2025.2.16 / ガーデニング(GARDENING)旅(SIGHTSEEING)
イギリスで庭を。....一つだけおすすめの庭を挙げるなら、私は、まずはウィズレーを。
と、ガーデナー仲間には勧めますが、ガーデニング初心者の方や観光的に、一般の方でも楽しめるイングリッシュガーデンの庭。花の咲く景色が見たい方には、ナショナルトラストのシシングハーストや、元は、個人のお屋敷と庭だった『家と庭』の公開ガーデンが、おすすめです。以下の写真は全て6月のシシングハーストキャッスルガーデン。そして、シシングハーストの正面玄関。
みごとな景色です。何十回見ても....うっとりとします。
そして、イングリッシュガーデンにおけるローズガーデンはこれ!
決定版と言う位の。
イギリスらしいガーデンのテーマパークとして理解しやすい、楽しみやすい。
20世紀初頭のガートルードジキルからつながるカラースキームのガーデン。温故知新と言ったらやはりここ。
常に姿を変えている面もありますが、春から秋まで常に「花が咲いている」ので、ガーデニングに興味のない方にとっても、この景色。伝統的なイギリスのガーデンを見ることができて、オススメです。
ただ、私としては「花が咲いている?いない?」か、どうかよりも、ガーデンのあり方。21世紀の今はどういうことに取り組んで、こうして時代が変わっても存在し続けることができているのかを確認する形で、それを自分の仕事にも活かしていこうと、庭を見ているので、そんな点でも、RHSガーデンがその筆頭に上がります。
故に、ガーデン・エキスパートにぜひ何度も訪ねてほしいのが、英国の王立園芸協会(RHS)が運営する、RHSガーデン・ウィズレーと言うことになりますが、もちろん、ローズガーデンもあるし、様々な花を咲かせて、それもメンテナンスが素晴らしいので、誰にとっても美しいガーデンには違いないのですが、庭の研究の対象としてこれ以上の場所はないのかも。と思うので三日間イギリスに行けるなら絶対に、1日をここでの時間にしたい思う次第です。
もともと、ウィズレーは誰かのお屋敷ではなく、設立当初から園芸の研究機関として存在しており、特にその多彩な植物コレクションや園芸研究機関としての、庭園内には、デザイナー別に、異なるスタイルのさまざまなガーデンが広い敷地内に点在。(上の写真は、これまではツゲを使うことが多かったパルテール整形式庭園ですが、温暖化現象によってツゲへの害虫の発生率が高まって枯れるような事態も発生しています。そこで、新たなツゲの代わりになる常緑樹の研究提案の例がここ。でも、12月に行った時はライトアップの飾りがしてあってちょっと???
2024年に再構築されたピート・アウドルフ氏によるアウドルフ・ランドスケープ。
生物多様性に対するガーデンのあり方など詳しく説明もされています。
もちろん、イングリッシュ・ガーデンの最新例、今はナチュラリスティック・ガーデン、果樹や野菜のキッチンガーデン、野生の花が咲くエリア、温室、森林、池などがあり、それぞれに異なるテーマやスタイル、最新のガーデニングスタイルを最高のメンテナンスによって公開しています。
私にとっては、最大の学びの場所となって、 それ故、去年は合計3回にわたって訪問しましたが、まだまだ足りません。 私の中の特別な感動の元です。大げさに聞こえるかもしれないけれど生きていく活力のもとになっていると、言いたいほどです。30年ほど前とはすっかり印象が変わりました。それは、私が30年以上の園芸的スキルを重ねたこともありますが、21世紀に入って続々、チュルシーフラワーショーで活躍する新進気鋭のガーデンデザイナーを起用している点にもあります。
最初の写真、エントランスの脇から中に入って広がる景色。これはクリストファー・ブラッドレイホール氏の設計です。
やはりチェルシーフラワーショーにてグランプリをベストオブザガーデン賞をとっているデザイナーで、建築家でもありモダンデザインスタイル。1997年のチェルシーフラワーショーの番組をNHK BS2で制作した際に私がキャスターを務めさせていただき私もインタビューの機会がありました。その時に、氏が私が日本人であることで、即座に安藤忠雄氏を尊敬してるとおっしゃったのはとても腑に落ちた。確かにそうしたミニマルでモダンなデザインが、まだ、あの当時(1997年当時)はイギリスでは珍しかったのです。
というわけで、現代最先端のガーデンの提案。と言うところが、21世紀に入って特にウィズレーが進化した注目すべき点だと思います。
特に注目すべきは、サイエンスオブガーデニングのヒルトップ。このエリアを始め
教育プログラムやワークショップも開催されており、一般の方も、園芸に関する知識を深めることができます。
もちろんウィズレーの研修生の制度も。
王立園芸協会の庭、現在は、英国中に 5ケ所(2022年に、5番目のRHS BRIDGEWATER 完成)それぞれに素晴らしいガーデンですが、ウィズレーは、RHSガーデンの中でもいわゆる総本山的な存在。
