上にブロックを積んで、幅70cm程度の花壇をつくっています。
こちらは、一番奥の棚田の3段目と4段目の間の擁壁花壇です。
一期エリアから数えると、3つ目の擁壁花壇になります。
手前のスペースは、これまでハーブを育てておられたエリアですが、今後、徐々に、バラ園の拡張エリアとして
整備していく予定となっています。
最奥の擁壁花壇で、こちらは少し長さが小さくなって、全幅が約25mくらいかと思います。
この擁壁花壇にも、真ん中あたりに階段が付いていて、奥へと入っていけるようになっています。
園路は、まだこれから計画・施工する予定で、現状はまだありません。
最奥の擁壁花壇から、南方向を見たところ。
中ほどに、2段目の擁壁花壇見えて、一番奥に、現在のバラ園(一期エリア)の東屋が、ちらっと見えています。
こちらが、棚田4枚の最奥エリアで、日本庭園が造られています。
近くの小川から水を取り込んで、岩場から水が流れるようなデザインになっていますが、
まだ全部は完成していないようです。
最奥にある日本庭園から、横(西方向)を見ると、美しい茅葺屋根の建物が見えまる。
こちらも京北バラ園のオーナーの所有で、バラ園と一体的な利用をしています。
最近、茅葺きも葺き替えたらしく、とてもきれいです。
茅葺屋根の古民家を囲むように、京北の名産、台杉がぐるりと敷地を取り囲んでいます。
最奥の擁壁花壇を横から見たアングルです。
ブロック造でつくられていて、正面側は、木板で化粧されています。
このあたりも、「和の趣き」のバラ園たる所以です。
バラ園の拡張エリアに、新たにこの擁壁花壇が2ヶ所つくられました。
この擁壁花壇に、一期エリアの「バラの滝」と同じように、つるバラ・群星&群舞をランダムに植栽し、
上桂川の堰を流れ落ちる水を表現します。
1段の堰が3段に増えるので、より迫力がある風景になるのではないかと、楽しみにしています。
今回は、この「バラの滝」を2か所増設しただけですが、今後は、その間の平地部分をどう演出していくか、
バラ園オーナーとも相談しながら、徐々に作っていく予定です。
あと、今回12月の訪問時に、行った作業として、バラ園一期エリアの園路に沿って、
宿根草のブルーサルビアを植栽しました。
親しくしていただいている園芸店さんから、お気に入りの品種(ブルーヒル)を約100株調達して、
京北バラ園に持ち込みました。
こちらが、そのブルーサルビアをメインの園路の両側に沿って植え付けた様子です。
冬枯れなので、殺風景ですが・・・。
こちらが、数年前のオープンガーデンの時の写真で、ブルーサルビアがとても美しかった頃の写真です。
バラ以外は、このブルーサルビアのみを植えていて、それがバラの色を引き立ててくれて、とても美しかったです。
その時の様子をもう一枚。
とても美しくて、バラ園に着いて、この風景を見た時、息が止まるくらいに感動を覚えました。
ただ、その後、夏が熱くなり過ぎて、ブルーサルビアが夏越しできなくなりました。
このバラ園は、常時人がいるわけではないので、夏場にカンカン照りの日が続くと、サルビアが枯れてしまいます。
バラは植えて数年経っていて、かなり深いところまで根を張っているので、多少のことでは枯れないのですが、
宿根草のサルビアはやはりこまめに水遣りをしなければ育ってくれません。
そんなことで、実は、今年も春(3月)に、同じくらい(約100株)のブルーサルビアを植え付けましたが、
オープンガーデンの頃は、きれいに咲いていましたが、夏場を乗り越えられず、ほとんどが枯れてしまったのです。
なので、今回もまたブルーサルビアを植栽しているのです。
宿根草というより、一年草的な扱いになっています。
緩やかに湾曲するメインの園路の両側に、ブルーサルビアを等間隔で植栽しました。
昨年より早くに植え付けたので、来年のオープンガーデンには、例年より旺盛に育って
たくさんの花を咲かせてくれると嬉しいです。
こちらが、ブルーサルビアが最高の年のメイン園路沿いの様子です。
いつかまた、こんな風景を見たいものです。
その園路も、だいぶ汚れてきたので、この日は、現地で管理人をしてくださっているMさんが、
高圧洗浄機を使って、園路の表面をきれいに磨いてくださいました。
見違えるほどきれいになりました。
駐車場側の木塀や、正面ゲートにも飛び散っていた砂ぼこりも、きれいにしていただきました。
駐車場側の木フェンスと、その手前の赤レンガの小径もきれいになりました。
ブルーサルビアの植栽のあと、木フェンスに誘引したつるバラの誘引外しと不要枝の剪定を行いました。
こちらは、ダフネという品種のつるバラです。
ダフネの開花時の様子です。
剛直な枝の先に、ピンク色のフリルのついた可愛らしい花を咲かせてくれます。
確かギリシャ神話に出てくる名前だったと思いますが、木塀に誘引すると、不思議と和の雰囲気になっています。
こちらも、駐車場側の木製フェンスに誘引されていたつるバラで、サンセットグロウ。
こちらも誘引を外し、不要枝の剪定を行いましたが、途中で時間切れ。
次回は、雪解けの2月末か3月初旬に京北に来ると思うので、その時に誘引を行いたいと思います。
こちらが、今年2024年のオープンガーデンの時のサンセットグロウ。
香りも良く、良く咲き、花も美しいので、来場者の方にとても人気のあるつるバラです。
「京北・香りの里/六ヶ畔・花簾庭」(京北バラ園)の今年2024年の冬仕舞の様子をご覧入れましたが、
いかがでしたでしょうか?
来年2025年も、春(5月下旬~6月中旬)で、オープンガーデンを開催させていただく予定です。
来年は、とあるツアーで、関東より京北バラ園にお越しいただけるような話も聞いております。
より美しく、皆さんに楽しんでいただけるようなバラ園をつくっていきたいと思っています。
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