お庭からベランダ、エクステリアなどガーデニング回りをスタイリッシュに演出

 

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2012年6月開催のオランダガーデンツアーで訪問したOudolf 自邸の庭にて。

「これは凄い!最高。なんて美しいんだろう!」と心のなかで静かに興奮していた私に、

非常に率直に、正直に

「この庭はどうやって鑑賞したら良いのでしょうか?」と、質問をしてくださった方がいらした。

私は虚をつかれ(実は腰が抜けそうに。いや、抜けてしまい)

うまく返事ができなかったような気がします。申し訳なかったと思っています。

これが、美の規範の問題だったら、即答ができない。

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それから、さらに10年数年以上も前のガーデンツアーでのこと(写真は2009年のガーデンショウにて)

イギリス、現地の日本人ガイドの方が

「最近のガーデンショウって、雑草を植えるのが流行っているんですね」と、仰ったのにもびっくり。

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雑草ではなく、それは、スティパだったり、エラグロスティス、カラマグロスティス、パニカムetc。

もちろん、私の経験でも、これらを観光庭園に植えると、「雑草が生えてる!」と

いつの間にか抜かれていたことがある。仕入れ値でも、1000円近いのがあったかも!?

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イギリス人のガーデンエンスージアストの中にも、アンチ・ピート派 が、いるらしきことを聞いて、

興味深いことだと思っています。「だって、どの庭も同じ!?」いや、私が見ると全部違うけれど。

そのように、見えてしまうのでしょうね。ちなみにすぐ上の写真はピートさんの家の庭。

その上は、2009年のフランスのガーデンショウ。

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この写真は、はままつフラワーパークにて。「一般的にウケないから、避けるべき」

と、長らく思ってきたけれど、グラス類の植物は、庭の表情を豊かにすると思う。

(ただし、品種により、環境に合わず姿が崩れたり、合いすぎて侵略的になるなら即刻判断を)

このムーブメント、グラス植物のトレンドは、1990年代から始まりました。

花の色彩よりも植物の造形美に注目して、葉群による景色の長命を望む傾向もでてきました。

茎や枝ぶりの形も注目の対象です。

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それによって、花だけよりも、表情が繊細で洗練され、新鮮さも感じる。

なので、そろそろ、こうしたトレンドも、発祥から20年以上も経ったのだから

すこしづつ攻めに行ってもいいんではないかと。あまり文句を言われなかったのは

六本木ミッドタウンあったボタニカのテラスガーデン。それ以外の場所では

グラス類は抜かれたりしながらサバイバルを....。

また「これは美しい!!!」と思ってもらえるように工夫も努力もしないとて。

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まだまだもちろん、日本では、花は、いっぱい咲かないと、集客は難しい。

いえ、集客を考えたら永久に、派手さ、華やかさを抑えた The art of planting の庭の実現や存続は

難しいのかもしれないと思っています。

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やっぱり、TPOが必要だろう。(はままつフラワーパーク。私の感覚では、自分で植栽デザインをしておいてなんですが、花だらけでうるさいなあとは思ってます。これくらじゃないとウケないと恐れがある。でも、フジを生かすにはもっと別の方法があるだろうと悶々)

でも、日本は日本で、この気候にあった気持ちのいい、自分の好きな景色。

見たい景色を作ることを目標に。

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つまり、 Piet さんの言葉を借りると、

見えるもの以上に深みのある庭。

自然を求める気持ちを満足させてくれる庭づくりを目標に、改めて、新年に向かって

この予測不能な気候でも、美しいと思っていただける庭を目指して。

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私は私で、あなたはあなたで

ベス・チャトーさんやノリとサンドラ・ポープ、ピート・アウドルフのような素晴らしいガーデナーの作る庭から大いに影響を受けつつ、

日本の環境で、自分だけができる世界を表現できたらと、願っています。

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そのためにも、この植物は美しい。環境に合う。丈夫に育つ。

を見極めて、その世界を見つけていきたいですね。

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前向きに、向学心たっぷりに、いくつになっても、ポジティブに

美しいと思う何かを吸収し続けること自体に、生きる意味があると思っています。


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吉谷桂子

英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。7年間英国に在住した経験を生かしたガーデンライフを提案。さまざまなイベントや雑誌などに出演するほか講師を務め、著書も多数。また国際バラとガーデニングショウやレストランなどの植栽デザインを担当。2013年春にファッションブランド「Shade」を立ち上げた。


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