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専門家吉谷桂子のガーデンダイアリー ~花と緑と豊かに暮らすガーデニング手帖~

秋の京都研修旅行-3 EVERY DAY IS A STORMY DAY 日々是荒日

吉谷桂子

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「 EVERY DAY IS A STORMY DAY・日々是荒日」文字通りの日々

この日最初に訪れたのは祇園の花見小路突き当たり建仁寺のある敷地内、両足院。

特別公開、8月に日程を決め、早くにネットで予約し、せっかく訪ねたのに何故か、あまり写真を撮っていなくて。

行き慣れた建仁寺敷地に入ってから、目的の両足院までは、看板も標識なしで、ウロウロ。人を食ってる杉本らしいと家族がぶつくさ、うろうろ。こういうとき、行こうといいだし、予約した私が、貧乏くじを引く。

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両足院の、この箱庭、この緊張感はよかった。ばしっと手を入れる庭。

今回の旅程を決めたのは8月、1年以上前から決まっていた仕事のスケジュールの合間を縫って、目的(1)俵屋さん。(2)桂離宮・修学院離宮。(3)が両足院(の庭↑と襖絵)の特別公開。それから、さらなる条件は

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1、混む前の時期に行く。

2、緊急事態宣言が解除されていること。

3、目的のお宿やホテルが予約できる。

これで、ほぼ地獄谷へ向かったような吉谷でありました。行き帰りの新幹線は完全書斎。

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人を食う天才でもあられる。

「日々これ言い訳」そして、放電。ふふふ。ここで座禅するのかぁ。

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両足院に向かう途中、祇園一力茶屋前で、昔から縁の多い編集者、私の本も数冊出してくれた後藤繁雄くん夫妻とばったり。彼とは、夫と3人で40年前に冬の京都を、その後25年ほど前も私たちが、ロンドンから京都に上京(?)した際に京都旅。その時、さらにいろいろな方々と偶然ばったり会い、その誘いで智積院の長谷川等伯襖絵、琳派のお軸は、開館前の細見美術館で。また、現在AMAN となっている浅野家の庭は、白砂伸夫さんが案内してくれた。人生、何かしら誰かと縁があるから今ここにいる気がします。

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その当時、1990年代は杉本博司さんがロンドンの拙宅を英国における撮影基地として度々滞在されていたので、当時から実に胸のスクような作品群にずっと親しんできました。素晴らしい恵まれた1990年代でした。

そして......時の経つのは早いものです。

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Lighting Feelds 10年前初めてニューヨークの杉本さんのスタジオでに布にプリントされた作品に感動していた(私も!)息子が、その素材感に言及していたが、きっと、そこがなかなか難しい建築基準法。

でも、かっこいいね!!!

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その後、両足院から六波羅蜜寺へ、徒歩数分。鎌倉時代の重要文化財。

13世紀 鎌倉時代の空也上人立像(運慶の四男康勝作)拝観に。

写真は撮れないので、道端のポスターで。.....すっごいです。

私が戦慄したのは、そのお足元ですが、ぜひ、そのすごさは六波羅蜜寺へ。

いえ、今度,空也上人 、東京にお越し下さるとか。それはぜひ。2022年3月からトーハク、東京国立博物館にて

御念仏、南無阿弥陀仏の6文字がお口から、ぽっぽっぽとお出になっているので、我が家では、ぽっぽっぽさまを拝観。吸い寄せられ離れがたかった。

https://artexhibition.jp/topics/news/20211111-AEJ563331/

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そこからまた歩いて10分強の東山区にある、河井寛次郎記念館へ。

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京都で訪れるべき寺社数え切れませんが、

今回のベストと申し上げておきたい。

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写真を撮ってもよろしいでしょうか。

最初に伺いました。受付の方がそれはもう感じが良くて。

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うおおおスヴァらしい!と思わず声が裏返ったスリップウエア。

