今年もあとわずかになりました。
本年も一年、このブログ記事を読んでいただき、ありがとうございました。
さて、年末企画として、4回連続で、2022年今年のバラシーズンに咲いた我が家のバラの中から、
僕のお気に入りのバラを紹介するこの企画、今回が最終回となります。
前回は、イングリッシュローズのつるバラ品種の中から、おすすめのつるバラをご紹介しましたが、
今回は、イングリッシュローズのつるバラ以外のつるバラ品種の中から、
特にお勧めの品種をご紹介したいと思います。
■ジャスミーナ
こちらは、我が家の庭のシンボルローズとも呼べるつるバラで、前庭の建物外壁面に誘引しているつるバラで、
ジャスミーナ。
中輪・房咲き品種で、ステム(花茎)が長いため、枝垂れて咲くのが特徴です。
なので、壁面の高い位置まで誘引して、下から見上げるように仕立てています。
透明感のある白い外側の花弁から、内側はピンク色に染まる可愛らしい花が特徴で、ブーケ状に房咲きします。
甘いリンゴの香りがそこら中に広がります。
ただ、花の可憐さに反して、枝は剛直で刺がとてもきついので、誘引には注意が必要です。
我が家にある三大トゲバラの一つです。
■パレード
こちらも、前庭の建物外壁面に誘引しているつるバラで、
鮮やかなローズピンクの大輪の花を咲かせます。
多花性で、このバラが一斉に咲き揃うと、庭がとても華やかになります。
このバラも樹勢が強く、旺盛に枝(シュート)を伸ばします。
ジャスミーナ同様、刺も強いため、誘引にとても苦労するバラですが、その苦労を跳ね飛ばすくらい、
開花時の喜びが大きいバラです。
■チェビー・チェイス
こちらも、前庭の建物外壁面の白い大理石タイルの壁面に誘引しているつるバラで、
チェビーチェイス。
鮮やかな赤がとても印象的な花で、白い建物外壁タイルとのコントラストが、
とても気に入っています。
このバラによく似たキングローズという赤いつるバラも育てていますが、
キングローズに比べると、同じ赤でも少し青みががっていて、
花の付き方もよりブーケ状に咲くのが特徴です。
全く刺のないキングローズに対し、このチェビーチェイスは細かいカギ状の刺があり、
誘引時にとても苦労します。
ただ、誘引の困難さに反して、このバラも咲いた時の風景の素晴らしさを考えると
我慢出来てしまいます。
■ブレイズ
こちらも、前庭の建物外壁面に誘引しているバラで、ブレイズ。
古いバラのようで、友人から譲り受けて育てているバラです。
このバラの特徴は、とにかく花期が長いこと、早咲き品種とほぼ同時期に咲き始め、遅咲き品種が咲き終わるまで、
ずっと咲いている感じです。
花形としてはあまり特徴が少ない印象ですが、とにかく咲き続けるという点では魅力的な品種と言えます。
■フロレンティーナ
こちらも、前庭の建物外壁面に誘引している赤いつるバラで、フロレンティーナ。
カップ咲きの花形が美しく、混じり気のない澄んだ赤がとても美しいバラです。
白い大理石タイルとの紅白のコントラストがとても美しく映えるのが気に入っています。
花形がとにかく美しく、ステム(花茎)が短い印象で、誘引したツルに沿って咲いてくれるのが、とても良いです。
咲き始めの頃の花形もとても美しく、耐病性も高く、とてもスペックの高い品種です。
かなりの遅咲き品種という点も、遅咲きのバラばかり集めている我が家の前庭の壁面には
とてもフィットしています。
■ヴァイオレット
今年、前庭の建物外壁面に新しく導入したつるバラで、ヴァイオレット。
遅咲きばかりのつるバラを集めている前庭・建物外壁面のバラと花期が合うかどうか、分からなかったので、
とりあえず、今年は鉢植えで壁面に誘引してみました。
結果的には、ほぼ他の遅咲きのつるバラと同時期に咲き、花期という面でも問題ありませんでした。