『家と庭』個人の庭の範疇からさらに、園芸と造園の、あるいは、農業、林業、園芸そして科学の世界。『地球と植物』をも包括的に、しかも、そこにパワフルなデザインの力、アーツ&サイエンスのカルチャーが、香り高く加わっている点でも、世界最高の、ガーデナーにとっての学びの場なのだと私は思っています。
今年2025年も6月10日スタートのツアーで最初の訪問地に決めました。
また、しかし、マニアックな選択肢で個人の庭のパーミッションをなかなか取れずただいま、若干苦戦中です。チャールズ国王の庭もバスが近くを通るので申し込みをしてみようと、今月申し込みにチャレンジです。
長らく続けさせていただいてきた私のイングリッシュガーデンツアーは、バスの車内で私がガーデンの説明、講義をしながら、ガーデンまでダイレクトにコーチ。とにかく楽ですよー。
レンタカーを駆ってイギリス中を自由に走り回れる方は良いのですが、どの庭も大体、やはり不便な田舎にあるので、これがなんといっても個人で行くにはあまり簡単ではないというか。
最寄り駅からタクシーと言うのもそんなに簡単ではなく、日本のように、駅前にタクシーがいないから電話で呼ぶことになりますし。今はUberなどをうまく使う手もあるのでしょうけれど。(ウォータールー駅から電車に乗ったところ、ひとまず、ほっとして..オンラインでチケットを買うのにも一苦労してしまったので)
ちなみに駅で切符買えば良いのですが、オンラインで往復買うと断然安いのです。イギリスの電車事情、ものすごく遅れるし頻繁にキャンセルがあるしでも電車賃とても高いです。なのでオフピークと言う混んでいない時間帯の電車を往復で買うのが1番お得。6000円が3000円になったりするので。これはもう!
話が脱線しますが、私のイングリッシュガーデンツアーの計画は去年の8月から始めていて、これまた、飛び込みでは見ることのできない個人の庭も特別な許可を取ったり、一昨年のツアーではザニュートンサマセットの入場料あれはおそらく1人20,000円近かったと思います。もういちいち物価の高さに驚いてる場合では無いのですが、様々なことがプライスレスと言う結論になれば良いかもと、それがツアーの強みでもあります。そして唯一無二の体験はオーナーの説明、案内のリクエストをしたりと、やはりスペシャルです。団体旅行は嫌、と言う方もこれは全く意味が違うので、選び抜かれたガーデンに、効率よく、連れてってくれるのですから、やはり私も必ず参加したいと思うほどに、今年訪問すべきガーデンを調べに調べて、そして繰り返しの許可の申請は旅行社の方が頑張ってくれています。さて、しかし。個人で行く自由も良いものですよね。昨年はもうこれ最後かもと思って1人でレンタカーを借りてコッツウォルドを回りましたが、若干しんどかったです。
なので、イギリス(あまり評判の良くない)電車の旅!
ロンドンのウォータールー駅からもっとも効率の良い電車に乗って、時間通りに電車が発車してくれるようなら35分ほどの最寄駅は、サリー州のWorking からさらに車(タクシー)で30分強。公共交通手段で行きやすいと言えるウィズレーガーデン。
駅を出てすぐ前方右手にバス停が見えます。時刻表は以下の通り。
私は11時発のバスに乗りました。11時30分にウィズレーに到着。
時刻表をよく見ていただくと朝の9時と11時しかありません。夕方の便があるのはこの時、冬のライトアップのショータイムのためにこの便になっています。夏はもっと本数が多くなるはずです。詳しくはインターネットでチェックしてね。
とにかく、以前はレンタカーを借りてロンドンから走るか、この駅からタクシーがその移動手段でしたが、今は、ありがたいことに!本数は少ないですが、Working駅から、シャトルバスが出ています。これによって格段に、日本から来た私たちのような旅行者がウィズレーに行きやすくなりました。なのでイギリスに行くとしたらいっそう絶対に必ず訪ねてね!と思う次第。
それで12月のイギリス旅行でロンドンの街から電車に乗ってウィズレーを訪ねることも、実に簡単になり、実は昨年12月、ウィズレーには、2回訪ねましたが、1回目はこの近所に長年住んでいらっしゃる方に、駅まで迎えに来てもらって連れて行っていただき、2度目はバスで(確か乗車券は2ポンドくらいでした)。ロンドンから(この日の電車は35分くらいで到着)の列車が到着する時間に合わせてバスの出発時間があります。しかしこれ、時刻通りに出るとは限らないイギリスの電車、もし遅れると乗れなくなるので、ちょっとハラハラしました。
訪問者は、私のようにガツガツ庭の写真を撮ったりとにかく学びたい一心で貪欲に見て回るというより、家族でのんびり散策を楽しんだり、リラックスしたり、インスピレーションを得たりすることができるため、園芸愛好家だけでなく、デートの場所や家族連れにとって魅力的なスポットとなっています。
さらに、カフェやショップも併設されており、お土産のショッピングエリアも大充実!
RHSガーデンウィズレーは、まさに、草花、植物の素晴らしさ、ガーデンデザインの最高峰。そして、本来の園芸の素晴らしさを体験し、学ぶための素晴らしい場所です。
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