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専門家吉谷桂子のガーデンダイアリー ~花と緑と豊かに暮らすガーデニング手帖~

5月の庭仕事と、5月の楽しみ 中之条ガーデンズ

吉谷桂子

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本州温暖地の気候からすれば、もうそろそろ、バラは終わり。宿根草が茂って花咲く季節ですが、

中之条ガーデンズはまだです。

いままで花の色がわからないでずっと植わっていたジャーマンアイリス、黄色がかなり目立つので

イエローのゾーンに移植してもらいました。

さて、中之条ガーデンズはバラが咲く前の時期、宿根草もまだ本格的な開花にならないので、

増えすぎに要警戒のオルラヤが咲くのはちょっと助かるのですが、このあと他の花を

飲み込んでしまうので本当に警戒しつつ、目を離さないように。それが5月の大事な仕事。

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さて、本来は風薫る5月。虫もまだ少ないし。今ちょっと気候が変ですけれども。

本来は....良い季節。庭の空気、風、新緑を楽しむには最高の季節です。そんな季節におすすめ。

中之条ガーデンズの木陰に「森の文庫」があるのをご存知ですか?

雨が降ると閉まってしまいますが。

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この森の文庫に揃っている、絵本が主ですが、森のなか、自然のなかで読むのに

素晴らしいセレクションです。

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柳宗民氏の、雑草ノオト。実際に雑草と言われる自然に生える草の中で読むのも楽しい!

ここに揃う本は全部読破しておきたい内容です。

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咲いた花を一瞬見て満足するのも良いけれども。緑のなかで情感的に本のページを開くと...

心や体にその栄養がいっぱい入ってくるように感じます。

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気持ちが豊かなになれるのはこんな瞬間ではと。思うのです。

さて、ここから下の写真は、今度は中之条ガーデンズにお越し下さった写真家の斉藤みきさんが

お送りくださった写真です。雰囲気の気持ちよさ。お伝えしたくて。

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この文庫のアイデアとデザインは吉谷博光です。本のセレクションは中之条の自然派先生。

ただし、お天気が悪いとこの森の文庫、閉まってしまうので、ご注意を。天気予報が良かったら

ぜひ来て欲しいです。水筒にお茶をいれて。この文庫が発展できると良いけれども。

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開園以来、「花がない!」と大きな声で不満を訴える人の声も聞こえてくるので、滅入る気分もありますが、

人工的に、同じ種類の花が派手にどばーっと咲く景色。実をいうと私は苦手です。

そういう場所は日本中にいろいろあって人が、集まります。

でもその、自然に逆らっている感。今は、20世紀じゃなく、21世紀です。

サステナビリティや生物多様性、エコロジィ。そういうことを可能な範囲で。と思う私には、

薬を撒かないときれいに育たない植物をたくさん植えるには抵抗あって、答えがでにくいですね。

アリウム 'カラタビエンス'。引き寄せられます。意外にも人気あります。一昨年植えた球根です。

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大きなポピーの花も...みっちりびっしり咲くよりは、チラホラ咲いているのを探すくらいが好きです。そのほうが自然なかんじ。

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カメ王子と私は呼んでいますが、夫の吉谷博光がデザインした王冠と花のオブジェ。

そこにみきさんが森の絵本のように言葉を入れてくれました。

「それは、あなたの心が美しいからそう見えるのです」

Beauty is in the eye of beholder....ともいえる?

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今の時期、とにかく次の年にもっとよくするにはどうするべきか。

具体的なアイデアを出すのにベストな時期です。

少し小雨の混じる天候になってしまいましたが、緑と地面にいると、自然にエネルギー

吸収しているようにおもいます。周囲に人がいないときはちょっとマスク外して深呼吸。

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自分がデザインにまったく関わっていないエリアは、ただただ、見ることを楽しんでいますが。

やっぱり、お天気、太陽が欲しいです。


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吉谷桂子

英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。7年間英国に在住した経験を生かしたガーデンライフを提案。さまざまなイベントや雑誌などに出演するほか講師を務め、著書も多数。また国際バラとガーデニングショウやレストランなどの植栽デザインを担当。2013年春にファッションブランド「Shade」を立ち上げた。


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