2020.12. 4 / ガーデニング術
12月に入り、今年も残すところあと1ヵ月余りとなってしまいました。
11月中旬頃から紅葉のシーズンですが、今年はコロナ禍もあり、紅葉を見に遠出することもできませんでした。
そんな中、今回は、我が家の小さなガーデンでも、少しばかり秋の深まりを感じられる、
紅葉の風景をご紹介したいと思います。
こちらは、我が家の前庭、前面道路に面したオープン外構の庭です。
ここには、我が家のシンボルツリー、樹高5m以上ある株立ち樹形のエゴノキの足元・両側に
2本ユキヤナギを植栽しています。
ユキヤナギは、早春に白い花を咲かせる低木で、我が家では春の風物詩ともいえる風景を作ってくれます。
そのユキヤナギですが、実は秋の紅葉もとても美しいのです。
エゴノキの足元・両側に翼を広げるように植栽しているユキヤナギ。
春は、自然樹形で枝垂れるように咲かせているのですが、
花後に出る新しいシュートを適度に剪定し、秋も枝垂れるように
紅葉する風景を楽しんでいます。
紅葉というより、黄葉。
むしろ「錦秋」というような美しいゴールド色に染まります。
一方の我が家の庭の代名詞のバラですが、紅葉は美しくありません。
こちらは、前庭の建物外壁に誘引しているつるバラで、
キングローズとレッドキャスケードです。
わずかに黄色く色づきますが、葉はチリチリになって落ちてしまいます。
こちらは、建物に囲われた中庭。
サンルームの壁面に誘引しているつるバラ、ピエールドロンサール。
こちらも、黄葉していますが、美しいとは言えない風景です。
しかしながら、我が家の中庭にはとても美しく紅葉する樹があります。
ドウダンツツジです。
中庭のシンボルツリー、コハウチワカエデの足元に添わせるように
植栽しています。
このドウダンツツジは、和名で「満天星」と書き、春には満天の星空のように白い花が咲く
縁起の良い樹木で、我が家では、一人息子の誕生を祝して、中庭に植栽しました。
そのドウダンツツジは、春の花だけでなく、秋の紅葉もとても見事です。
我が家の中庭は、隣接する建物の陰になる日陰の庭(シェードガーデン)なので、日光量が少なく
なかなか美しく紅葉しませんが、数年前に撮影したこの年は、とても美しく、
燃えるような赤に染まりました。
ドウダンツツジの紅葉した葉を近くから見るとこのような感じです。
まさに火のような燃えるような赤い色が特徴的です。
この紅葉する葉に太陽の光が差し込むと、さらに美しく輝きます。
こちらは、建物の北側にある坪庭に植えているヤマモミジ。
完全な日陰な場所ですが、毎年微かに紅葉してくれます。
ヤマモミジの足元には、日陰でも育つ陰樹のアオキやセンリョウ、
ナンテン、シダなどを植栽しています。
この建物北側の坪庭ですが、玄関ドアを開けた正面から
ガラス窓を通して見ることができるようになっています。
紅葉の時期は、照明を当ててライトアップすると、
とてもドラマチックな風景を創ることができます。
我が家の庭で紅葉を観賞できる樹は、上記にご紹介した
ユキヤナギ、ドウダンツツジ、ヤマモミジなどですが、
我が家の外ですが、近所の公園にも、とても美しい紅葉を楽しめる樹があります。
それがこちらのケヤキの大木です。
市が管理する公園に隣接して、旧公団(現UR)団地の敷地内に植栽されています。
実はこの団地、老朽化により取り壊しが決定し、その跡地には戸建て住宅街ができるとのことで、
その再開発事業そのものは、近隣住民にとってありがたい話なのですが、
この公園に隣接するエリアに植栽されている樹木全てが伐採されるという話が持ち上がり、
昨年夏ごろから、地元自治会を上げて、樹木の保存運動を行ってきました。
いろいろ大変な経緯があったのですが、そのあたりは長くなるので割愛させていただき、
結論的には、このケヤキの大木は、現状のまま保存・活用されることになったのです。
逆にいうと、それ以外のほとんどの樹木は伐採されることになったのですが・・・。
再開発事業と自然環境の保全、既存樹木の保存は、なかなか相容れない難しい問題なのです。
そして、こちらが、今年秋の紅葉の様子。
ケヤキの大木以外はすべて伐採されてしまいました。
ケヤキの後ろにあった古い団地群は解体され、現在、整地工事が進んでいます。
現状のまま保存・活用されることになったケヤキの大木の横に、
我が家のある既存住宅街と新しく整備される住宅地を結ぶ歩道が整備中です。
この方向からケヤキの大木を見ると、ほぼ以前のように見えます。
しかし、方向を変えて坂道の下の方から見上げると、このように樹冠の右側1/3がなくなってしまっているのです。
このケヤキの大木の横に植わっていたヒマラヤスギの大木を伐採する際、
木を倒す方向を微妙に誤って、ケヤキの枝をかすめるようになぎ倒されました。
その結果が、こちらの姿。
何とも痛ましい状況です。
こちらの写真は、団地解体前の美しい樹形で紅葉するケヤキの姿。
僕も幼い頃からこの地域で暮らしていて、このケヤキのある公園で友人たちと野球をしたりして
遊んだことを憶えています。
そんな地域住民の思い出の詰まった風景の一部を、これからこの街で暮らす子供たちへ引き継ぐことができ、
本当に良かったと思っています。
保存・活用されることになったこの美しい樹形のケヤキの大木が、その下を行き交う地域の人々の暮らしを見守り
後世に引き継がれていくことを望んでやみません。
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