お庭からベランダ、エクステリアなどガーデニング回りをスタイリッシュに演出

 

IMG_6579.jpg

なぜ、今、NEW PERENNIAL PLANTS MOVEMENT か。ということ。

もう一度見直したいと思います。イングリッシュ・ガーデン発のガーデニングを

楽しく続けていく上で、この動きはそれぞれのガーデナーが

正しく理解しておいたほうが良いと思うからです。

DSC_0681.JPGのサムネイル画像

その根本的なムーブメントの発祥は、明らかに、気候変動の影響からくるものであり

そこで持続可能な未来の庭への、具体的な検証でもあります。

もちろん、観光ガーデンと、普通のパブリックガーデン。また、個人の庭では

庭の楽しみ方が違うので、一概に言えず、難しいのですが。

IMG_6026.jpg

しかし、NEW PERENNIALの、ある種、装飾的で、機能的なデザインのおもしろさも

理解されたく思う。ちょっと見方が先進的な感じがするから、心配もある。

DSC_0132.JPG

いずれにしても、手をかけ丹精するのが、園芸だとされてきたけれども、ちょっと視点を変えて

ランドスケープ・ガーデニング(日本語にしたら景観園芸?)に根ざし、

可能な限り、オーガニック園芸、できる限りロウメンテナンスを目指すこと。

IMG_6032.jpg

それには、植物を良く知る事。が第一のポイント。

うまく伝わるかどうか。わからないので、繰り返し、伝えて行きたいと思っています。

これは、基本的にナチュラリスティック・ガーデニングにつながると思いますが

1、環境に合った品種を選ぶ。特に自生種を中心に。

2、基本的に無農薬、無潅水(水道水の潅水禁止条例が発令される地域に限るかもしれない)

3、上記に連なって、ロウメンテナンスの庭づくり。植物に対し過保護にしない。

4、上記を満たして、春・夏・秋・冬に見所のある品種選び。一瞬だけ美しい品種はNG

5、2〜3年で植物が成熟したら根っこ同士のコミュニティができて、ほかの雑草が生えない

6、環境に合った品種が選ばれれば、植物が倒れることも少ない。垂直に自立

1990年代のイングリッシュ・ガーデンでは、植物が倒れないように支えるステークス(支柱)があちこちの庭に見受けられたが....。ニューペレニアルの庭では見かけなかった。

IMG_6006.jpg

繰り返し、自然に、宿根草が同じ場所で、毎年咲く。これがいいんですが。

IMG_5814.jpg

でも、やっぱり長い間、だれからもメンテナンスされないと(⬆︎デザインはPiet さんだけど)

こうなっちゃうのは、避けたいですね。広大な地所でメンテナンスが間に合わないと伺った庭にて。Piat  デザインではあるが、Piet さんも「あそこはダメだった?」と、聞かれた。

「ダメだった」と答えると、残念そうに、やっぱりなと。

DSC_0755.JPG

でも、ご本人の庭は美しかった。(@Piat Oudolf おお Hibiscus 'Plum Crazy 'か?

この品種ほしい!)今回訪ねたフューチャープランツにありましたね!

https://www.futureplants.com/perennial-varieties?f6=191

Piat Oudolf 氏プライベイトの庭は、見学者が来る(今年で公開終了)なので、

乾燥の厳しかったこの夏。水やりは欠かせなかったと聞きました。ちょっと驚いたけれども

それはそうだ。その点は、ちょっとBeth Chatto Gardens と、ダッチムーブメントは、

若干、環境も姿勢も違ってました。夏の東イングランドは農業用水にも事欠くけれども

IMG_6638.jpg

オランダは水が豊かな国なので、雨が降らなくても、潅水禁止宣言が出ないのね。

そういう理由だとおもいます。(今回のオランダで最も感激した景色!)

海抜0mだらけで水と戦ってきた。いまも、この⬆︎芝生の生え方は、ちょっと不思議です。

IMG_6004.jpg

NEW PERENNIALの代表的な宿根草、エキナセア。実は乾燥が厳しすぎても、うまく育たない。

湿地も嫌い。やはり、アメリカ原産なので、そこに注目しないとうまく育たない。園芸種は特に

肥沃な土地で、適度に水分あり、風通しがよくないと....。猛暑では花びらが焼けてしまう。

IMG_6010.jpg

うしろに見えてるブルーのサルビア。土に水分が多いと倒れます。

かなり、水はけ、風通しのよい土地で、うまく育っているから、あんなにまっすぐ立ってる。

IMG_4025.jpg

バーベナボナリエンシスは比較的にしっかり立ち上がりますが、やはり、水と風によって倒れることがあります。⬆︎目黒区駒場ではそうだった。アキレアも、そう。乾燥&風あり、なら立つ。そうでないと倒れる。我が屋上では、雨以外滅多に水やりしないので、空に向かって真っすぐ立ちあがる。

IMG_2861.jpg

この写真は、6月の「はままつフラワーパーク」夏はもう、厳しすぎて、見学さえ身の危険あり。

なので、見学に気分のいい体感気温を超えてまで美しい庭を作ろうなどと、それは無茶と考える。

個人の庭の場合、窓の外に緑が見えていることが幸せ。それには樹木。強い宿根草を揃える。

というわけで、これからますます、環境への適合性を見極めないと。....これが、基本の考えです。

デルフィニウムは美しいけれど、倒れやすく手間がかかる。咲き終わるときれいじゃない。などの理由でNEW PERENNIALに入らないけれど、地域によっては、うまく育つかもしれない。

決めつけないで。庭での環境適正=美しく育つ。が、要点。

な〜〜んだ。と思った方も少なくないと思うけれども、これを極めていくのが面白いといえる。

その上で、絵になる景色。植物による装飾性のある庭を作りたいのです。


■おすすめ特集

吉谷桂子

英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。7年間英国に在住した経験を生かしたガーデンライフを提案。さまざまなイベントや雑誌などに出演するほか講師を務め、著書も多数。また国際バラとガーデニングショウやレストランなどの植栽デザインを担当。2013年春にファッションブランド「Shade」を立ち上げた。


Instagram@keikoyoshiya 

Archives

Recent Entories