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専門家「風景」をつくるガーデニング術

我が家のつるバラ誘引風景2021冬 【後編・中庭編】

居場英則

前回、我が家のつるバラ誘引風景2021冬【前編・前庭編】と題し、今年のつるバラ誘引風景の一部を

ご紹介させていただきました。

今回は、その続き【後編・中庭編】と題して、我が家の中庭へとお招きします。

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こちらは、前編からの続きで、我が家の前庭、玄関アプローチ正面に見えるガラス扉です。

ここのガラス扉を抜けると、建物に囲われた中庭へと続きます。

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ガラス扉を開けて中に入ってすぐに見える風景がこちら。

右側にサンルーム、左側が母屋、そして正面の小さなオープンスペースが中庭です。

向かって右側が方位でいうと南になるのですが、隣接建物が接近しているため、

特に冬場の太陽高度が低い時期は、ご覧の通り、ほぼ日陰となる、バラを育てるには厳しい場所です。

左側サンルーム側から、大型のつるバラ、ピエール・ド・ロンサールを誘引しています。

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中庭を入って、前庭方向を振り返るとこのように見えます。

向かって左側がサンルームで、そのガラスの壁面を使って、大型のつるバラ、ピエール・ド・ロンサールを

誘引しています。

いつもは、もう少し枝数が少ないのですが、今年は通路の上の枝を低めに設定し、

咲かせる面積をかなり広げました。

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再び、中庭方向を振り返って見たアングル。

左側の建物足元に見える、テラコッタ鉢を埋めた花壇を「ランウェイ花壇」と称しているのですが、

そこにシュラブ樹形のイングリッシュローズやクレマチスなどを植栽しています。

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ランウェイ花壇を、中庭側から前庭方向に見たアングル。

室内から中庭が良く見えるように大きなフィックスガラスが嵌っていますが、その手前に木杭を立て

つるバラを誘引しています。

右側から、メッシュフェンスに誘引したイングリッシュローズのテス・オブ・ダーバー・ビルズ、

木杭を使って誘引した、同じくイングリッシュローズのスピリット・オブ・フリーダム、

そして、淡い黄色の花を咲かせるつるバラ、ギスレーヌ・ドゥ・フェリゴンデを雨樋を使って誘引しています。

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こちらは、「ランウェイ花壇」の足元。

地面に埋め込んだテラコッタ鉢に、シュラブ樹形のイングリッシュローズ、

宿根草のブルーサルビア、鉢植えのクレマチス、地植えのつるバラなどを

並べています。

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こちらは、玄関ドアの向かって右側の小さなスペース。

こんな狭い場所にも、つるバラを4本、誘引しています。

メッシュフェンスに誘引しているのは、レイニー・ブルー、

レーヌ・ドゥ・ヴィオレットを誘引。

奥の方から、手前の常緑樹のソヨゴの枝を支柱に使って、

つるバラのスペクタビリス、古いイングリッシュローズの

メイヤー・オブ・キャスターブリッジを誘引しています。

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こちらは、中庭正面、和室に面したウッドデッキスペース。

その隅から、雨樋を伝わせて大型のつるバラ、スパニッシュ・ビューティを

誘引しています。

小庇に取り付けた雨戸隠しの木製ルーバーフェンスを使って誘引しています。

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少し引いて、全景を見たのがこちら。

実は、この大型のつるバラスパニッシュ・ビューティは旺盛で、

シュートをどんどん出すのですが、誘引する場所が狭く、

そのほとんどを切っていたのですが、今年は少しアイディアを出して

庇の上にワイヤーを張り、それを足掛かりにして、誘引面積を広げました。

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こちらが、下から見上げたアングル。

誘引面積が大きくなり、春の花数も倍近く増えるのではないかと考えています。

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こちらは、南側の隣地境界側の木製フェンス。

建物が張り出している関係上、狭い通路上のスペースなのですが、

この場所も有効活用して、つるバラを誘引しています。

この黒い木製フェンスには、手前から古いイングリッシュローズのスワン、

オールドローズのマダム・イサーク・ぺレール、スペアで作った挿し木の

カーディナル・ヒュームを地植えして、誘引しています。

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その中でも、マダム・イサーク・ぺレールは巨大化して、

新しいシュートも多数出たので、その一部を空中に誘引して雨樋に固定。

アーチ状に咲かせるよう、実験的な試みをしています。

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この通路部分の庭を奥から見たところ。

こんな狭い空間にも、壁の両側に植えれる限り、つるバラを植栽、

誘引しています。

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右側の建物の壁面には、シャンテ・ロゼ・ミサト、すみれの丘という

