2019.1.11 / ガーデニング(GARDENING)
ここ数年、ヨーロッパの庭めぐりをするたび、ますます人気上昇中と感じる「プレイリーガーデン(草原の庭)」の存在。風通しの悪い、庭が極小の東京ではなかなか実現も難しいのですが、その具体策をずっと検討中です。どうしたら理解者が増えるか。喜ばれるデザインや、今後起こりうる環境変動への配慮も含めて。
もう6年ほど前のことだったか、オランダで10年に一度開催される国際園芸博フロリアード、その年のテーマが「自然と調和する人生」でした。エコロジーやオーガニック、生物多様性にこだわったさまざまなガーデン展示のあるなか、もっとも美しく印象に残った展示が「 The easy prairie garden (手入れの楽な草原の庭)」でした。自然な雰囲気で可憐な草花の繁る庭。そこでは、未来に向けて必要であろう庭の基本要素を4つ、掲げていました。
1、自然な雰囲気( Natural appearance)
2、手入れが楽(Maintenance-friendly)
3、生物多様性(Biodiversity)
4、 耐久性と長寿(Dureblility & Longevity)
何度か話題にしている Piet Oudoluf さんの宿根草の庭と基本的ににたような考え方で、イギリスでも、ここ20年ほど前から「オーナメンタルグラス」と呼ばれる草に注目が集まったり、丈夫で長持ちする宿根草に注目が集まったりしていますね。
天に向かってまっすぐ伸びるグラス植物は、その多くが丈夫な上、まっすぐなタテの線が強調されるため、庭にシャープでモダンな印象を醸します。今はグラス植物を使わない庭は、存在しないほどポピュラーな存在です。また、自然回帰の流れから、やはり、メドウ(花の咲く草原)ガーデンに人気があり、ロンドンで開催されたオリンピック会場も有名ガーデンデザイナーのデザインしたメドウが登場して大きな話題になりました。
さほどの手入れをしなくても(全然、しなくて良い。ではない)自然の風情の美しい眺めが作れるということ。しかし、日本人の感覚において「草」は、雑草に近いでしょうか。イネ科の植物といえばお米ですが、英国では「オーナメンタルグラス」のブームが来て、すでに20年以上が経ちますが、私、いまだ、日本でその価値観が許されるのかどうか、不安です。イネ科の植物、美しい!と思って以来、四半世紀。植えては非難されることが多かったので。「なんでこんな草を植えるのか?」「雑草がこんなに生えているよ」ずっといわれてきましたので。なかなか。
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