お庭からベランダ、エクステリアなどガーデニング回りをスタイリッシュに演出

 

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数年前から、これを「追求?」or「研究?」というのが正しいかどうかわかりませんが、京都熱。

写真は桂離宮のくろもじ垣。この美しさに 嗚呼!この垂直の枝は一体どうなっているのだ!

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建築と庭。モダニズムと伝統の調和を勉強したくて伺いました。こちらは富士の間の庭。

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俵屋さんは、洗練の極み。

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こちらは秋に泊まった竹泉の間。吉村順三氏の設計と中村外二工務店の仕事が随所に気持ち良い。

これまた勉強になります。伝統を守るオリジナルの本館が絶対に良いという友人に対し、私はこの感じが好きだ。

自然と一体化する、季節のめぐりに合わせた居住まいの学びにあふれて。

しかし、終始「ふむふむ関心、しきり」....隅々まで行き届くこの「ある種の緊張感」に慣れるまでは、

生きて元気に京都に通うため、仕事を頑張りましょう。夫と私は励まし合う。

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さて2022年正月。年々、茶壷にはまってどっぴんしゃ状態だったのがもっと深い茶壺を見つける。

最近、遂にとどめを刺された。それが、二軒の京の宿でした。

同じ京都訪問で似ていて異なる2箇所に泊まるなんて節操がないように感じますが

正月の室礼を眺めるチャンスはそう何度もなく、今回、思い切った次第です。

そして、ここから、ずっと意識していた茶の湯の世界に、気持ちだけ(;汗)は、なだれ込む。

それは何なのか、少しづつわかってきたような、目の前の霧がすぅーとクリアになったような気がしたものです。

(当社比、よく聞きますけれど、私個人比です。悪しからず)

key wordは、日本の season と nature。

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さて、それは友人の勧めがなければ、選択肢になかった炭屋旅館の宿泊。

いつもこの麩屋町通りのこのファサードを眺めつつ、恐れ多いような気持ちで歩いていた。

「とにかく一度、行ってみないとね」としか、彼女は言わなかった。あら、それならじゃあと。私、最初はこちらは、近年の、リ・ファーブリッシュの細部があまり好みではなかったので、どうなのかしら。と思っていました。

しかし!そんな上っ面の表面的なことではなかった。

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モダンホテルを経て、京都滞在三日目のお宿。

......ではでは、チェックイン。今回もお心付けは、鳩居堂の熨斗袋で用意。

最初に通された部屋のテーブルの上「ハッとした!」のが、炭屋旅館のマッチ箱です。古めかしい昭和の灰皿が置いてあり、そこにマッチ。

マッチでさえ、今やガラパゴスですが、そこに描かれた「丸毬打(まるぎっちょ)」いやこれちょっと角ばっているか。角ぎっちょか。半ギッチョだってあるらしい。でも、はっきりと見て取れる炭の菊花紋様。

まるぎっちょは、炉用の茶道炭のことで、この茶道炭が炭屋旅館のピクトグラフになっている。あああー!

実はずっと「まるぎっちょ(マルギッチョウという場合もあり)」という言葉に強い衝撃を受けていたのです。

炭手前、というようなことにも。

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こちらは、裏千家ともゆかりの深い「茶の湯の宿」だった。そんな茶人が始めた旅館であることさえも知らず、のうのうとデザインがどうとかいいながらやってきた、実に、素養のない、いちげんの泊まり客。いえ、誰だったはじめ。があるので臆せず勉強をさせてもらうチャンス、靴を抜いで上がらせていただいた途端から異空間を観察開始。

特にお料理はすごかった。茶懐石の世界はこれか。

そこから終始、何かに気づいては(あ'っ!)の連続だったのでした。何も気づかず「良いねえ」と、ステイできればそれも良かったですが、夫も私も、心のなかで(はっ!)だったり(あっ?)だったり(えっ!)の連続。それは非常に感覚的なことなのでうまく言葉にするのが難しいし、別の方がこちらに来ても、そうは思わなかったかもしれません。

