2020.1.15 / お気に入りの植物
遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。
いよいよ東京オリンピックが開催される2020年がスタートしました。
こちらのディノスさんのガーデニングサイトで、
ブログ記事を書かせていただくようになって、早4年が経ちました。
5年目になる今年も引き続き、こちらで記事を書かせていただけることになりました。
改めて、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、これまでは一年を通して共通したテーマを掲げて記事を書かせて
いただいておりましたが、今年2020年は、特にテーマを決めず、
比較的自由に書かせていただけることになりました。
できれば、頻度(回数)も増やして、僕のガーデニングに対する思いなどを
お伝えできればと思っています。
そんなことで、2020年、第1回目の記事は、
これからシーズンを迎えるヒヤシンスについて書いてみようと思います。
ヒヤシンスは、チューリップやスイセンなどと並んで
早春の花壇を彩る秋植えの球根植物です。
花の少ない冬から早春にかけて、他の植物に先駆けて咲くこのヒヤシンスは、
特にお気に入りの植物で、毎年欠かさず育てています。
ヒヤシンスは、地植えや鉢植えでももちろん育てることができますが、
おススメは何と言っても「水耕栽培」です。
水耕栽培のヒヤシンスの魅力は、大きく3つあると思います。
1つめは、その「ボリューム感あふれる花姿と美しい花色」。
2つめは、「濃厚な甘い香り」。
そして3つめが、水耕栽培ならではの魅力で、「美しい白根がつくる風景」です。
今回、その3つの魅力について書いて紹介していきます。
1)ボリューム感あふれる花姿と美しい花色
いくつかある品種の中でも、オランダで品種改良された「ダッチヒヤシンス系」は、
ひとつの長い花茎にボリューム感あふれる花をたわわに咲かせるのが特徴です。
原種の青紫色の花が、とても鮮やかで、凛とした佇まいがとても気に入っています。
一本の花茎の周りをぐるっと一周、ベル型の花が取り巻き、
それが何層にも重なり合い、とてもボリューム感のあるタワー状の
花房になります。
濃い色の青紫色や赤紫色の花は、シルクのような光沢があって
美しさが際立っています。
背景を黒く沈ませ、花が浮き上がるように撮影すると、
とてもフォトジェニックです。
こちらは、紫色のヒヤシンス。
ひとつ上の写真の真ん中にあるヒヤシンスで、
青紫色のヒヤシンスと並べて飾ると、紫のグラデーションが引き立ちます。
こちらは、鮮やかな赤色のヒヤシンス。
とても目を惹くヒヤシンスで、お気に入りの品種のひとつです。
ヒヤシンスに限らず、バラもそうですが、
個人的には、ビビッドなカラーの花が好みなんですが、
好みに反して、パステルカラーのヒヤシンスを育ててみたことがあります。
こちらは、淡いピンク色のヒヤシンスで、開花が始まった直後の様子です。
他の色でも同様ですが、球根が割れ、花芽が上がってくると、
最初は緑色だった花芽が、徐々に色づいていきます。
その花色が移ろう風情もヒヤシンスの魅力のひとつです。
全ての花が開花すると、このようなパステル・ピンクでした。
濃い花色のシルキーな花弁と異なり、マットな質感が特徴的です。
こちらも、パステルカラーのヒヤシンスで、花色はイエロー(黄色)。
緑色の花芽がだんだんと黄色く色づいていく様子は、バナナの実のようで
とても面白く感じました。
全て開花すると、このようなマット・イエローになりました。
ベッドルームの窓際で育てているのですが、ブルーの壁紙を背景と
黄色い花色のコントラストに春らしさを感じます。
レンギョウやヒュウガミズキ、ロウバイなど、早春には黄色の花が
多く咲きますが、黄色のヒヤシンスもなかなか風情があります。
2)濃厚な甘い香り
ヒヤシンスの魅力のひとつが、その濃厚な甘い香りです。
もともと鼻の良くない僕でも、このヒヤシンスの濃厚な香りはすぐに分かります。
外から帰宅して、ヒヤシンスを育てている寝室に入った途端、
室内に充満しているその甘い香りに癒されます。
それほどの強香です。
写真では、その芳香を伝えられないのが残念ですが・・・。
3)水耕栽培ならではの美しい白根がつくる風景
そして3つ目の魅力が、水耕栽培ならではの魅力なのですが、
水の中にふんわりと広がる、その美しい白根がつくる風景です。
ヒヤシンスは、もともと多年生の球根で、花壇に地植えされたり、
鉢植え育てられたりすることも多い植物です。
ただ、土の中に埋めてしまうと、その美しい根が作り出す景色が見れないので、
魅力が半減してしまいます。