つるバラを地植え。

昨年までは、鉢植えで育てていたのですが、水遣り等、管理を考えると

やはり地植えした方が良いだろうとの判断で、今年地植えしました。

雨樋間にステンレスワイヤーを張って、それを足掛かりに、

枝をクロスさせるなどし、何とか誘引しています。

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隣地境界の木製フェンスの中庭側には、古いイングリッシュローズの

スワンを誘引しています。

白から淡い黄色い花を咲かせるので、黒く塗ったフェンスと

コントラストの美しい風景となります。

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ERスワンの手前、以前植栽していた高木・シラカシの枯れ木を

オベリスク替わりにして、イングリッシュローズのジェーン・オースチンを

誘引しています。

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こちらは、中庭の中央、隣地境界のブロック塀で、建物外壁と同じ、白い割り肌調の大理石タイルを貼っています。

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その壁面を正面から見たのがこちら。

向かって左側には、バラを始めた当初からここを定位置としているつるバラ、カーディナル・ヒューム、

向かって右側には、イングリッシュローズのヘリテージを誘引しています。

植え替え待ちのテラコッタ鉢が並んでいますが、中央の特異な形をした三段積みのテラコッタ鉢は、

信楽で見つけた植木鉢。

以前はよく作られていた鉢だそうですが、今は作っているところがなくなってしまったらしく、

店頭に朽ち果てたように置かれていたのを譲り受けたものです。

穴から花が顔を出すように植栽し、積み重ねられるため、面白い演出ができそうです。

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こちらは、中庭のシェードガーデン。

南側に隣接する建物の陰になるため、最も日陰のエリアで、地面にはギボウシやツワブキなどの

日陰に強い植物をグランドカバー的に植栽しているエリアです。

このエリアの隣地境界フェンスにもつるバラを誘引していて、右側のレオナルド・ダ・ヴィンチの

枝替わり、アントニオ・ガウディ、左側の木村卓功さん作出のダフネを誘引しています。

日陰のため、花数は少ないですが、どちらのバラも毎年きちんと咲いてくれます。


これで、中庭もぐるっと一周回ってみました。

如何でしたでしょうか?

我が家の前庭は西向きのガーデンで、昨今の地球温暖化の影響か、西日など条件が厳しく、

花期もとても短いように思います。

また、中庭は南向きですが、隣接建物の影響で日陰の庭となり、バラを育てるには厳しい条件です。

このように、我が家の庭は、都市部の狭い庭にありがちな厳しい条件下ではありますが、

その中でもいろいろ工夫を凝らしながら、つるバラの風景をデザインしています。

これからつるバラの誘引作業をされる方にとって、何かの参考になれば幸いです。

また、今年も春の開花の状況もご紹介したいと思っています。

そちらも楽しみにしていただけましたら嬉しく思います。


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居場英則

『進化する庭、変わる庭』がテーマ。本業は街づくりコンサルタント、一級建築士、一級造園施工管理技士、登録ランドスケープアーキテクト(RLA)。土面の殆どない庭で、現在約120種類のバラと、紫陽花、クレマチス、クリスマスローズ、チューリップ、芍薬等を育成中。僕が自身の庭を創り変える過程で気づいたこと。それは、植物の持つデザイン性と無限の可能。そして、都市部の限定的な庭でも、立体的な空間使用、多彩な色遣い、四季の植栽の工夫で、『風景をデザインできる』ということ。個々の庭を変えることで、街の風景も変えられるはず…。『庭を変え、街の風景を変えること』が僕の人生の目標、ライフワーク。ーー庭を変えていくことで人生も変えていくchange my garden/change my lifeーー

個人ブログChange My Garden

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