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専門家「風景」をつくるガーデニング術

ネットでオープンガーデン2024「京北・香りの里/六ヶ畔・花簾庭(京北バラ園)」その2(品種紹介編)

居場英則

ひとつ前の記事で、今年2024年の京北バラ園(正式名称:「京北・香りの里/六ヶ畔・花簾庭」)の

オープンガーデンの様子をご紹介しました。

今回はその続編として、京北バラ園に植えている代表的なバラの品種紹介をしたいと思います。

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京北バラ園と言えば、こちらの「バラの滝」が有名です。

バラ園のすぐ横を流れる上桂川にある堰を流れ落ちる水をバラの花で表現したエリアです。

ここには、群星と群舞という2種類のつるバラを組み合わせてデザインしています。

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こちらの淡いピンク色の花が咲くつるバラが、「群舞」。

小さな花が房咲きする品種で、刺がなく、とても扱いやすい品種です。

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こちらは、白花のつるバラで、「群星」。

ところどころにピンクの色が混じっているのが見えますね。

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白と淡いピンクの2種類の兄弟品種を組み合わせて、この風景を作っています。

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棚田の段差(約50センチ)+植え込み花壇(約50センチ)で、1mほどの段差を作り、

上の段から、手前に枝垂れて咲くように仕立てています。

手前のレンガブロック敷きの園路の前に、降り注ぐように配置しているのですが、来園者が通る道ですので、

刺がないことが品種選定のポイントであり、かつ枝垂れても咲くという特性が求められました。

白い群星と淡いピンクの群舞をランダムミックスすることで、堰を流れ落ちる水が光り輝くように見えるのを

2種類のバラの花で表現しています。

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こちらは、ひとつ前の記事(京北バラ園2024・その1)でも少し紹介させていただいたつるバラで、「安曇野」。

もともとは、後方の木製の低いフェンスに誘引するつもりでここに植栽したのですが、

数年前からヘッドガーデナーを担っていただいているロコ子さんのアイディアで、

球体仕立て(ドーム仕立て)で誘引してもらっています。

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家形パーゴラ(東屋)の奥の方に見えるのが、この安曇野の球体仕立て。

とてもボリューム感があって、来園者の目を惹きます。

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横から見るとこんな感じ。

多花性の安曇野ならではの特徴的な仕立て方です。

来園者にとても人気のあるスポットです。

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こちらは、安曇野の球体仕立ての奥、低い木製フェンスに誘引しているつるバラゾーンで、

写真左手のピンク色のバラは、オールドローズの「マダム・イサーク・ぺレール」。

我が家でも育てているバラですが、我が家では1,2を争う早咲き品種ですが、京北では早咲きも遅咲きも、

ほとんどみんな同じ時期に咲くのが不思議です。

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こちらも、同じくい低い木製フェンスに誘引しているオールドローズのつるバラで、「ウィリアム・ロブ」。

細かく密集した刺が特徴的で、それがゆえに誘引がとても大変なのですが、

咲くとオールドローズらしい風情がとても素敵な品種です。

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こちらは、駐車場側の高い木製フェンスに誘引しているつるバラで、「ダフネ」。

京北では、獣害(主に鹿)が発生するため、バラ園の四周を高いフェンスで囲っています。

国道に面した駐車場側には、美観上を考慮して、茶色く塗装した木製フェンスを設けています。

この写真の裏側が駐車場で、方向でいうと南になります。

なので、誘引したつるバラも、光を求めて、上へ上へとツルを伸ばし、その先端に花を咲かせます。

特に、このダフネというつるバラは、ステムも長く直立性なので、塀の上の方に集まって咲く傾向にあります。

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こちらが、そのダフネの花です。

房で咲き、ひとつひとつがフリルのように波打った花弁が特徴的です。

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こちらも、駐車場側の高い木製フェンスに誘引しているつるバラゾーンで、

このエリアは色鮮やかなイングリッシュローズを中心につるバラを集めたエリアです。

手前の黄色いつるバラは、「モーバンヒル」。

株元の両側に翼を広げるように大きく成長しています。

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黄色いモーバンヒルの隣が、鮮やかなシャーベットオレンジの花が咲くつるバラで、「サンセットグロウ」。

イングリッシュローズではありませんが、その花色の鮮やかさは、イングリッシュローズと並べても遜色なく

強香なフルーツ香も相まって、来園者にとても人気のあるつるバラです。

花持ちが悪く、すぐに散ってしまいますが、またどんどん花を咲かせるので、とても魅力的です。

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このサンセットグロウも、当初に植えたバラですが、だいぶ大きくなりました。

