2018.12.26 / ガーデニング(GARDENING)草花(FLOWER & PLANTS)
「それは、美しいのか 」というテーマで
年の瀬も迫ったので、今年を振り返る。
どころか、この20年を振り返ってみたいと思います。
この20年で、20世紀から21世紀に。来春には、平成から新元号になりますものね。
私個人は、人生がガラリと変わったイギリスの生活を経て1998年9月に帰国。それから20年。
つくづく感じるのは、ガーデニングのトレンドや人々のライフスタイルが、変わったということ。
それから、国際バラとガーデニングショウも、今年の第20回で幕を閉じました。
なにかが変化しているのは確実。あ、42歳だった私が62歳になったのも大きい。
きっと、これを読んでくださっているあなたも、20歳年を経たのでいろいろと変化があったことでしょう。
写真は、取材で何度も通ったウラートン・オールドホール。
マダムがデザインしている個人の庭です。
写真を撮ったのは10年以上前のことですが、その年を遡って1997~8年に尋ねていた景色と同じような眺めを維持しているのに、とても感心しました。
個人の庭。それだけで、忍耐力を感じる。自分の信念を貫いているようにも思う。
庭は、さりげないようで、その人の美意識がむきだしになる。経済力も。
と、怖いようにも思う場所です。
さて、トレンドといっても、何を美しいと思うのかは、個人差もあり、一概に言えないことがいっぱいありますが、ほとんどの人は、花は、美しいと認めると思います。(写真は、オランダの Vlinderhof)
「花の美」に流行などない。と言いたいし(まあ、ちょっと飽きたりはするかも)
結果、皆、好き嫌いで好きなことを言うのだし、Pietさんが映画で語っておられたように
「流行とは関係なく、自分の好きな植物」が大切なのだともいえる。
私個人は、年とともに手間のかからない草花が、自分の味方だと思えるようになってきています。
昔から好きで、今も好きなプリムラ・アウリキュラ(オーリキュラ)。
ロンドンでは、アウリキュラ協会に入って、何十種類も育てていましたが、日本では夏越しで失敗しがち、ストレスフリーの土で夏は日陰で夏越しができるので、2年目の春も開花。でも、この夏に消失。
失敗の原因は零れ種で居ついたバーベナボナリエンシスを(写真に見えてる)抜かなかったことにもあり。
ストレス少なく、丈夫に育つ宿根草や球根植物が好き。ときめて、だんだんそっち方面にシフトチェンジ。
手間をかけるからこそ、美しい、楽しい。という園芸の本懐から、外れてきているかもしれないと言う自覚はありますが。
ただ、園芸の本懐といっても、本質的には、その美を愛でることにあり美への、愛の深さは負けない気はするのですが、「どこまで自己犠牲?」って、大げさですが、夏の暑さや体力の衰えには、素直に降参ということです。
なので、20世紀のイングリッシュガーデンを象徴するようなバラとデルフィニウムは、イギリスの庭でも、21世紀に入って減っているようにも思えます。
写真は倒れがちなデルフィニウムに、樹木の枝を交差して差し込み倒枝防止をしている景色。
今の気分というか、雰囲気でいうと、とにかく支柱がなくても地面から力強く伸びる宿根草に注目。
来年はますます、元気な植物を選んで、元気に育てる工夫をしていきたいと思っています。
先日、講演会の時に、ルドベキア サブトメントーサ 'ヘンリーアイラーズ' の話題を。
今年のオランダ旅行で見て、気に入ってしまい、花だけでなく、この茎の立ち方が美しいでしょう?
パリコレのモデルさんみたいにすっと立ってる。
それを手に入れ、自宅庭でも育ててみようと、寄せ植えを作ったお話をしました。
(一番上の写真。今、撮ったもので、来年秋の'園芸ガイド'誌に夏の結果を掲載予定)
やはり、このルドベキアは丈夫で、倒れることもなくよく育っていると、すでに育てている方から報告を受けて嬉し。
また、丈夫な背後には、バーベナ・ハスタータ 'ブルースパイヤー'によく似た品種が。
ただ、この組み合わせだったから、この景色だったから、このシチュエーションだったから。
一目惚れしたかもしれません。普通に圃場に咲いてたらどうだっただろうか。
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