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専門家吉谷桂子のガーデンダイアリー ~花と緑と豊かに暮らすガーデニング手帖~

デレク・ジャーマンの庭の展覧会と古いポジフィルム

吉谷桂子

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「デレク・ジャーマン/私の庭の境界は地平線」展が

ロンドンのガーデン・ミュージアムで開催されるそうです。と、友人のfacebookで知る。

今週末、7月4日から。しかし、行かれないですね。

残念。イギリス在住の方は行けたら、感想をインスタなどで教えてね。その内容の簡単な翻訳より。

ジャーマンのガーデニングへの愛情と、彼の人生と仕事における庭園の役割に焦点を当てた最初の展示会。ダンジネスのプロスペクトコテージでデレクジャーマンの庭園の物語を発見できる。
ただし、コテージ内から借りた個人の工芸品と一緒に美術作品や映画は展示公開されない。

「私の庭の境界は地平線」は、この貴重な芸術作品、庭園、人生を体験するまれな機会です。
展覧会では、キースコリンズメモリアルウィルトラストからの貸与により、ジャーマンのキャリア全体の絵画や彫刻が展示されます。 庭園と植物がジャーマンの創造的な成果のすべての要素に浸透している。 1986年にターナー賞にノミネートされたとき、彼は絵画を「私の秘密の庭...逃亡」と表現した。 彼の1980年代の黒い絵は、タールで覆われ、浜辺や庭から見つかったもので、彼のHIV診断に対する感情的な反応だった。 1990年代初頭の彼のカラフルな風景は、庭園で経験した喜びと美しさを想起している。

プロスペクトコテージ =デレクジャーマンは、ダンジネスの海岸でティルダ・スウィントンを撮影しているとき「セール」の看板が付いている建物に出くわし、漁師小屋であるプロスペクトコテージを32,000ポンドで購入。 1986年12月22日にHIVと診断されたジャーマン氏は、「できるだけ多くの生活から抜け出す」ことを決意し、庭園の作成を開始している。
境界線なしで作られる唯一の現代的な庭園であるジャーマンの庭園は、環境という面でも最強。原子力発電所のそばにあり、海からの風、塩は障害ではあるものの、「適切な場所に適切な植物」の哲学を備え、極上のガーデニングを提供した」......文中部分省略。ミュージアムの説明文より。

ああ行きたい。

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そうえば、このプロスペクト・コテージが売りにでるというニュース。デレクの没後、この家と庭に住んでいたキース・コリンズ氏が2018年に亡くなったことからですが、2016年の私のガーデンツアーでも、参加者様の強い思いから、遠回りしてこの庭を訪問(外から見るだけですが)。

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しておいてよかったのは、まだコリンズ氏が存命だったから。私としては、見る影もあまり内容に思えたこの時の印象でしたが、やはり見ておけてよかったです。

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近くの踏切のところに建つ家。美しかったです。イギリスの建築誌で見て知っていたので感動しました。ダンジェネス。特別な雰囲気の場所。

2016年のこのときは、夫の博光がジャーマン氏に連れていってもらったという古いカフェもまだ残っていました。(今はどうかな?)

さて、友人から連絡がきたのは今年1月頃。

Tilda Swinton Joins the Campaign to Save Derek Jarman's Prospect Cottage

え〜〜〜!?!?、と思う間にコロナ渦中に突入し。

その後どうなったのか。ティルダ・スゥインドンは、デレクの映画の看板女優でいまもかっこいい憧れの女優さんだ。

話にあった写真を持っていなくて恐縮です。写真、重要ですよね。

実はこのところ、古いポジフィルムをデジタル化しなくては、という、

ここ10数年抱えていた問題に解決の糸口が。写真の世界が完全に今のようにデジタル化するまで

私は、1970年代からずずず〜っと、ポジフィルムが中心でした。仕事や研究に使う写真。

印刷、講演会。しかし、残ったフィルムで家族の写真も撮ったので。。。。

すべてポジの時代のことです。それが徐々に少しカビも生える梅雨の時期。

それが、一眼レフカメラに接写レンズを装着し、明るい窓辺でポジの写真を撮る。という、

極めて原始的な方法で解決!(それまではスキャナーのピントの甘いスキャンでお茶を濁す程度)

1990年代に撮ったデレク・ジャーマンのプロスペクト・コテージの写真もあったというわけです。

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ついでに自分の20代の頃の写真もでてきて.....なんだそれは?と思われたでしょうね。

若い時もあったなあと。このころ、デレク・ジャーマンの「カラバッジオ」をロンドンの映画館で見て感動しました。

残念ながら、1992年に夫の吉谷博光がその時の雑誌のエディターだった後藤繁雄さんとデレクジャーマンにインタビューに行った時は一枚も写真を撮らなかったとのこと。えええ?なんで?と思うかもしれないけれども、カメラマンが'(多分その時は高橋恭二さん)横でハッセルブラッドなどで写真を構えていると「写ルンです」とかでカシャカシャ写真撮れないものなんですよね。スマホとかない時代の話です。

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ついでといってはなんですが、その時の記憶をその後、ミセス誌にも書いた夫のエッセイ再度。

展覧会いけるひと。うらやましいですー。

https://gardenmuseum.org.uk


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吉谷桂子

英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。7年間英国に在住した経験を生かしたガーデンライフを提案。さまざまなイベントや雑誌などに出演するほか講師を務め、著書も多数。また国際バラとガーデニングショウやレストランなどの植栽デザインを担当。2013年春にファッションブランド「Shade」を立ち上げた。


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