僕も、当初は鉢植えでヒヤシンスを育てていましたが、
ここ数年は、ずっと水耕栽培で育てています。
ある年、水耕栽培を始めるのが遅く、巷にヒヤシンスの球根が売っていないということがありました。
その際、土植えの芽出し球根を手に入れて、水耕栽培に切り替えることをやってみました。
時期的には2月上旬で、もう花芽も上がって来て、開花目前というタイミングでした。
ポットから取り出してみると、土の中に根が目一杯張っていました。
根を傷つけないよう注意しながら、バケツに貯めた水の中で、土を洗いました。
その後、水栓のシャワーを当てながら、さらに根を洗って、土を全て落としました。
なんとか、根を切らずに白根だけにすることができました。
それを、専用のガラス容器(左から3番目~5番目)にセットしてみました。
残りの球根は、鉢底石を敷いたガラスの器にセットしました。
水耕栽培としては、問題なく育てられたのですが、
最初からガラス容器で育てたわけではないので、
丸みを帯びたガラス容器の中で、白根がふんわりと広がらず
美しい根の風景にはなりませんでした。
やはり、最初から水耕栽培するべく、早めに準備しておくのが良いと思います。
ただ、ガラス容器を通して、窓辺から差し込む光が棚に影を落とし、
それはそれで充分美しさを感じる風景になります。
土植え球根を水耕栽培に転換した場合は、
根をふんわりと見せるのは難しいので、この写真のように
鉢底石を敷いて、その上に白根を生やした球根を載せるという感じが
良いかもしれません。
この時、根腐れ防止のため、ガラスの器の中には、鉢底石の他に、
珪酸塩白土もしくはミリオンなどを入れておくと良いです。
根の美しさは楽しめませんが、花はちゃんと咲いてくれました。
では、ここからは、ヒヤシンスの水耕栽培を始める手順を紹介します。
ヒヤシンスの球根は、球根の表皮の色と花色が近しいということが多いようです。
土植えの球根の場合は、何年も咲かせることが可能ですが、
水耕栽培のヒヤシンスは、開花に球根の栄養分を全部使い切ってしまうので、翌年の開花は期待できません。
なるべく、良く太った、傷などがない球根を選ぶのが良い花を咲かせるポイントです。
そして、花を咲かせるためには、一定期間、寒さに当てる必要があります。
僕は、11月中旬頃から約半月~1か月、冷蔵庫の中に球根を入れておきます。
その際、卵のケースを使って、球根の底に辛うじて付く程度、水を注いでおきます。
その卵ケースごと、冷蔵庫に入れておきます。
半月ほど経つと、球根の底から白根が伸びてきます。
ある程度白根が伸びれば「休眠打破」できたということで、冷蔵庫から取り出します。
それを、水耕栽培専用のガラスの器にセットします。
僕の場合、白根の成長過程を見るのをとても楽しみにしているので、
ガラスの器はとても重要で、気に入ったものをネットで調達しました。
白根の成長とともに、球根の頭頂部から、葉芽が伸びてきます。
日々の成長を眺めるのも、とても楽しいものです。
いくつかのタイプのガラスの器のコレクションがあって、
白根の伸び方を観察しています。
こちらは、まだ白根が伸び始めた段階の写真。
毎日少しづつ根が成長していくのを眺めるのが日課になります。
土の中に植えていると見えない世界が、毎日目の前で展開されているのです。
ガラスの器の曲線の中に広がる、白根が作り出す美しい風景です。
開花直前には、ガラスの器の中全体に白根が広がっています。
開花までの間に、1か月以上の長い間、白根が成長する過程を観察でき、
とても得した気分になれますよ(笑)。
水耕栽培専用のガラスの器でなくても、
こんな小さながガラスの器(確かプリンが入っていた器)でも十分楽しめます。
ガラスの器の容量に合わせて根が伸びるようです。
大きなガラスの器のヒヤシンスは、根が細く長いですが、
小さなガラスの器のヒヤシンスの根は、太く短くなっています。
それでもちゃんと開花してくれます。
咲く花の位置(高さ)を変えるため、
わざと背の低いガラスの器を使っています。
お気に入りの青紫色のヒヤシンスの花芽が膨らんできました。
このくらいの時期の姿がとても好きです。
青紫色の花色、球根の表皮の赤紫色、葉のフレッシュグリーン。
美しい色のコントラストに癒されます。
そして、満開の時を迎えます。
ヒヤシンスが咲いて、部屋に甘い香りが充満すると、
寒い冬が終わって、ようやく春が巡ってきたな~と実感します。
植物が暮らしの中に息づいていることを強く感じさせてくれます。
ヒヤシンスの水耕栽培は、難しいことはなく、簡単にできますので、
是非チャレンジしていただきたいと思います。
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