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専門家吉谷桂子のガーデンダイアリー ~花と緑と豊かに暮らすガーデニング手帖~

最低気温ですが、ガーデンショップには春!アネモネ、ヘレボラス!

吉谷桂子

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庭で水をはっておいてあるジョウロの水がこのところ、凍っています。

昼は太陽がポカポカするのですが、朝晩の冷え方はかなり厳しい状況です。(東京といっても私は東京都下なので、都心よりは、1〜2度必ず気温が低いです)

先日、3月に開催予定の福岡フラワーショーのコンテスト・ガーデン(すでに選ばれた作品)

私が審査で選ばせていただいた作品(お名前は全て伏せてのご応募でしたが、当選後、選ばれた方のお顔を見たら、昔からよく知っている方だったので、びっくりしました!)で、このたびの審査で選ばれた福岡の石井さんが、

模型を持ってお嬢さんと2人ではるばる八王子までいらっしゃいました。

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打ち合わせの場所に使わせていただいたのは、グリーンギャラリーさんで、

それは何故かと言うと、こちらのガーデンにはこのあと3月のガーデンショーで使いたくなる

ちょっと珍しい新しい苗が、いろいろ売り場に並んでいるので。

これを見ながら話ができると良いと思ったわけです。実際の植物を眺めながら、株間は

これぐらい開けるからこの面積なら1平米に何かがあったらいいとか、

そういうのもわかりやすいですよね。

そこでこの植物はどうしても使いたいと思われる物を既にショーのために注文してもらったりしました。

それがこのアネモネとヘレボラス。

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`アンナズレッド`という名のヘレボルス。 おそらくオランダから来たのかなあ。イギリスかなぁ。とても巨大なヘレボーで。

葉っぱも個性的で面白い。 私も次の造園現場があったら、これは使いたいと思いました。

実際に今、新しいプロジェクトで私は新たに3カ所の庭をデザインしています。 それが去年の夏から始まっていたので、まさに夏から今まで休みなく来たような感じです。

フラワーショーの事では、福岡とそして5月の連休に開催される横浜イングリッシュガーデンフラワーショー。

休みなく仕事をしていると、時々疲れを感じるのですが、こうして 面白い植物に出会うと!またまた元気が出てしまいます。

植物を見ると、アドレナリンが出ると言うのは私だけではないと思います。 そして、それこそが、genkiの源で。

そして、常に新しい情報植物の必要な情報は必要ですから、こうして

最先端の植物を真っ先に仕入れるガーデンショップは、 これからの季節、絶対に見て回らなければいけません!

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アルメリア。 最近は園芸品種でドリーメリアと言う品種もよく使いますが、

今頃から、ゴールデンウィーク過ぎまできれいによく咲きますから、重宝します。

この丸い形がアリウムみたいで可愛いですよね。

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それから↓ラナンキュラス・ラックス。

自宅の庭では、まだ固い蕾で、お店では今の時期にたくさん出ていますが、また

新たな色に毎年出会うので、それも楽しみです

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ラックスは夏の暑さに強く(というか夏は完全休眠して、晩秋になると必ず立派な葉っぱを吹かせてくるので、本当に丈夫なお利口さんです) どこの庭にも最低2〜 3株はあると良い植物ではないでしょうか。

特にコンテナ栽培でも簡単なので、ベランダガーデンでも何年もの長い友達になる植物です。

夏は放置しても大丈夫ですが、早春から開花までは水を枯らさないように、そしてそこそこ肥料もあったほうがきれいにたくさんの花を咲かせるでしょう。

ただし、私は最近の栽培(宿根草)では肥料なるべく少なめで、肥料を押さえることによって病害虫が出にくい

と言う結果。

肥料量はほんとに控えるようになりました。 昔をたっぷり使っていましたが、それは20世紀のイングリッシュガーデンで教わったことであり、現在21世紀のイングリッシュガーデンではまさに肥料を抑えるようになり、化学肥料も使わなくなりました。

それも環境や宿根草によりますから、一概には言えないのですけれども。

また、一年層はもともと瞬発力が要求されるため、幼少時から化学肥料で育てる場合も多いので、開花を続けるにはある程度の費用はどうしても必要ですね。

ただし、私がデザインの仕事をする観光ガーデンや、フラワーショーで使うには

若干開花した時と咲き終わりの風情がイメージが異なるラックスを、あまりたくさん使う事は注意しています。

花殻摘みが、朝晩にしっかりできれば良いのです。私は、ラックスの花がよく咲いたときの、あの露芯がとても気になってしまって。

ダリアなどもそうなのですが、パカッと花びらが開いたときの露芯が.... どうしても好きになれず。

なので、早め早めの花柄摘みが大切になります。また次々にカットすることで次の花もたくさん咲きます。

その花柄摘みが追いつければ、たくさん植えるのも良いのですが、それができない場合は数を控えています。

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そこで、露芯してもかわいいのがアネモネです。フランスで活躍した版画家、長谷川潔さんの作品にも

ありますよね。本当に美しい!

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ベルベットで作った造花のよう? 表現の仕方が違いますね。でも何か素晴らしい美しさを感じます。

こちらは切花栽培用に作られた株だそうです。

久々に花の美しさに完全に魅了されて買ってきてしまいましたが、 一度は自分の庭で育ててみないと、

よその庭で使うのも不安があります。どこかの庭で使いたいなぁ。

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さて、春の花ですが、売られている苗は、温室栽培でで育てられていますから、買ってきて、すぐに庭に植えたり、外に置きっぱなしにするのはちょっと危険があります。 アネモネも、ヘルボラスも、本来は耐寒性のある植物ですが、徐々に環境にならしていったほうが安全です。

家の軒下や、寒風に当たらない場所で、最初は環境に慣らしていきましょう。 外の温度が昼も夜も春らしくなっていったら安全といえます。

私の家では、 この時期に迎えた植物たちは、まずは朝のうちにオーガニックのバイオゴールドバイタルを土中散布し、葉っぱの面にもバイタルをスプレー、室内の気温の高い所では花びらが開ききってしまうので、

南向きの屋外軒下の暖かい場所でしばらく様子を見ています。

3月から4月になったときどんな風になっているかまた写真を撮りたいと思います。


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吉谷桂子

英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。7年間英国に在住した経験を生かしたガーデンライフを提案。さまざまなイベントや雑誌などに出演するほか講師を務め、著書も多数。また国際バラとガーデニングショウやレストランなどの植栽デザインを担当。2013年春にファッションブランド「Shade」を立ち上げた。


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