2020.12.15 / 京北・香りの里/六ヶ畔・花簾庭(京北バラ園)の四季
12月も半ばに入り、今年も残すところあとわずかとなりました。
今年は、年初から新型コロナウィルスが流行し、非常事態宣言を経て、
また現在、第三波と言われる状況になり、一年を通して大変に年になってしまいました。
さて、僕がデザインさせていただいた京北バラ園(京北・香りの里/六ヶ畔・花簾庭)ですが、
気温の低い地域にあるため、春の開花時期が6月上旬と遅いため、非常事態宣言解除に伴い、
期間限定・感染防止対策を行った上で、無料公開されましたが、
秋バラのシーズンは、残念ながら、公開することができませんでした。
例年、12月上旬、雪が降る前の時期に、冬越し作業を行っておりますが、
今年もその作業のため、先日、半年ぶりに現地へ行ってきました。
京北バラ園は、一季咲きのバラも多く、秋は春のような花いっぱいの風景にはなりませんが、
四季咲き性の強いバラは、盛りを過ぎても一輪一輪は美しく咲いていました。
写真は、エントランスゲート付近のイングリッシュローズゾーンに植栽しているバラで、アンブリッジローズ。
春の花に比べて、より大輪で咲き、花色も深みがあって、とても美しかったです。
こちらが、メインエントランスゲートから見た風景です。
中央手前のデルタ(三角)ゾーンがイングリッシュローズゾーンで、四季咲き性の強い品種は
12月を目前にしても、とても良く咲いていました。
快晴の天気に恵まれ、作業にはもってこいの一日でした。
良く咲いているイングリッシュローズゾーンにクローズアップしてみます。
手前から、ジアレンウィックローズ、アンブリッジローズ、レディエマハミルトンなどが咲いています。
こちらは、イングリッシュローズゾーンから、メインゲート方向を見たアングルです。
他のバラはほとんど咲いていないのに、四季咲き性の強いイングリッシュローズだけは
良く咲いていて、改めてその優秀性に気づかされました。
イングリッシュローズゾーンから、奥のオールドローズゾーン、滝のように枝垂れ咲くつるバラ、
群舞・群星のゾーンも、ほとんどが一季咲き品種なので、当然ですが、花は見られません。
これまで、京北バラ園の春の花盛りのシーズンの美しい写真や動画はご紹介してきましたが、
秋から冬のリアルな風景もお伝えした方が良いかなと思い、今回ご紹介しております。
家型の木製パーゴラに誘引したつるバラも伸び放題。
これからの誘引作業が大変です。
こちらは、バラ園西側を見たアングル。
左手前にイングリッシュローズゾーン、右側奥がオールドローズゾーン、
そしてその奥に高さ5m近くある大型の八連アーチが見えています。
大型のアーチに誘引したつるバラも、一季咲きのランブラー品種のものが多く、
ツルが伸び放題となっていました。
京北では冬季に降雪の心配もあることから、例年雪解け後の2月下旬~3月上旬頃に
つるバラの誘引作業を行っています。
その際には、一旦、全てのツルをアーチから解き放ち、開花の風景をイメージしながら、
再度アーチに誘引しています。
実は、今回の冬越し作業のメインは、このアーチに誘引しているつるバラの一部を植え替えすることです。
春の開花時期の写真を見ると、アーチに誘引した一部のつるバラの開花時期が合っていないのです。
それがずっと気になっていまして、今回、バラの休眠時期に合わせて掘り上げ、
開花時期が合いそうな別のバラと入れ替えることにしました。
こちらは、大型アーチに誘引していたつるバラで、ブル・マジェンタ。
アーチの最前列に植栽しているこのバラが他のバラより開花時期が遅いため、
写真に撮った時、またオープンガーデンで皆様方に見ていただく際に、
そこだけ花がなく、葉っぱが茂っているだけの状態になっていたので、
その状況を改善するための作業です。
植栽して丸4年経っているため、根はかなり張っていて、掘り上げるのがひと苦労でした。
このブルーマジェンタに代わり、アーチの最前列を彩ることになったのが、
イングリッシュローズのつるバラで、黄色い花が咲くモーヴァンヒルという品種。
最前列のアーチの反対側には、薄紫色の花が咲くマニントンモーブランブラーが控えているので、
補色対比の美しい風景ができるのではないかと、期待しています。
掘り上げたブルーマジェンタは、こちらに移植します。
バラ園のメインゲート(写真右側)の横、国道に面した駐車場側の木製フェンス前です。
もともと、ここに植えていたイングリッシュローズのつるバラ、モーヴァンヒルとの入れ替えです。
この木製フェンスだけでなく、鳥居型のメインゲート方向にもつるを誘引し、
より立体的に咲かせたいと考えています。
今回の作業では、このつるバラの入れ替えの他、いくつかのバラの移植を敢行しました。
調子が悪く弱ったバラを、奥の養生ゾーンに移したり、逆に養生していたバラが復活したので、
最適な場所に移植したり、バラ園全体のコンセプトをキープしながら、適材適所に配置しています。
これらのバラの配置換えは、冬越し作業の前段階としてとても重要で、毎年行っています。
今回の冬越し作業では、隣町の美山町から専門家を招き、剪定や誘引方法などについて
いろいろ指導をいただきました。
最初のバラを植栽して丸4年、当初とてもひ弱だったバラたちも大きく成長し、
これからは限られたスペースの中で、如何に美しく咲かせるか、
よりその手腕が問われるフェーズに入ったと思っています。
このバラ園に関わっていただいている全ての方々に感謝し、また来年、多くの方に感動していただけるような
バラ園に育てていきたいと思っています。
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