お庭からベランダ、エクステリアなどガーデニング回りをスタイリッシュに演出

 

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完全な、といえる日本におけるイングリッシュガーデン、特に、自然風の美しさは日本有数。

と思います。銀河庭園。景色の美しさに、何度訪問しても感動します。

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また、花を咲かせているエリアだけでなく、ランドスケープ。本当に素晴らしく、実は一般公開していないようなエリアまでも、時に、息を呑む瞬間あり。

この庭をデザインをしたバニー・ギネスさんの意匠はどれも最高の完成度。

ウイローバスケットに使うウイローを水に浸けて(編み込むために柔らかさを保つため)今日は晴れていたので、空の反射光が外国みたいな景色と空気感。

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バニーさんがデザインされたなかで、一番好きなのは、サルベージ・ガーデン。

彫刻の美しさはほかにないし。サビ鉄と青々した緑の時も秋の枯葉色も素晴らしいマッチング。

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10年以上前にも同じアングルで。見ると、同じ写真を撮ってしまいます。

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ドラゴン・フェンス、素晴らしい造形。今日もグラスたちとの相性抜群。

ただ、生きている植物を毎年、絵になるポジションで維持していくのは本当に大変なことです。

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頭が重たくて倒れやすいピオニーを、ツル植物でサポート。

これも毎年の作業ですね。花が終わると剪定。ガーデナーの仕事には終わりがない。

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伸び始めた。キャットミント。そうなったら剪定を繰り返して、開花連続に向けて切り戻しを。

北海道の気候ならそれができます。関東暖地だと暑すぎて花芽が出せない。

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ローズガーデンの宿根草たちは、今、元気一杯に初夏を謳歌。まさに今、イギリスにいるみたいだ。

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ネペタ・シックスヒルズジャイアントのパフォーマンス、今年はまた特にすごい。香りも。

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この感じだけでも。胸がいっぱいになる。香りは、ネペタとバラと牧場の緑の匂い。

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銀河庭園の6月に見事なパフォーマンスをするのが、アリウム......ですが、ここでは

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グローブマスターたちの大きさや開花期の長さ、賛美されるべきかと。

ギガンチュームは有名ですが、グローブマスター存在感素晴らしい。

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これも、グローブマスター。きれいですねー。

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長年通っていて少しづつそのパフォーマンスのタイミング次第で惹かれる植物が変わりますが、今回、ブリザがキラキラ。

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イングリッシュ・ガーデンの真髄は「自然主義 / ナチュラリズム」にあります。

よくイングリッシュガーデン風というと、バラと宿根草の庭。というイメージになりますが、

オランダ発のナチュラリスティックの庭とは、少し異なる点もありつつ、基本の考えは同じ。

自然に寄り添うガーデニングの手法。であり、それぞれの環境にあっていて、その生命を謳歌する植物に美を感じます。花だけでなく、さまざまな植物全体の魅力を発見して、生態系にも

考慮し、調和の美を鑑賞。感性の喜びはそこから始まる。

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流行に関係なく、自然と向き合いながら、栽培の技術や愛情や多少の運試し(?)関係する。

花の咲かせ方。鑑賞法だと思います。運試し。は変な言い方ですが、その時々の天候、暑い夏、寒い冬、早すぎる春の訪れ。また、見学時の天候も大きく影響しますよね。

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なので、同じ種類の花を1色満開にする世界とは、同じ花を咲かせる意図でも

方法がまったく違います。それだけに、鑑賞法。

結構難しいのかもしれないと。すぐに雑草と言われがちなメドウ。

それに対し、常に尊敬の存在はバラですね。

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ブルートレリスのエリアに咲くバラ。

ROSE MARIE PAVIE デヴィッドオースチンのローズ マリィパヴィ Dwarf Polyantha

開設時からずっといて大人しくて無農薬で丈夫で良いバラです。

その季節になると自然に咲く花。...といっても、全てがそうではありませんが

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いつも感嘆するゲラニウム オリオン。中之条ガーデンズにもいますが、ここは本当に見事

なかなか思い通りにはいかないのですが。銀河庭園において、こうしたゲラニウム、咲き方も存在感は特に素晴らしい。数年がかかってここまで育ったからですが、それをケアするガーデナーに尊敬です。

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先程の自然の場面にも出てきましたが、私が最も好きな銀河庭園のエリアは、メイズです。

このメイズ(迷路状の植栽枡が組まれた)にメドウ(牧草風のワイルドフラワーが撒種から今は宿根化して15年)が最高のタイミングも今です。6月。

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アトラクティブな季節のアクセントにと、赤いポピーをリクエストしてあったのですが、植栽時期が会わずうまく根付かなかったか。でも、この雰囲気も好きです。

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と、思うと。今年は、アライグマの被害甚大。去年、苦労して植えたチューリップが食い荒らされたこと。途中の報告を受けて途方にくれました。

なんと!ここに巣が?!

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自然に毎年ある時期、華やかに景色を彩るバターカップ。

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ワイルドフラワーの広いフィールドも今、最高に美しいです。普段だと遠くに羊も見えるのですが。シャスターデイジーは創設時からここにありました。

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赤いダイアンサス。原種?

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デルフィは、銀河庭園では夏を越し冬を越すので。株立ちが美しい!一年扱いの株には表現できない美しい林立ですが、このスパイクが育ってくると美しくなくなるので、早めに切り戻したい。

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アストランチアの美しさは、ここならでは。いつも、見惚れます。

さて、さて!銀河庭園は、これからますます美しくなります。

車で移動できる方やお近くの方はぜひ。遠方のみなさまには、もうしばらく蔓延防止策のなか、画像などで楽しんでいただけると良いのですが、この、イギリスの空気みたいな北海道独特の空気。味わっていただけたらなあと。その日が来るのを願っております。


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吉谷桂子

英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。7年間英国に在住した経験を生かしたガーデンライフを提案。さまざまなイベントや雑誌などに出演するほか講師を務め、著書も多数。また国際バラとガーデニングショウやレストランなどの植栽デザインを担当。2013年春にファッションブランド「Shade」を立ち上げた。


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