お庭からベランダ、エクステリアなどガーデニング回りをスタイリッシュに演出

 

専門家吉谷桂子のガーデンダイアリー ~花と緑と豊かに暮らすガーデニング手帖~

気温に合わせて生きていく!ダーウィン・ハイブリッド

吉谷桂子

_1000909.JPG

ダーウィンの進化論。の話ではなく、ダーウィン・ハイブリッドのチューリップの話です。(↑はままつフラワーパークにて。2014年4月25日)

過去10年以上の間、一度に数十種類、1万球程度を植える仕事をしてきました。たくさんのチューリップの選択肢はあるものの、それは早咲きから遅咲きまで。お値段が高い割にうまく咲かないチューリップとか、買いやすい価格でとても丈夫なチューリップがあって、それらを組み合わせる。

P1010938.JPG

組み合わせを考えるのに、数日がかかって大変でしたが、楽しい発見もいっぱいありました。まず、たくさんの選択肢から選んで、それがどのように咲くか。

IMG_1628.JPG

特に、以前は複雑な色調の黒っぽいのや斑入りやロココ調に複雑なフリルや模様のチューリップを選んでいましたが、(写真は11年前の星の王子さまミュージアムにて。珍しい感じのものを選んで)

最近はどのチューリップが丈夫か。ということが一層大切になってきました。

以前は、一度咲かせたチューリップは花が咲き終わると廃棄していたからです。今もそういったシチュエーションはありますが、多くのチューリップに、よく年の開花の保証がないので、毎年一定量を購入するのが当たりまえ。植えっぱなしにしていると、残る品種、残らない品種がまちまちになって年ごとに景色が乱れていくので、毎年定位置で咲いてくれないチューリップは、毎回 all clear で統一的な景色ができるようにしていく。

IMG_4425.JPG

キューケンホフの景色はまさにそれだと思いますが、さいきんは違ってきたかも。

IMG_4437.JPG

ドドーっと植えて、ワンシーズン扱い。....私は、それがどうも苦手で。

この写真を撮ったのは、2006年。大昔といえますが、このときも、こうした密植は、命がかわいそうに見えたし、毎年この後どうするのか心配になっていました。でも、今は、もう少しナチュラリスティックになっているかも。

462983DD-F4C4-4797-B4D3-6E8B408870FD.jpg

観光のためには、密植をして華やかに彩る必要があるのですが、中之条ガーデンズでは、自然風の庭を作っているので多少いろいろが混ざっても良いことにしています。ご覧の通りいろいろな種類がわりと気ままに咲いている。多少は制御していますが。さて、この春、嬉しかったのが///

IMG_5594.jpegのサムネイル画像

青山通りでは、3年前に植えたチューリップが今年もまた咲いています。それは、DH(ダーウィン・ハイブリッド)で丈夫な品種に絞っているから。このオレンジは、ワールドフェイバリット。実は同じ時期に3年前、黒いチューリップ、クィーンオブナイトも植えていますが、そちらはかなり衰退。花が寄せ合うようにみっしりと咲いているのは、チューリップが分球して密集しているから。この晩春には分球を株分しようかと)

IMG_5602.JPG

一言にチューリップといっても、さまざまな選択肢。植え方。考え方があって良いと思いますが、1ヶ月に一度、2時間程度の手入れで咲くチューリップには、エネルギーをもらえる感じがします。今年も、はままつフラワーパークの廃棄チューリップでDHの種類をもらって青山通りに植えたいと思っています。

IMG_5515.jpeg

今年初登場、私のデザインした庭では最新の、こちら、はままつフラワーパークのフラワーフォレストでは、やはり、DHのファンアイクが力強く咲いています。できれば植えっぱなしにして毎年お案じ品種を補強する程度にしたいけれど、そこは担当のヘッドガーデナー、小澤さんと相談して。

IMG_0791.jpeg

彼女が毎年作るほかのエリアのチューリップ大花壇はこれから見頃!すごい〜このボリューム。


■おすすめ特集

吉谷桂子

英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。7年間英国に在住した経験を生かしたガーデンライフを提案。さまざまなイベントや雑誌などに出演するほか講師を務め、著書も多数。また国際バラとガーデニングショウやレストランなどの植栽デザインを担当。2013年春にファッションブランド「Shade」を立ち上げた。


Instagram@keikoyoshiya 

Archives