2020.5.10 / ガーデニング(GARDENING)草花(FLOWER & PLANTS)
はままつフラワーパーク、今年からこのエリアの責任者になった小澤美穂さんから、
美しい瞬間の写真が送られてきました。昨日の状態。実は夏花壇への夏植物の配置が始まっています。
これ、ほんとうに美しい景色なのです。マジックアワー。これを誰にもみてもらえないなんて。
今年は本当に多くの方々から連休前後には絶対に行くよ!と言っていただいていましたから
本当に私も気合が入っていました。はままつフラワーパークは管理体制も素晴らしいので!
このエリアは特に、夕日の時間。夕日が当たるのを前提として、西日に映えるホットカラーで。
光を真っ先に捉え反射するのが黄色。その最高のリフレクションカラーと暖色の花を選んで植えたエリアです。
また、こちら側のほうが背景バックドロップが、すっきりとした茂みなので、絵になりやすい。
草花の景色を作るとき、まずは背景ありきで計画を考える。光の入り方や風の通り方など...。
さまざまな条件への認識がないと、いつまでたっても絵がまとまりません。
反対側の東側は、最高の眺めを作るにも、フジの棚があって、これが難しいのです。
このフジの仕立てのための単管パイプが、どうしてもこの眺めに入ってしまう限り....。
まあ仕方がないのですが、それで景色全体の計画に限界があり、ずっと思っていたのが
支柱も絵になるフジの眺め。ヴェルサイユ宮殿の藤棚は素晴らしいですが最後に見たときは朽ち果ててtいました。フジという強靭なエネルギーのあるツルをサポートするのが難しいのですね。
しかし、その支柱によって、葉も花もないときも存在がイヤじゃない景色にしたかったのでした。
なので、ご依頼を受けたフジのパラソルの骨組みデザインは、本当にやりたいことの一つで、
大変に光栄でした。
ついにやりたかったオリジナル支柱のデザインで、フジの景色が登場するのですから!
また、パラソル構造を設置してのち、大きく育ったフジを後から入れるというこの大仕事。
こういう作業・技術・エネルギーは、塚本こなみ先生でなければ、なし得ない世界でもあります。
こうしてできてしまうと、苦労の遍歴もなにも感じないと思いますが
後からフジを入れる構造については、何度もデザイン修正をしました。
構造条件にそのまま飲み込まれると、カッコ悪いデザインになってしまいそうでしたから。
かなり揺れながらも.....粘りました。それで、この景色!
来年はきっと左の端までフジのツルも伸びるでしょう!!!!
普段、フジの足元に見える大きな裸地を見えなくなるほどに繁茂する草花を手前にセットするのも
最初からの私の計画でした。また、裸地が目に入ると美観半減なので。
はままつフラワーパークの植栽デザインを依頼していただいた7年前、そのスタート時には全国からボランティアの皆様にご参加いただきましたが、それ依頼ずっとその植栽管理を手伝っていただいている池野さんからの写真です。ランダムな三角植えや絶妙な株間ピッチも7年をかけて体得していただいてます。その仕事が終わった6時頃。ちょうど光のマジックアワー。
フジの花は、むせ返るような独特の芳香も夕方に強く漂うのでもう、ここにいるだけで
酔っ払いそうです。今回は私が泊りがけで現場に行かれな事情もあり、写真だけが観察の頼りですが、美しい瞬間、私が思い描いていた景色の角度、高さ、見え方がありました。
で、この写真をいただいてのち、すぐに、さらに明日は「こういう角度や画角で撮り直して!」と頼んでいたら...翌日は.....あっ!というまに ↓ 嗚呼。仕方がないですが空がきれい。
フジが剪定されてしまいました。今は無観客なので、先に花を刈り取っておけば、次なるエネルギーが充実する...。とにかく来年にかけましょう!
↑は 5月8日の写真ですが、下の写真は5月1日。
また、シロフジが咲き進んで5月5日ころ。
やはり、この1週間の変化は見事なものでした。
コロナ禍によって、2月上旬からずっと失われてきた日常。(↑ 2月18日撮影)
今の目標は、来年の春に向けて、今年以上に素晴らしい庭を作ること。
こんなことが起きるなんて、この時は想像もできなかったけれど、今でも、にわかには信じがたいけれども、世界中のすべての人たちがそういう、悪夢のような時を過ごしている。
そして、今年、草花の世界は何か今までと違うエネルギーを漲らせているよう思えてなりません。
このように見事な花たちの競演、こうして咲くように日々、植物たちの生長を助けてきたガーデナーへの感謝も込めて.....
実物を見ることは難しい2020年でしたが、希望を持って一歩ずつ先をイメージしていきたい。
フラワーパークで作った動画もぜひ!
フジ2020 ➡
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