今春、銀河庭園のローズガーデンの見直しをすることになっていました。
ご依頼を受けて以来、図面やアイデアの上では、無制限にいろいろとアイデアは出てきます。
しかし、それは実際、2〜3日の滞在では、そう簡単には行かないことでもありながら、
...4月5月はこちらに来ることができませんでした。
なので、画像通信リモートにて。しかし、これも完全ではないので。心配でしたが。
遠隔でありながらこちらに来てみると、それは美しく咲いていました。ホッ。
こちらのバラ園は、無農薬でバラを育てるという、多少の「無茶」にチャレンジして10数年。
しかも、超・寒冷地。尊敬するバニー・ギネス先生の最初の設計にあったバラの品種、美しいバラがセレクトされておりました。また、長年ご担当のガーデナーのセレクトにも
間違いはありませんでした。
しかし、ある意味、わたし的には、歯痒いところもありました。
庭のデザイン=理想の姿を描きたい=とはいえ、生態環境にあって土地の環境や病害虫にレジスタンスな品種を選ぶ!ここが重要なのでありながら、眺めの麗しさは日々、変化します。
そこで、こちらのローズガーデンは、美しくバラそのものは咲いているものの。
「裸地=bare ground 」が少しばかり気になっておりましたのです。昔日のバラ園はバラの生育の邪魔になるとして、景色よりもバラの一輪を美しく咲かせるためもあり、裸地はたっぷりととる
傾向もありました。
実際にその必要もあるのですが、景色を横から見たときに
それを目立たなくする方法はあります。
以前にもこちらご紹介いたしました、早春の様子。
ワタクシが描きました、おそらく7月の様子。まあ、それは勿論、絵に描いたモチです。
しかも、5月から10月までの間の季節の変化による眺めの変遷にどう対応するのか。
以下の写真はその6月の結果でございます。
まず、キャットミントで横からの眺めに隙間を見せない視覚的効果。レイズド用の板を見せない
ようにそれが隠れるほどのバランスで。
ただし、まだ6月ですので、7月に咲くであろう白バラもまだ咲いていません。
来月はもっと艶やかにバラも宿根草も開花するでありましょう!
もちろんですが、農薬の散布なく。このように美しく咲くバラは例年通りです。
ご覧いただきたいのは、全体の風景も含めて。そしてこの雰囲気。
その要点ポイントはいわゆる、ミキシング、混ぜる、編集、Editionです。
バラだけを見る庭ではなく、バラを中心とした花の景色の庭。
宿根草や一年草。バラの枝葉が及ばない箇所で、視覚的に裸地を目立たないように
草花をいかに混ぜていくのかは、もともとイングリッシュガーデンの方式。
もちろん、バラが主役。バラは、そのままに。その脇役の宿根草、一年草の、その色調は
無難にまとめながら(ピンク+ホワイトなど)花や草姿形の違いでオンポジションするのが
ポイントです。ご近所の方なら、明日にでもおいでいただきたいですが!
バラと、バラを引きたてる宿根草。バラとはカタチ、フォルムがはっきりと異なる草花。
そして尚且つ。丈夫な。ここでは、ネペタ、キャット・ミントです。
丈夫で、信頼できるプランツ。ただし爆発的に大きく育つ可能性も大です。季節の間もまめに切り戻して花瓶に飾りながら切り戻すほどにまた花も咲きます。
バラの肥料で。それがバラとともに植る宿根草の問題のひとつ。「大きくなりすぎ」
そこで、装飾性のことも考え、一部に一年草がいることは、毎年引き算のやり直しも
しやすいので。ジニアや、ここではアゲラタム。便利です。
また、基本の脇役は、点点点と咲くバラに対し真っ直ぐ空に向かう線。尖塔型、スパイク状の
植物がメリハリを。
また、バラは暖色が多いので、青系のスパイクならそれなりに補色対比やパステルのコンビネーションがしやすく、また白いリナリアも効果的です。ただし、リナリア自身はあまり肥料を必要と
しないので、たまに問題が。
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