2022.1.10 / 旅(SIGHTSEEING)
見事な赤松。こちらは平等院ですが、さすがです。年末からずっと松の木が気になって。
我が家には、地中海原産の松が15年ほどルーフガーデンにいますが、枝抜きなどをきれいにしたら、
美しくなるだろうか。
北野天満宮は、梅で有名ですが、松の提灯がカッコよくて。これまでも何度も写真を。
実は北野天満宮、亡き京都の叔母の家の近くなので、馴染みの場所ですが、今回は、上七軒の
「黒本蕨もち」を買いに、煉屋八兵衛を訪ねた次第。良い写真が撮れていないのでまた今度。
ちなみに「黒本蕨もち」は誂えから6時間以内に食べなくてはいけないので、前日までに時間指定で予約のこと。これ間に合わず、今回は生菓子を。
北野天満宮からその日の宿である俵屋で通されたその日の部屋の掛け軸が、
白隠彗鶴に描かれた、北野天満宮の松と梅と鳥居でした。あら!奇遇。
北野天満宮の梅。節分すぎ(2020.2.5撮影)には梅が咲いていました。梅はまさに春先取りの花ですね。
この日は、蕨もちを食べ比べ。では、ありませんが、俵屋の名物、蕨もち。
実は翌日に尋ねた、今度は下鴨神社の和菓子処「宝泉」も蕨もちが有名で。
こちらのわらび餅の魅力「成層圏突破だな」と語り合う。お庭も美しいので、京都へ行かれたらぜひ、下鴨神社を詣でた後に。その日に煉られたものがでてきて、数分以内にいただくのが掟といいましょうか。
今回は、松の内ということで(関東は1月7日/関西は1月15日)正月飾りのほかに私の研究対象強化科目だったのが
京都のお雑煮でした。
四半世紀ぶりに尋ねた志る幸は、店内に入った途端タイムスリップでした。80年代、
京都でディスコティックの内装デザインに関わっていた際、この高瀬川近くの路地に1週間ほど通っていたので。すごいことですよね。こちらでが利休辨当に具材の選べる白味噌汁。
さて、節操がないと思われそうですが、今回、京都に来る前に尊敬する友人、Mから、炭屋さんも行っておくべきと助言あり、彼女は高校生の頃から親に連れられ京都三大旅館の常連だったため、先日彼女の家を尋ねた際に、いろいろ勉強させてもらった故。ただ、和室の連泊はシンドイので、一旦、定宿のホテルに泊まり、1日開けて仕切り直しで尋ねた。
もしも私がもっと若くて、還暦を過ぎていなかったら、ここは楽しめなかったかも。
の極みでした。それは、デザインというよりも、その心。精神。アトモスフェア。
さまざまな場所で白味噌のお雑煮をいただきましたが、私たち夫婦の空前絶後の成層圏突破だったのが、
炭屋旅館の京懐石の夕食に出たお雑煮でした。
頭芋の上に丸餅、京の金時人参、牛蒡、そこに緑の「うぐいす菜」です。
この「うぐいす菜」は初めて知りましたが、またおいしくて。お出汁に鰹を使わないので昆布だけであとからひらひら鰹をかける式。
炭屋旅館の京懐石夕食は、自分の京都史上最高の10数品に渡るコースでしたが、仲居さんが10回以上も部屋に通われたことにも驚くばかり、お味も成層圏突破の連続。季節をしつらう心に触れ、日々の自分のガサツぶりを反省するばかりでした。本当にたくさんのことを学ばせていただきました。
そして、この日は、月に2度あるお茶席の招待日。これまた私は、四半世紀前に習っていた表千家の茶道もほぼ忘れていたし、炭屋は裏千家との繋がりも深いので、もうこの際、初めてで、無作法お許しをとお断り入れて。
本来茶室で写真はご法度ですが、ひとを緊張させない穏やかで暖かいご主人、女将の計らいで本当に楽しい時間を過ごさせていただいた。正座が苦手な私だけれども、なんとか耐えた。今後は、また裏千家に少し通ったものか本気で考え中。
この日の炭屋の茶室は、玉兎庵。茶人でもあった先先代が兎年だったことからだそうですが、驚いたのは赤松を格子に貼った天井。普通日本の松はくねくねと曲がっていますからこれほどまっすぐな赤松はどこから探してきたのでしょうか。京都の銘木屋、大工さん、職人さんの素晴らしい伝統に感動するばかりでした。
ここで得た学びのすべてを書くにはあと数十時間が必要になりそうなので、また折をみて描きたく思います。
炭屋の庭。どの窓からも小さな庭がキラリ!と美しい。夏は苔で青々しているであろうグラウンドカバーは今、苔を守るための敷き松葉で赤く彩られています。
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