「吉谷と行く究極のイングリッシュガーデンツアー」がおかげさまで、先日、無事終了しました。
英国の滞在先のWi-Fi事情もあって、なかなかブログが更新できず、恐縮です。
インスタは数分でアップできるのですが、やはりブログは数時間。(写真の縮小ダウンロードに始まって..)
これまでの過去3年間。海外旅行が難しかったわけですが、現在の、突然の諸経費値上がりには、
驚くばかりでした。それで今年の開催は難しいかもしれないと...厳しい予想をしておりました。
この1月には、どこへ行くか。開催の計画が始まっていたわけですが、私は単独で、すでに英国に行く計画をしました。
(とりあえず自分が英国に到着していて、みなさまをお迎えするスケジュールもありと考え、
あらかじめの予約を進めたのです)
とにかく、飛行機代、バスと運転手の全行程運賃、ホテル。また、特にロンドンの街の中心のホテル代!
(写真↑は、昔からよく見かけたフェンスのフラワーコンテナ。相変わらずアイビーゼラニウムがよく育ってきれい!日照時間と気温の関係で日本でこれは難しいけれど、イギリスではなんなく)
単独旅行初日は英国の友人と会うため、KEW GARDENS へ。伝統的な変わらぬ世界も押さえて
そして、新たな宿根草のボーダーもチェック。適地適草、ライト・プレイス、ライト・プランツの考え方の見本ボーダー。ただ、うまく育っていない箇所やデザイン上の失敗も多く見受けた。
余談ですが、あら!となったのがガーデンの入場料、日本円にすると5000円近いガーデンが普通でした。ちなみに、KEWは、24ポンド。ロンドンタワーの野草のガーデンを見るのに、25ポンド(その日のレートで、4750円)一瞬躊躇して入場しました。
非常に混んでいるタワーの中は入らなかったのですが、だいたいがそんな感じです。円安も痛かった。でもでも。過去3年行かれなかった分を取り返すように!
アレンジに奔走してくれた旅行社の皆さまも四苦八苦ではありましたが、なによりも
お集まりくださった22名のみなさまには
本当によくお集まり頂いた!と大感謝ばかりです。
金額のこともあり悩まれるのも当然です。
募集開始から24時間以内に満席となってしまい、常連の方のなかには、ウェイティングのまま
いらっしゃれなかった方々もあったので、申し訳ない限りでした。
(写真↑は、ツアー初日に大感動だった、RHSブリッジウォーターにて.絵になるメンバー)
もっと早く告知を開始したかったです。でも、英国側の返事の遅れも大きくて。あちらも旅行関係は今人手不足のようですが、旅行は大ブーム。
そして、今回の訪問先のイングリッシュガーデンは、もしかすると
初めてイギリスの庭を訪ねる方にとっては、従来のイメージと異なるかも知れない
新型の庭がほとんど。伝統あるガーデンでも、新たな新設箇所がまさにポストコロナの時代に、完成した庭ばかりだったので、不安もありました。
12年前のツアーで、ナチュラリスティックの庭の理解がまだ進まない時期。オランダのピート・アウドルフ・ガーデンが、グラスが目立ってあまり花がなく、この庭のどこが良いのか質問を受けたことがあったからです。質問された方も偉くてこの質問が私には参考になりました。
(写真↑は、前半でひとりで滞在していたロンドン市内。ナイジェル・ダネット氏設計のバービカンセンター。「きゃあかっこいい!」と、喜んでいるのが私ひとりだったら、やっぱりマズイと不安でいっぱいでした。)
この写真は、25CANON ST、トム・スチュアート=スミス、デザインの庭。
ロンドン市内、今までにないほど、宿根草の公共ガーデンがあちらこちらに増えています。
サステナブルな都市生活に欠かせなくなっているのが、こうした新しい宿根草の庭。と断言できる。
ツアーの内容も当然、新しい宿根草の庭、新・宿根草主義、ナチュラリスティック・ガーデン
ピート・アウドルフの影響が大きいのでダッチ・ムーブメント、プレイリー・ガーデンなどなど
呼び方も微妙にさまざまですが、とにかく、そんな新しい庭をめぐる旅で。
2019年の夏に開催したツアーでは、もう最後になるかもしれないと公言していたのは、
何か予感のようなものがあったから。
今回もご参加の方に「あの予言は当たりましたね」といわれましたが、まさか、パンデミックは想像していなくて、いわゆる20世紀型のイングリッシュ・ガーデンから、今後は、サステナブルな21世紀型の庭に変わっていくだろうと確信はありましたから、昔ながらのバラとデルフィニュームの庭は減っていくだろうし私たちも温暖化や生物多様性の示唆のある庭を見ていきたいと思っていましたので。
故に、2019年のツアーは、20世紀初頭から変わらないクラシックなイングリッシュ・ガーデンも
見て、(これが見納めという気持ちで)そして、最新の庭も見て。
といったコンビネーション型のガーデンセレクトもできましたが
