お庭からベランダ、エクステリアなどガーデニング回りをスタイリッシュに演出

 

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心配なことが多く、先が見えない状況ではありますが、花は必ず咲いてきます。みなさまは

いかがお過ごしでしょうか。

私は完全防備で新幹線に乗って、三日間、浜松に行って参りました。

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今年、はままつフラワーパークは開業50年を記念して、さまざまな企画、イベントが目白押しです。

そのなかのひとつ、この写真は、イギリス、ウイッチフォードポタリーのジム・キーリングさん作の「Five Elements 」のインスタレーションです。

先日、ジムさんから送られてきた原稿をもとに、最初の翻訳=白井法子さん経由、吉谷で訳したもので、簡単にご説明を。

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*右から順に、 Earth, Water, Fire and Air, with the fifth immaterial element Aether

「地」「水」「火」「風」「空(くう)」の配置。ちなみに、最後の Aether

エーテルの翻訳が難しいけれども、ここでは、天空を略して「空(くう)」としました。

近代、文章は左から読むし物事の配置も左から始まるのが普通ですが、古代ユークリット、古代ヨーロッパの配列は右からだったとか。それから、ここの水の流れ。右に上流あり。

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数日前のこのセッティングの日に、私はいなかったのですが、池の基礎は沼のようにずぶずぶとなり、とても大変だったそうで、ユンボが沈みそうになったりと。

でも、よくぞ、設置していただきました。実は、一昨年、岡山県備前市で展示されたジムのこの作品を写真で見て、

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フラワーパークのこの場所に、このFive Elementsをインスタレーションしたら、きっと素晴らしいはず!と、つい、思いついてしまい、フラワーパークの塚本理事長に提案をしたのが1年前。

その後トントン拍子に話が進んで、去年の秋、ジムさんもフラワーパークを訪ねました。

Five Elements  by Jim Keeling

In ancient times, the world was seen as made up of five elements - the four material elements of Earth, Water, Fire and Air, with the fifth immaterial element Aether both containing and contained within all the other elements - the archetype of primal unity.

古代から万物は 5つの要素で構成されるとみなされてきました。

マテリアルの要素「地」・「水」・「火」・「風」に、加え、無形の要素「空(くう)」が加わったもので5つ目の要素「空」は、

全ての要素を含む「万物の素 (原型)」とされる。

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長年に渡って続いてきた、ジムさんの自社ウイッチフォード社の植木鉢と日本との友好関係。
そこで日本の穴窯に出会ったジムさんが、たちまちその特性に魅了され
導かれた作品が、この陶芸彫刻「ファイブ エレメンツ」だったのです。
「地」・「水」・「火」・「風」の4つが穴窯作...、5番目の要素、「空(くう)」は、
ガラスの鏡張りで表現されています。
見る角度や光の反射でさまざまに変化する作品は何度眺めても飽きず、ずっと眺めていられるものに
アートが与えてくれるならではの、麗しいメディテーション効果を感じます。
これもサイト・スペシフィック・インスタレーションとして、光や風を楽しむ時間を目的に
おいでいただけたら嬉しいです。

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ジムさんは、ケンブリッジ大学の考古学科を卒業後、イギリスの古典、伝統的な植木鉢の制作をずっと続けてきた陶芸家としての人生の中で、全体、共同体としての自分、それはおそらくウイッチフォードポタリーの作家、経営者として、そして、個人、アーティストとしての自分の両立を目指してきました。ひとりの陶芸熟練職人として、アーティストとして、自分が育った英国という伝統の中で、何がその本質であり普遍かを探求しながら、異国の文化や技術とも調和しながら、今は日本の陶芸技術や粘土、創作のダイバーシティも絡めて、新しい時代に訴える精神性を感じていただけたらと思います。

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フラワーパークの園内、天気の良い日は園内の至る所に気持ちの良い景色が広がりますが、今は至る所に春の花が咲き始めています。

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また、今年の新しい超目玉、私がデザインした新しい庭が、フラワーパークのメイン箇所に完成。

とても珍しい白いフジのパラソル仕立てのあるホワイトガーデンです。

こちらは、私がこの1年間、ずっとガチでデザインを詰めてきた新しいデザインでさまざまなノウハウを詰め込んであります。

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塚本こなみ理事長が育ててきた最高のフジが植栽されました。

世界でも、大変に珍しいパラソル仕立てのフジ。そのためのパラソル支柱も、私のデザインです。

満開になったら、パラソルから下がる白フジが見事な景色になると思います。

見てみたいですよね〜〜〜!新幹線が微妙なら今度は4時間、車を運転していきます!

でも、お近くの方はぜひ!晴れた日の夕方はひとも少なく眺めは最高のはずです。

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この1月から植栽を始めて、今回もまた数百株を植栽。

そのフジを囲むように複雑に構成された白基調の植物たち。

まだ最終カウントができていないのですが、1000株を軽く超えるホワイト・ガーデンの植栽設計です。

かなり長期にわたって頑張って参りましたが、この複雑な植物発注に、めんどくさくて細やかな対応ができるフラワーパークのスタッフさんの優秀さにも支えられてきました。本当に優秀なのだ。

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全部が満開になったら凄い!はずですが。まだ今年が1年目でもあるので、今後、先々を楽しみに

していただけたらと!

マッスプランティングが基本ですが、宿根草のなかに球根を入れたり

季節の開花タイミングの異なる花を組み込んだりしています。

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パラソル。そして、背景には、こなみ理事長作の虹のトンネル。今、満開なのは、ラナンキュラス・ラックス。1月からずっと咲いていたので、フジの開花のゴールデン・ウィークまで持つかどうかちょっと心配ですが。

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後藤みどりさんにアドバイスをいただいた白バラをいくつか植えました。

(病害に強く繰り返し咲きの白バラ)まだ隙間が大きいので、その株間には、春咲きの球根類をいろいろ植えています。ここでは白いカマッシア。

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こちらは、毎年多くの花の植え替えがある、スマイルガーデン。株間も美しく(これでぎっちり隙間なく咲くのですからドキドキします)球根、宿根草、一年草が順調に育っています。こちらには、エレムルスなどの珍しい球根もいっぱい植わっています。

今ようやく芽がでてきました。

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4月上旬はこんな感じになります。

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デザイン以外にも、見た目の修正の点でやるべき事は、限りなくあるのですが、やりきれていなかったワトソニアの株分け。今ならまだ間に合うかな。株分けで増えた分は、別の場所に植えてワトソニアの植栽地を拡大させました。冬は常緑で丈夫なので土留にもなるし、人が花壇に入って球根を潰さないように立ち入り禁止の柵がわりにもなります。

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ここ数年、力を入れて取り組んでいるのが、芝と花壇のエッジの仕上げです。

はっきりしないエッジを美しいラインにして、それを随時、維持するのはなかなか大変な事です。

ここも(左外側カーブ)ちょっと変でしょう。

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ここのラインを美しいカーブに修正を。そして!

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4月下旬には!(今年はいつもよりも少し早そうです4月27日〜あたりを目標に。

空気の良いはままつフラワーパーク。車の移動なら広々とした景観を楽しみに、お近くの方はぜひ羽を伸ばしに遊びにきてくださいまし!見ないともったいないです!


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吉谷桂子

英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。7年間英国に在住した経験を生かしたガーデンライフを提案。さまざまなイベントや雑誌などに出演するほか講師を務め、著書も多数。また国際バラとガーデニングショウやレストランなどの植栽デザインを担当。2013年春にファッションブランド「Shade」を立ち上げた。


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