季節を写す室礼と料理、五感を刺激してくれながら、季節のめぐりを感応させるような心遣い。

その日は興奮してなかなか眠れませんでした。

写真ご法度の茶室にて、無作法にも写真を撮らせていただいたけれども、

記念すべき、これが私の感受性の扉をギギと開けた瞬間でもある。

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とは、いえ。その実、茶の湯のおもてなし中も、シンプルに無知で無作法な私たち夫婦でしたが、夫が旅館でスリッパがいやだと用意してきた白い足袋を履くのに、またこれ茶室ならばと。手間取り遅れて入ってきた。

私はお宿の備え付け、利休好み茶のタビソックスでしたが。

この時間は本当に、ご主人、女将の気遣い素晴らしく、和気あいあいとリラックスした、楽しく素晴らしい体験でした。

ただ底深い、奥深すぎて足の届かないプール、いえ沼に入ってしまったという面白さ(スリル)と恐ろしさが共存。

私は常々、茶道の世界に強く興味を持つのに、お教室&畳に座るのが苦手な性格と体質で逃げてきました。

以前も書いたことがありましたが、20代のころ、表千家の今は亡きN先生のご指導を途中で離れてしまったこと、今も後悔。あのとき、骨折さえしなければと、思うのに、骨折が治ってすぐ3ヶ月のヨーロッパの旅行にでてしまい、その帰国後も、伺わなかったのが悔やまれます。お茶歴、30年とか、そんな人生に憧れます。

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まあ、今からでも遅くないのでなんとかすれば?

と思う次第。昔からお茶をされて方々から見れば、実に残念な情けない話ですが。

なにも思わずこの後も生きていくなら、そのほうがもっと残念ではないかと自分に言い聞かせるのです。

主に京都に現存するものが多いので、自ずと京都になるけれども、日本中、探せば数百年の歴史を保つ世界があるのだと思うのです。ただ、近距離に密度濃くいろいろ一通り揃っているので、やはり京都です。

この後は、お茶とお菓子!上の写真は、濃茶、薄茶&京菓子司 金谷正廣の真盛豆(シンセイマメ)インスタでもご紹介でしたが、今年の京都旅行で、さまざまいただいた京菓子の中で最も忘れられない大豆のお菓子。

苔のように青いのは青海苔ですが、これがすばらしい香りです。苔のむす菓子との別名も。

コロナ禍にならなければ、一昨年も去年もイギリスやイタリアに渡っていたはずですが、その代わりの文化栄養吸収に通っていたのが、ある時、卒然と開いたようなパンドラの箱は、春、夏、秋、冬、春夏秋冬、いえ、本当は、二十四節気に一度行きたい京都通いでした。

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ここ半年ほどにさらに盛り上がったひとつの引き金といえるのは、昨秋訪ねた河井寛次郎記念館の掛け軸にあります。

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と、また同じタイミングで見た杉本博司氏の掛け軸も、ちょっと関係ある...。

掛け軸の書のメッセージ性って凄いですよね。

同時にネットフリックスで映画「日々是好日」を見た。まったく同年齢の森下典子さんのエッセイが切なくて。

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そろそろ、我が家も、息子が小さかった時に描いた『亀を襲う鳶』で喜んでいないで、何かしたいと思っています。

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2006年頃の文化出版局ミセス誌上の京都取材の折に、ご縁をいただき作っていただいたもの。

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こちら表装だけは、名だたるお寺の表具も手がける老舗でお願いしたので立派ですが、

ちゃんとしたもの。杉本さんの書でインスパイアされ、ああ。そうだなー。

この色紙の付け替えというのが気楽だし、なにか自分たちのオリジナルで!

というのが、今年の目標ですが、また、色紙も鳩居堂に求めにいかなきゃ。

着物はもう少し後になりそうですが(汗!)


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吉谷桂子

英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。7年間英国に在住した経験を生かしたガーデンライフを提案。さまざまなイベントや雑誌などに出演するほか講師を務め、著書も多数。また国際バラとガーデニングショウやレストランなどの植栽デザインを担当。2013年春にファッションブランド「Shade」を立ち上げた。


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