今年も、このサンセットグロウの誘引は、僕が担当させてもらいました。

南を背にした木製フェンスですが、株元に近い下の方から咲かせることができました。

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こちらが、サンセットグロウの花のアップです。

まさにシャーベットオレンジ色で、どのバラよりも目立っています。

花形も少しフリルがかって、とても可愛らしいです。

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こちらは、八連アーチの一番手前。

右側にライラック色(薄紫色)のつるバラで、「マニントン・マウブ・ランブラー」。

左に濃い紫色のつるバラ、「ブルー・マジェンタ」を誘引しています。

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こちらが、「マニントン・マウブ・ランブラー」。

小輪・房咲き品種のつるバラで、色が珍しいライラック色でとても目立ちます。

とてもよく咲く品種で、おススメです。

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こちらは、マニントンの反対側にいる「ブルー・マジェンタ」。

ブルーというより、濃い赤紫色の花です。

少し遅咲きで、他のつるバラと微妙に花期がずれてしまいますが、今年はそこそこ合っています。

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こちらは、アーチの奥の方に植栽しているつるバラで、「パレード」。

大輪品種で、鮮やかなローズピンクが目を惹きます。

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こちらは、オールドローズゾーンに植えているつるバラで、「紫玉(しぎょく)」。

実は、我が家で育てていたバラなんですが、大きく成長しすぎて、我が家では持て余すようになったため、

京北バラ園に移植させてもらいました。

名前からも分かる通り、日本のバラですが、ここ京北バラ園は、「里山風景に調和する和の趣きのバラ園」を

デザインコンセプトに掲げていますが、そのコンセプトにぴったりのバラです。

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我が家では壁面に誘引していましたが、京北バラ園では、自然樹形のまま

開帳型に仕立ててもらっています。

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こちらも、オールドローズのつるバラで、「シシングハーストキャッスル」。

その1でも紹介しましたが、岩を乗り越えて流れる水をバラの花で表現する

仕立て方で咲かせているバラのひとつです。

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こちらも、同じく岩を乗り越えて咲かせる仕立て方で誘引しているオールドローズのつるバラで「イスパファン」。

オールドローズらしい、楚々とした風情の花が素敵です。

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こちらも、オールドローズゾーンに植栽しているバラで、「プリュム」。

コロンとした、まん丸い花形が特徴的なバラです。

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こちらは、オールドローズの一角に設けたモダンローズエリアに植えているバラで、「カインダブルー」。

花色が藤色で、どことなく「和」を感じさせるバラです。

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こちらは、「ラデュレ」。

我が家でも育てている品種で、鮮やかなオレンジ色の花色が特徴的です。

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こちらは、「和バラ」コーナーに植栽しているバラで、「薫乃」。

とても香の良い品種で、来園者にもよく香を嗅いでいただくバラです。

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こちらは、家形パーゴラの壁面に誘引しているイングリッシュローズのつるバラで、「コンスタンスプライ」。

早咲き品種で、ピークを過ぎていましたが、まだ辛うじて咲いてくれていました。

イングリッシュローズ第1号という、記念碑的なバラで、僕も大好きなバラです。

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京北バラ園で咲いていた代表的なバラをご紹介しましたが、如何でしたでしょうか?

今年のオープンガーデンは終了しましたが(秋はオープンガーデンをしておりません。)、

是非また来年の春、京北バラ園に足を運んでいただけましたら幸いです。

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【 京北・香りの里 六ヶ畔・花簾庭(京北バラ園)について 】

■住所:京都市右京区京北比賀江町口烏谷(くちからすたに)

2024年(令和6年)・オープンガーデン情報

   開催期間:令和6年5月25日(土)、5月26日(日)、

            6月1日(土)、6月2日(日)、6月8日(土)、6月9日(日)の限定6日間

   開園時間:9:00~16:00 

   駐車場:あり 

※ 「維持管理協力金」についてご協力のお願い

  当園は個人の私庭であり、有志ボランティアにより維持管理されています。

  昨年度より、入園されるお客様から、お一人様500円の「維持管理協力金」をお願いしております。

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居場英則

『進化する庭、変わる庭』がテーマ。本業は街づくりコンサルタント、一級建築士、一級造園施工管理技士、登録ランドスケープアーキテクト(RLA)。土面の殆どない庭で、現在約120種類のバラと、紫陽花、クレマチス、クリスマスローズ、チューリップ、芍薬等を育成中。僕が自身の庭を創り変える過程で気づいたこと。それは、植物の持つデザイン性と無限の可能。そして、都市部の限定的な庭でも、立体的な空間使用、多彩な色遣い、四季の植栽の工夫で、『風景をデザインできる』ということ。個々の庭を変えることで、街の風景も変えられるはず…。『庭を変え、街の風景を変えること』が僕の人生の目標、ライフワーク。ーー庭を変えていくことで人生も変えていくchange my garden/change my lifeーー

個人ブログChange My Garden

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