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そしてきゃあ。かわいい。激写してしまう。

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記念館の人気をさらう猫ちゃんは折に触れてカメラを向けていると現れる。なんでこんなにかわいいのでしょう。

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ああ。今回は雰囲気のことたくさん学びました

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こちら、まだの方はぜひ、少しでも早くに。

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こんなにも、生き生き生きている記念館はほかにないのではと、

長時間ウキウキわくわくしながらここで過ごしました。

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どの椅子もすてき。一番欲しくなったので、力を入れて撃撮影。

河井寛次郎先生(1890-1966) 、大正から昭和にかけて、それはもう、日本を代表するアーツ&クラフツの陶芸家というだけでなく、アーティスト、生き生きと暮らされていたムードを今に残し、あちらこちらに野々花が生けてある。椅子もよりどりに座ってみることができる。

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草にあらず人にあらず水にあらず。それは、茶の道...なのか?ああ、おもしろい。

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ああ、しみじみ、よいです。

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良いなあ。良いなあ。良いなあ。と長い時間を記念館で過ごしました。

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この箱階段を上ったのも、嬉しい体験。

ぜひ、いまのうちに訪ねてくださいませ!

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なぜ、いまのうちかといえば、その調度のすべてが今も、生き生き生きて、

人の手で磨かれ光っている。たとえばいくつもの美しい椅子や床の輝きを生に感じ取り、座ることもできる。IMG_9236.jpeg

そこここに素朴の花活け。

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もちろん展示作品は、どれもこれも最高、そんな陳腐なことしか書けない自分が恥ずかしいですが、

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それは当然のことながら、その展示方法がまた嬉しいすばらしい。デザインが生きている。審美眼というのはこういうことだと。

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その後タクシーで、東寺の毘沙門天様と焼け仏様を拝観したいという息子のリクエストで、東寺へ。ここは、実に本当にすっごい建築です。

空間の驚きに満ちている。五重塔すごい。金堂すごい。すべて撮影非許可にて失礼、

帝釈天さまのハンサムは、相変わらず。

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そのまま、歩いて東寺駅から伏見の神聖鳥せいで夕餉。10日は終了。すごいものをみるエネルギーの電池切れに。

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さて、旅館1泊後の2泊は、日本のアーツ&クラフトをちょっとだけ感じるホテルへ。全部ハンで押したような同じ部屋だらけのホテルは苦手。

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柚木沙弥郎センセ作品のあるエースホテルに惹かれるのですが、今回は3人だったので、大きな部屋へ。

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天井がよくないと予約した私が家族から、不評を買う。まあ、よくないけど。

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さて、今回は、桂離宮他、宮内庁関係の予約でも大失敗。緊急事態解除後の初日予約開始は、今年は10月1日でしたが、10月1日の緊急事態宣言解除直後の朝の宮内庁予約サイトは、きっと同時期にサイトに人々が殺到したのでしょう。wifiの弱いホテルでのオンラインでスタック、変な日程で取れてしまい。

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後々、抽選通知は予期しない日程で送られ泣く泣くキャンセルすることに。

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諦めずまたきっと、来年にでも?とにかく、感動したい。感動できる京都。行けるうちに行っておきましょう。

この先いつどこも、いけなくなるかわからない。自然界や世界的にも、個人的にも...

そして、未だ海外への移動の目処はたちませぬゆえに。

まだまだ続くのですが、続きは近いうちに。これにて、今年の正月からの繰り返しのキャンセルの再実行を遂行しましたが、これから中之条ガーデンズへ!

体力勝負の嵐の様な日々であります。


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吉谷桂子

英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。7年間英国に在住した経験を生かしたガーデンライフを提案。さまざまなイベントや雑誌などに出演するほか講師を務め、著書も多数。また国際バラとガーデニングショウやレストランなどの植栽デザインを担当。2013年春にファッションブランド「Shade」を立ち上げた。


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