赤一色だった建物外壁面の半分に、小花のヴァイオレットの紫が加わり、とても印象的な壁面になりました。
小輪・房咲きで、紫色の花弁の内側にゴールドのしべが見え隠れして、とても変化のある風景を構成してくれます。
小さなマットグリーンの葉っぱとのバランスもとても良い品種です。
■ミステリューズ
こちらは、紫色の中輪品種でミステリューズ。
ヴァイオレット同様、今年はお試しで、前庭の建物外壁面の赤バラゾーンに加えてみました。
先ほどのヴァイオレットと花色はぴったり合うのと、ヴァイオレットと花径が異なるため、
変化のある風景が作れます。
大きな壁面に誘引できるほど伸びませんが、小さ目の壁面であれば、十分つるバラとして活用できるバラです。
■モーツアルト
前庭の玄関アプローチの小壁に誘引しているのが、こちらのつるバラ・モーツアルト。
一重咲きの小輪房咲き品種のつるバラです。
良く似た品種に、「安曇野」という日本のつるバラがありますが、安曇野は一季咲きなのに対して、
このモーツアルトは返り咲き品種です。
暑い夏場でもとても良く咲いてくれる品種ですが、このバラもかぎ状の鋭い棘があり、誘引時には難儀します。
我が家にある三大棘バラの一つです。
このつるバラ・モーツアルトは、白い大理石タイルの両側に誘引しています。
株元は、この写真の小壁の向こう側にありますが、壁を乗り越えるように誘引させています。
このバラは、枝先を下垂させても咲く品種なので、小壁の両側で咲かせることができます。
また、花期の合う白地に淡いピンクの筋が入る、美しい花を咲かせるクレマチス・アンドロメダと
コラボさせています。
■ピンク・カクテル
前庭の隣地境界添いの白く塗装した木製フェンスに誘引しているのが、
こちらのつるバラで、ピンク・カクテル。
殿堂入りのバラ・カクテルの枝代わり品種で、赤い花弁のカクテルに対し、
こちらのピンク・カクテルは、赤い部分が鮮やかなピンク色に染まっています。
花の中心にはゴールドのシベがあり、ピンクの花弁とのコントラストが、
とても鮮やかです。
前庭のキャンディゾーンと呼んでいる、アプリコット色のバラを集めたエリアに
植栽していますが、透明感のあるアイスブルーのクレマチス・天塩との対比も
とても美しいです。
咲き始めの頃は、濃いピンクの花弁と花弁の中央付近は黄色く染まっていますが、
咲き進むにつれて次第に白くなっていきます。
この退色も魅力的なバラです。
■アップルシード
こちらは、前庭の玄関アプローチ脇のアーチに誘引しているバラで、アップルシード。
ローズソムリエで育種家の小山内健さん作出のつるバラです。
しなやかな枝先に、濃いピンク色のコロンとした花を咲かせてくれます。
アーチを玄関アプローチ側から見たところ。
アーチ右側がアップルシード、左側にはイングリッシュローズのヒルダ・ミュレルを
誘引しています。
両者のバラを比較するとよく分かりますが、右側のアップルシードはステム(花茎)が短く、
アーチの形に添って咲いています。
ちょうどお隣さん側が方角でいうと南になるので、大部分の花は南を向いて咲いてしまいます。
■バロン・ジロー・ドゥ・ラン
つるバラの中で、最も好きなバラは?と尋ねられると、おそらくこのバラの名前を言うと思いますが、
こちらは、バロン・ジロー・ドゥ・ランという非常に長い名前の付いたバラです。
いつもは「バロン」と称しています。
深紅の花弁の先が不整形に切れ込み、そこに白いピコが乗っている、とても個性的な花を咲かせます。
ステム(花茎)が短く、誘引したつるに沿って咲いてくれるので、風景が作りやすいバラです。
他のバラに先駆けて咲く、早咲き品種です。
美しい花は咲き進むにつれてブルーイングし、青みが増していきます。
この花色の変化も、このバラの魅力の一つです。
■レイニー・ブルー
我が家では珍しい紫色のバラで、レイニー・ブルー。
