お庭からベランダ、エクステリアなどガーデニング回りをスタイリッシュに演出

 

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今、また新たに庭の設計を始めています。

でも、この暑さ、6月7月8月9月、この4か月が特に厳しいです。この時期は見学者も少ないですが、配慮が必要なのは確か。このガーデンのデザインを考えたのも、夏は木陰ができる。という花も大切ですが、樹木の多い森。をイメージしていました。春は花の森。夏は、木陰の森。秋は落葉、冬はスケルトンで日当たりよく。

しかし、夏への心配や配慮ばかりに気持ちがとられると本当に美しい花の時期へのイメージが弱くなってしまう。

庭は、春夏秋冬、はっきりと違う季節のなかでどうそれを生かしていくのか、

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それで、この1年の振り返り。

去年の8月20日前後。モーレツに暑い1日でした。

はままつフラワーパークに新しい庭を作るための、第二期工事、この危険な暑い日に植栽ではなく基礎工事。

第一期工事はとにかく春のうちに桜を植えること。

第二は、溶接で作る花壇枠をパークの閑散期に。

第三は、秋の本格的な草花、灌木、球根の植栽で...。

で、もっとも私がめげていたのが、この危険な暑さでの構造工事。自分は監督として見ているだけでも。

くらくらしていました。

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ここでの作業でスタッフのアイデアで用意されたのが、市販の日傘に鉄パイプをセットしたオリジナルの「どこでも日傘」です。

日陰は、少しマシなもので(それでも暑い!ですが)庭仕事の現場では地面にパイプが刺せるので、移動するときはまた抜いて、差し直しですが、でも、マシです。最近はリュックサックみたいな肩ベルトに日傘を挿す「手ぶら日傘」もあるようで。いつかそれが欲しいと。とにかく日除けは大切です。

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職人さんたちは素晴らしくて、40度以上はあるかというこの場所で、帽子も被らず、しかも火を扱う溶接です。

ちなみに空調パンツってあるのですね。この日傘をお勧めしたのですが、いらないって。

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ここでは、コトリのホースガードをいくつか溶接していただきました。もうかわいい!

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というわけで、8月の大変な夏の作業でしたが、ここまで完成。

春に植えた枝垂れ桜も、どうにか夏を越してくれました。

次は、土壌準備、そして、宿根草と秋植え球根の植栽工事。10月上旬、11月下旬と12月上旬に。

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10月は、植栽枠の最終仕上げで芝生を入れ、代々木公園にも使ったエコソイルを表土とした。

浜松の土はどちらかといえば、明るいベイジュ色で今回は表土の色調も引き締まった色調としたかったので。

その後、さらに黒っぽいバーク堆肥も植栽後に入れる予定。

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そして、11月。年内の仕上げはここまで。

2024年の浜名湖花博の20周年記念事業でもあったので、とにかく、翌年というか5ヶ月後の4月。

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目指して。ここの花壇デザインを考えたとき、このように外側からのリーチが近いようにと。

花の形を基本に作ったデザインは、やはり、思った通り、デザインのパターンの再現性がよく

あと数年で私がここにこなくなっても、この植栽がそれなりの見応えを保てるようにと考えました。

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11月22日。浜松の11月は過ごしやすく、快適です。こうした晩秋の庭。良いですよね。

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草花の配置が終わると、球根。

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球根を撒く。という言い方はしますが、実際にはデザインを考えながら、置いて行き、株間や向きを考えながら植える際は、チューリップなら、球根の三倍以下に植えるのが望ましいですが、二倍の深さ程度で植っているとそのうちぽっかりと地面にでてきてしまうこともあり、数千個もの球根を理想の深さに植えるのはやはり根気や技術力が必要です。

その点ではままつフラワーパークはスタッフがみなさんすごく優秀で助かります。

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私がデザインした FLOWER FOREST のロゴタイプは2月に設置完了。地元のアイアンクラフトマンのじんぱちさん。コルテン鋼は錆びるほどに丈夫になるそうで、今イギリスでは大流行中です。

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↑ 今年の4月7日 春の美しさ。良いですよね。今はアツすぎて植物たちも人間もしんどいです。

HAY 北欧のガーデン・ファニチャーも入りました。木製のベンチよりも比較的に安価でしたので、これはパリの公園、イギリスのガーデンレストランなどでもよく見かけるイス。

そして、去年〜今年の春は、長年続けてきた、スマイルガーデン150mのダブルボーダーと、ホワイトガーデン

そして、新たに↑のフラワー・フォレストと↓エントランスの新しいデザインもスタート。基本アイデア構想、そして構造デザイン、その後植栽デザインとグラフィックデザインもすべて担当しました。

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パーク・エントランス。大切な場所です。入ってすぐの場所で、わーい!と思う景色ができないと。

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昔からの花壇。ここは見た瞬間に⇩こうしようと思いましたが、実際の実施図面となると、四六時中ディテールと植栽デザインを考えていました。

この写真を撮ったのは、2023年2月のことで、この丸い花壇の枠だけは残して、あとは他に移動

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10月土壌工事完了。このままにしておくと雑草も心配だし、園内にあった在庫苗を用意してもらい植栽

イタリア製のベンチは、ま本番まで格納中。

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↑まだ、10月なので、ペンタス。このあと11月に本格的な植栽工事予定。

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苗が全て植え終わってから、球根を撒く。花壇に足が入る場所には、板をおいて。柔らかい土に足が埋まるので、土を締めないように。

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11月29日に、本格的な春準備への植栽。

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4月16日には、秋に植えたエリシマムやチューリップの球根*開花期を買えて3種赤系ばかり。

背後は黒系チューリップや、真っ黒な葉っぱの背が高くならないベニバナトキワマンサク`ピンクブラック`

この後も5月、6月とパフォーマンスは続き(徐々にペチュニアなどに植え替えて)

今、どうなっているか。写真を送ってもらおうと思います。私は次回、11月まではままつフラワーパークへは行かれないので。


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吉谷桂子

英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。7年間英国に在住した経験を生かしたガーデンライフを提案。さまざまなイベントや雑誌などに出演するほか講師を務め、著書も多数。また国際バラとガーデニングショウやレストランなどの植栽デザインを担当。2013年春にファッションブランド「Shade」を立ち上げた。


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