2021.3. 3 / ガーデニング(GARDENING)草花(FLOWER & PLANTS)
中之条ガーデンズ。今年最初の植栽計画、現場チェックに行ってきました。
去年からヘッドガーデナーとして常駐している森山さんたちの美しいカットバックが進んで
地上部に緑がなくても、最高に美しいと思った、春まで秒読みの庭です。
去年までパレット・ガーデンと呼んでいましたが、
上は、2015年4月17日の写真です。20名以上の中之条花の会の皆様にお手伝いいただき
1万株&球以上の花苗を植えた作業ですが、こうしたスタイルの庭は毎年入れ替えが必要になり
High input になってしまいます。私は Low input 低入力(経済も労力も草花の使い捨てもできるだけしない)
庭づくりの可能性を探っているので
今年から、ナチュラル・ガーデンという名前に改名しました。支持者も増えていますが
まだまだ首をかしげる方も少なくないので、わかっていただけるための努力はまだまだ。
そして、パレットというイメージは、色彩の庭の要素が強かったので、真っ向勝負でナチュラル。
まさに、21世紀にむけた、2020年以降の庭の提案。ナチュラリスティックの方式で造られた庭として。
グラス類のマッシュルームカットを見たのは、昔々、ベス・チャトーガーデンズで目撃。以来
こうして丸くカットするのは手もかかりますが、センスがかなり必要。手先の器用さも。
フォルムや質感。絵画的な要素と彫刻的な要素が混ざり合って自然界のもたらす美を感じ取れるような。
無農薬無化学肥料、草花の芽だしから枯れるまでのプロセスと、ここに集まる昆虫たちとも
サステナブルにつながる庭。....なので、文字通りの名称「ナチュラル・ガーデン」として今年
再出発です。一般的な人気はもちろん満開の花の庭ですが、徐々にでも理解をいただけるよう。
切磋琢磨中です。自然なだけではなく、アートの要素も実はたくさん織り込まれているからです。
しかしPiet Oudolfさんのおっしゃるように、絵画的な庭にも、印象派の表現もあれば
現代美術のような視点もあるので、そのどっちかではなく、私なりの表現を森山さんたちと
共に作り上げて行きたいと思っています。
また、ボランティアで参加してくださる同志の皆様と共に。
先日暖かな日があって、その後気温が急降下で寒かったので、のほほんと出てきたスイセンが
ストレス受けたようで。
季節の最後まで直立が美しかったパニカム。ついにスプリングカットバックの時がきた。
倒れたものは随時カットバックしながら、そのシードヘッドは土に挿して装飾的に。
しかしこの景色もそろそろ終わり。もう球根の芽がそこここに登場!
スパイラル・ガーデンも今日は地際でカットが終了し。あとは芽が出て膨らむのを待つばかり。
ランドスケープを鑑賞する「目」は、あるていど訓練されていないと難しいのかもしれない。と
いつも思うのですが。コンポジションのおもしろさ。建築を見る目と似たところもあり。
ただし、背景の樹木や構造物は別の持ち主のものだったりして。銀河庭園みたいに景色の全てが
自然。みたいに、なかなか思い通りにはいかないですが。よく思ってしまいます。
農業用のブルーの網とかシート。せめてカーキ色にならないかなあ。
遠くで途切れて生えている常緑の杉たち。配置が.....とか。
しかし、
5年前の景色が思い出せないエリア内のランドスケープはどんどん整備されて行きました。
5年前までの旧•花の駅 美野原 だったころとは完璧に変わって知っていた方は驚くでしょう。
以前の景色とは180度変わった、そのランドスケープのデザインは、吉谷博光です。
このところ毎週、週に3〜4日通っています。図面も描いてましたが、地面のアンジュレーションなど
すべて現場指示で、角度やカーブを修正して行きました。
フジは、もちろん、塚本こなみさん、藤棚のデザインは博光で、単管パイプではなくオリジナル造形なのも
すごいです。ここ全体にフジの世界ができるのには、数年かかりますが、楽しみです。
右手に見える黒い建物。前がどうだったか知っている人は驚くかも。今は美野原レストランですが
これからこちらも改名し、景色だけでなく、中身も変わります。
食の世界は、オーガニックでスピリチャルにパワフルな南風食堂の三原寛子さん
(東京casica のフードプロデュースをしている)がプロデュース、これは楽しみ!
オフィシャル・オープンは4月17日(土曜日)私は4月14日から準備で詰める予定です。
その後、私主催のワークショップも計画しています。バラの見頃は、6月。宿根草は7月以降に
なるかなと思います。でも、花の見頃だけでなく、このランドスケープ、景色の光と風を
楽しんでいただくには、どの月にも魅力があると思っています。今年はぜひ、お越しくださいませ!
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