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専門家吉谷桂子のガーデンダイアリー ~花と緑と豊かに暮らすガーデニング手帖~

厳しい夏を超えてきたレジリエントな植物たち @代々木公園

吉谷桂子

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9月中旬をすぎても、危険な暑さの日々が続いています。先週9月の代々木公園、メンテナンスと

ガーデナー養成講座でした。

そこでは、20名のガーデナー養成講座の方々の半期分のフィールドワークの中間発表。

植物のリポート発表会もありました。4月にこれと決めた植物が消えていたものもあって、みなさんの反応はそれぞれでした。

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たとえば、↑ヘラクレウム Heracleum sphondylium 別名ハナウド

をマークしていた方にとっては、今はすっかり姿を消した中

こうして新たな芽が出ているものもあり。春から初夏にかけて大パフォーマンスをした後8月には枯れて。

でもまたこうして新たな生命。嬉しくなります。

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シュウメイギクはこれから!さまざまな品種を植えたうち、厳しい西陽や蒸れなどによって一部は白絹病になりました。 私の庭では20年以上にわたって、どんな状況でも水やりをしなくても、本来は湿り気の好きな植物のはずですが、しぶとく生きているシュウメイギク。やはり場所によっては難しい。

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ガーデナー養成講座中 ある程度の間引きや咲きすぎている花やシードヘッドを外してもらっています。

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私のごく個人的な意見になってしまいますが、30年ほど前の園芸初心者の頃の私は、とにかく花が咲くことがガーデニングの1番の楽しみでしたが、今はちがいます。

ちなみに↑今年、7月11日の代々木公園の同じ場所です。花の最盛期。多くの方々はこんな景色を好かもしれませんが、 私はどう説明して良いのか、こうした景色には、心落ち着かないというか。

もちろんこれはこれでみんな(植物も、手入れに加わってくださっているみなさん)の頑張りが一丸の形になって素晴らしいのですが、これだけが、全てだとは思っていません。

逆に今の時期はこの猛暑のせいで厳しい眺めではありますが

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↑の写真のような、フォリッジが作り出す立体的な造形の、エコロジーシステムがうまく合致したような景色がきらいじゃない。あまり花が咲いているのは賑やかすぎて疲れてしまうような。でも 多くの方々は、こういった景色に関しては、見るものが何もないと一瞥して立ち去ることが多いです。

むしろ質感、形質の世界観、これをアーキテクチャラルといってよいのかわかりませんが、それぞれの景色の庭の植物の景色に感じる植物の形質が植物や庭を見るポイントになります。だから、オーナメンタル・グラスが好きなのだと言えます。

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この日は、若干熱中症ぎみになってしまったのでみなさまに作業を続行していただき、16時ころ早めに帰宅しました。35度を超えるような炎天下は数十分いるだけでも厳しいです。日陰はましですが。

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この日、作業中にポキっと折れてしまっていたルエリアを発見。

拾って、もち帰りました。全長10センチ程度。

拾ってから家に着くまでの1時間半、水にもさせずに、ただ乾いた布バッグに入れて。

そして、家について、1センチほど切り戻し、水を入れたピッチャーに挿しておいた。

1日花ですが、翌日には花が咲いて。その翌日にも花が咲いて。ん?なんか正気みなぎって何か違う。思って茎を見ると。

なんと!三日後には、白い根が数本(長いものは5ミリ以上!)でてきています!

葉っぱも元気です。こんな白い根が出てくるなら、この後は水分の多い地で発根促進してみます。

そんなに湿地的な場所が好きなわけではないはずですが。代々木では西陽の厳しい花壇の中ほどに植えています。

先日、切り戻しをしてくれたみたいなので、今は花は咲いていないかもしれませんが。これは強い!こういうのを

レジリエント・プランツと!

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ルエリア ヤナギバルイラソウ コモンルエリア 、たしか、ルエリア パープルシャワーだったかと。

夏の厳しさに耐えて花咲く丈夫な植物には、.

(..さきほど、花は咲かなくても良いようなことを言ってましたが)このエネルギーに惹かれます。

この写真は 8月19日に撮ったものですが、先日の9月12日にも同じ位たくさん咲いていました。

背が高くなったので、カットバックしてあります。 この気温ですから、まだまだ咲きそうです。

キョウチクトウに似ていますね。


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吉谷桂子

英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。7年間英国に在住した経験を生かしたガーデンライフを提案。さまざまなイベントや雑誌などに出演するほか講師を務め、著書も多数。また国際バラとガーデニングショウやレストランなどの植栽デザインを担当。2013年春にファッションブランド「Shade」を立ち上げた。


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