以前の我が家では、赤かピンクのつるバラが定番でしたが、
ここ数年、カラフルなバラが増えています。
その一つがこちらのレイニー・ブルーです。
初期成育が遅い品種のため、なかなか大きく育ってくれません。
インスタグラムなどのSNSでは、大きく育ったレイニー・ブルーがつくる
美しい風景に魅了されます。
将来的には、そんな風景を作れるように期待しているバラです。
■スパニッシュ・ビューティ
我が家のバラ庭の中で、最も初期に導入したつるバラのひとつです。
中庭の正面奥、和室の庇上に誘引しています。
今年は、さらに高い位置で咲かせるため、枝と枝を結節して、
面で固める空中誘引をしてみました。
超早咲きのスパニッシュ・ビューティは、他のバラと花期を合わせるのが難しいため、ほぼ単独で咲いています。
フリルのような優雅な花は、ステム(花茎)が長く、枝垂れるように咲くので、高い位置に持ち上げて誘引すると、
美しい風景を作りやすいです。
写真は、降り注ぐように咲くスパニッシュ・ビューティを真下から見上げたアングルです。
■マダム・イサーク・ペレール
こちらは、オールドローズのマダム・イサーク・ペレール。
早咲き品種で、強いダマスク香が特徴のバラです。
ステム(花茎)がとても短く、誘引したツルに沿う形で咲いてくれるので、風景が作りやすいという
メリットがあります。
こちらは、我が家の中庭の奥、隣地境界との間の狭い通路状の空間。
例年は、隣地境界の木製フェンスに誘引していたのですが、今年は長いツルを持ち上げて、
建物側の雨水排水管を足掛かりにして空中誘引しています。
マダム・イサーク・ペレールは、ゴージャスかつ美しく整った花形をしています。
ステム(花茎)が短いため、大きい花にも関わらず、すっと正面を向いて咲くのも魅力的です。
■ロワド・ロンサール
こちらは、中庭の正面奥、つるバラ・スパニッシュ・ビューティの下に重層的に絡ませて誘引しているつるバラで、
ロワド・ロンサール。
名花・ピエール・ド・ロンサールの枝代わり品種と言われているバラです。
本家・ピエールよりかなり濃い、全体がローズピンク色の花が特徴のバラです。
花型は、ほぼ本家・ピエール・ド・ロンサールと同じで、とても美しいフォルムをしています。
派手好きなので、個人的にはこちらのロワド・ロンサールの方が好みです。
花色が異なる他は、ほぼ本家のピエールと同じ性・特性を持っています。
花期も本家・ピエールと合わせやすいので、中庭で向かい合うように配置しています。
■ピエール・ド・ロンサール
こちらが、本家本元のピエール・ド・ロンサール。
一家に一本と呼ばれるくらい、バラを育てている方が持っておられる有名品種です。
我が家では、中庭のサンルームのガラスの壁面に誘引しています。
旧枝咲きのクレマチス、ジョセフィーヌとコラボさせています。
花期も合いますし、ゴージャスな風情、色合いも非常によく調和する組み合わせだと思います。
こちらが、ピエール・ド・ロンサールの美花。
花弁の中央がピンク、外側が白くなる感じがとても優雅で素晴らしいバラです。
我が家の中庭では、この写真のように、中庭のサンルームのガラスの壁面から、ワイヤーを張った母屋側まで
誘引をしています。
花が重いので、若干枝垂れるように咲くので、このバラもやや高めの位置まで誘引で持ち上げるのが良いと
思います。
如何でしたでしょうか?
年末企画ということで、4回に分けてご紹介してきた我が家のバラたち。
今回、かなり詳しく紹介していますが、それでもまだ全部のバラを紹介することはできませんが、
特にお気に入りの品種をご紹介させていただきました。
これからバラを育ててみようと思われる方の品種選びの参考にしていただけると幸いです。
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