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専門家吉谷桂子のガーデンダイアリー ~花と緑と豊かに暮らすガーデニング手帖~

青山通りのナチュラリスティック・まちニワ6月29日

吉谷桂子

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フィリペンデュラ・ベヌスタ Filipendula rubra 'Venusta' が咲き始めました!

こちらは実は、大きくブランクの空いていた地面に、6月上旬に新たに植えた宿根草です。

宮益坂、一見日当たり抜群に見えますが、午後は早くから周囲のビルに光を阻まれ、半日陰になれそうな

箇所がありました。まだここに植えて一ヶ月もないので。此の夏を越さないことにはなんともいえませんが

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ピート・アウドルフさんの著書「 designing with plants」は、数あるご著書の中でも私にとっての

デザイン・バイブルなのですが、そこに登場するプルーム(プリュム)の代表にもなっています。

いきなりそう言われても何のこっちゃと思われるかもしれませんが、ここに書かれていることも

「プルームは、スパイアとアンベルの中間の柔らかいフォルム」スパイアはスパイク(尖塔型)。

アンベルはアンブレラ型。その中間がプルーム/プリュム。エルメスのハンドバッグに興味のある方はすぐにピンとくるはず。羽毛、羽飾りというような意味。ふわふわしていて、無数の小さな個々の花で構成され透明感もある。

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最初の設計になかったの、このプルームは、葦やシモツケのような多くの湿地植物に見られる開花特徴があるということで、最初は乾燥に弱いと判断し、諦めていたのですが、育苗会社の方の「お試ししても?」の

アドバイスでまさにチャレンジです。ちなみに我が家は湿地ではないですが、水はけの良い地面で

気持ち良さそうに咲いています。この眺めではまだ埋もれています。ここでは、オミナエシがアンベル。

ボナリエンシスは、アンベルとプルームの中間に見えます。

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5月上旬、いくつかの苗が消滅したり、裸地が目立った箇所に増し植えをすることにして

中旬、まだある在庫から注文をお願いしました。写真はペンステモン。5月中旬といえば、季節柄当然ですが、

3月と違ってびっしりと根を回した株が花芽もたっぷりとつけて家に届きました。

このまま植えては、根が根詰まりを起こしたりと、自由に地面に伸びにくいので、バイオゴールドVRNAの

薄め液に1時間くらい浸しておきました。なのでびしょびしょ。土を落としたいときは乾いたままが

おすすめですが、根をホグすときは発根促進剤に浸してから始めます。

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ひとつの株に対し、15分以上は時間をかけて丁重にほぐしました。ヴィクトル・シャウベルガーの

銅理論に則って、銅の針金を使ってほぐします。最初は1~2本づつ。私はこうしたこと。

誰かから教わったのではなく、また植物によっては、球根の根のようにほぐさない方が良いものも

ありますのでその都度、植物から受け取るムード。こうしてほしいと感じるままに手を入れます。

余談ですが、やめてくれと信号を出している植物にハサミを入れたりすると、私は怪我をすること

少なくないです。おかしいですね。言ってること。

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ほわっ。ほわっとね。根を切らないように。

この、こんがらがったものをほぐす作業は、集中力が養えるかも?!

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正直、これがおもしろくて、やりだすとまったく飽きない。

植物たちも、あ〜!すっきりする〜。さんきゅー!と思っているに違いないと勝手に思って。

このときは、せっせと40株ほど。鉢増し。外出自粛令でわりと暇だったことにも救われて。

一日中、こんなことしていた日もありました。楽しかった!

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それを植えたのが、6月上旬でした。ストレスフリーの土の再利用の土で鉢増しして、その後も

バイオゴールドVRNAを散布して2週間ちょっと。この写真だけなら、宮益坂とは思えないですよね。

もうこのままどんどん根が張るぞー!という体制にしておいて、梅雨の始まりとともに、宮益坂の地面は

あらかじめ30センチほど掘って土をふかふかに開墾したなかに特別扱いで植えたのが三株。

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そのうちの1株が昨日、遠慮がちに開花してました。

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いまその、フィリペンデュラもボナリエンシスに囲まれちっちゃいですが、そのうち2m越しに

なるでしょう。右側にアガパンサスの白が固まっていますが。私のデザインでは手前に大きめの

植物を植えること少なくないです。

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眺めの背景に別の植物が見えるように。「レイアー」眺めの重なりを重視するからです。

もしもこれを後方に植えてしまうと、背後の道路や車やお店を背景にせざるを得ませんから

見た目もそうですが、せっかくの季節のスタープランツが写真映えしません。

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夕方5時過ぎからは、外苑前に移動して。こちらの雑草取り。この日は近所に住んでいる

私の高校時代の親友(同級生)や近くの会社にお勤めの方々も参加して賑やかに。

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みんなで作業すると早いし、楽しい!ご参加、ありがとうございました!

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東京のこのあたりって、農耕地がなくて案外植物が無農薬で育っているのでミツバチがよく来ます。

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風に揺れる様が本当に魅力的です。この日は、雑草よけと地面の乾燥避けもかねてマルチング。

やはり、地面に直射日光が当たると乾きやすいし雑草も生えやすくなります。

気持ちよく肉体労働をした後、思わず「次回は夕方の作業の後はビールで乾杯したいね!」

と盛り上がりましたが、まだコロナ禍の不安のなかにいるので、残念ながらその約束はできず。

私は家に帰って、自宅モヒートを!

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吉谷桂子

英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。7年間英国に在住した経験を生かしたガーデンライフを提案。さまざまなイベントや雑誌などに出演するほか講師を務め、著書も多数。また国際バラとガーデニングショウやレストランなどの植栽デザインを担当。2013年春にファッションブランド「Shade」を立ち上げた。


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