今年は、ほぼ、新型に絞っていくような形をとった。
今見るべきと見学候補を、バラが中心のコテージガーデンで見学したいと思う目的地はなかったので、
古風なイングリッシュ・ガーデンが変わらず好きだと思う方にとってはどうなるか少し心配でした。
ところが、初日からその不安を吹き飛ばす。
お集まりいただいた皆さまのニーズとのズレは、ほぼなかったと。特に、初日に訪ねた
RHS Bridgewater ブリッジウォーター RHSガーデンブリッジウォーター
は、バスが駐車場に入ってそこから見えている景色だけでも、ワクワク、ドキドキ!でした。
同じ世界を同じように共感できるチームのような感じで、今までのツアーでも最多、私➕22名様が素晴らしくまとまりの良いグループになったような感じでした。そして、いつも楽しい笑い声
RHSのガーデンは現在五ヶ所、ウィズレー(サリー)、ローズムーア(デヴォン)、ハイド・ホール(エセックス)、ハーロウ・カー(ノース・ヨークシャー)に続く、最新の5番目です。
昔のRHSの庭は学究的要素が強く、デザインの点では普通に植物園といった印象もありましたが、デザイナーの見事な采配で、しかも、栽培面でも一流なのですから、もう、これ以上の庭はないと思われます。
それが、2021年5月オープンのブリッジウォーターです。
マスタープランは、今、私がもっとも、注目するガーデン・デザイナー。21世紀最高のコンテンポラリィ・ガーデンと称されるブロートン・グランジの成功からみるみる間にスターダムの、
トム・スチュアート=スミスによる広さ154エーカー(約0.6平方キロ/東京ドーム13個強)の16のガーデンエリアを持つ広大な庭です。
ランドスケープ・デザインとそれぞれの植栽のディテールの両方が、とにかく美しい!勉強になる。
ただ新しいだけでなく、ここは歴史のある土地で、1840年、今の金額で10億円以上をかけて建設された貴族の館、ワーズリー・ニューホールでした。その邸宅と同じくらいの大きさの庭園も50年ほどかけて作庭され、ビクトリア女王他王族も訪問される権威のある館でしたが、その後大戦時は軍の施設や病院になり、持ち主が去った後は荒廃し火災にあい、最終的に100年の歴史に幕を閉じて取り壊されたそうです。
なので、メインの屋敷の姿はないけれどもウォールド・ガーデンの壁や脇に残る建物に伝統の質感を感じます。土地そのものにも何か、特殊なエネルギーがあるのではないでしょうか。
(!写真の斜めを直す時間を惜しんでのせてしまいます)
その跡地にできたのが、RHSの5番目となる庭。
2017年、計画許可が与えられパンデミック中の2021年完成。それを知った2年前。
(↑まだ造成中のエリアもあり)
これはもう!行ってみたいとずっとソワソワしておりましたが、完成から2年目の今年、宿根草も鑑賞に完璧なサイズに育って、それはもう!美しい姿で、さすがの植栽デザインでした。
トム・スチュアート=スミス、デザインの↑ワースリー・ウェルカムガーデン
ムーン・ブリッジウォーターの制作で出土した土をこの庭で再利用。
迷路のようなレイアウトは上空から見るとキリンの模様のよう。
2019年のチェルシーフラワーショウでVisit Britainがサポートし、ここのフィーチャーガーデンを作成。
その時に使われた赤茶色の鉄製のアーチを含め、多数の植物がそのままこの地に移動されたそうです。
こちらは、もっとも感動を呼んだ、トム・スチュアート=スミス、デザインのパラダイスガーデン
初期の庭園からインスピレーションを得て、パラダイスガーデンは地中海、アジア、アメリカの植栽を見事にブレンド。
庭園の中心には睡蓮の池、周囲には 89 個の個別の植栽床があり、27,000 株が植栽。
池の両側には、ヨークストーン舗装とブナのピラー。
特注の木製ベンチは、立ち止まり熟考し、雰囲気を満喫し、緑豊かな植栽を楽しむ場所を提供。
庭とは本来そのためにあるものだと気づきたい。この日、急遽予定を変更、開園から閉園の時間までをこの庭で過ごすことに。
生物多様性や持続可能性も考えられた、キッチン・ガーデンも美しかった!特にポリネーションの考え方。
さて、これから少しづつ。今回のイングリッシュ・ガーデン・ツアーのすべてをこちらにおさらいしていきたいと思いますが、写真の枚数、動画も入れてなんと7000枚!(ええっ??)
訪問したガーデンも、ツアー中は、十ヶ所を目標にしていましたが、ちょいちょい増やしたり、私も個人的に行ける場所を周りましたので、二十ヶ所は超えていると思います。
Instagramでは逐次アップしていましたが、到底詳しくは書けないので8月までの間を使って今イギリスに起きている変化も含め、ご報告をしていきたいと思います。
引き続き。よろしくお願いもうしあげます!
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