2021.5.21 / DIY
前回、我が家のガーデンで自作した(DIYで作った)パーゴラのレポート記事を書かせていただきましたが、
今回は、その続き第2弾として我が家の中庭のサンルームのDIYリフォームについて書かせていただきます。
我が家のガーデンは、前面道路に面したオープン外構の「前庭」と、建物に囲われたプライベート空間としての
「中庭」、主にこの2つのガーデンで構成されています。
その中庭に面して、母屋とは別棟のサンルームがあります。
実は、サンルームとは名ばかりで、普段は自転車やバイク置き場、ガーデン用品を置いているなかば倉庫のような
空間ですが、中庭に面し、ガラスの壁面でつながっていますし、前庭から玄関アプローチを通って、
中庭にある玄関へとつながる場所でもあるので、「見せる空間」としての役割も持っています。
数年前、庭でつるバラを育て始めた間もない頃、一念発起してこのサンルームを自分の力でDIYリフォームしました。
実は、ディノスさんのこの担当コーナーでも以前、少しこのサンルームのDIYについて書いているのですが、
(ご興味があれば、バックナンバー「遊び心を取り入れた、中庭のアクセントとなるサンルーム」をご覧下さい。)
誌面の都合上、その当時は、ほんの障りだけしかお伝えできませんでしたので、
今回は、製作当時を振り返って、より詳しく、こだわりや施工上のポイントなどをご紹介できればと思います。
ご覧いただいている皆様方の庭づくりの何か参考にしていただければ幸いです。
さて、我が家のサンルーム、20数年前に新築した当時は、外壁に使っていた
サーモンピンク色の左官仕上げの、何もない退屈な空間でした。
新築工事の際に余った一枚の棚板を使って、大工さんが棚を作ってくれただけの空間でした。
その後、この棚板周りに収納スペースを作りたいと思い、
ホームセンターで売っている集成材を用いて、箱型の収納家具を作りました。
単純な形でしたので、DIY素人の僕でも簡単に作れてしまいました。
一旦組んだものを分解し、パーツごとに、既存の棚板の色に合わせて塗装しました。
それを、既存の棚板に接合する形で組み立てています。
あっという間に出来上がりました。
当時は、上の棚部分には、多肉植物を植えた可愛らしい鉢をリズミカルに並べたりして楽しんでいました。
増設した収納棚には、剪定ハサミや手袋、液肥や活力剤などの園芸用品を収納するのに使っていました。
(写真が汚くてお恥ずかしい限りですが、当時のものはこの写真しか残っていないので。)
しばらく、この状態が続いたのですが、だんだんこの風景に飽き足らず、もっとカッコよくならないかと
いろいろ雑誌やネットを見ながら自分の力量でできるDIYの作業イメージや仕上がりのイメージを膨らませました。
何とかリーズナブルに、それでいてそこそこ見栄えのするデザインに変えられないかと悩んだ結果、
サンルームのサーモンピンクの壁面に、青く塗装した板を張るプチリフォームを行うことに辿り着きました。
思いついたら吉日、善は急げとばかりに、早速に材料を買い集め、試作品を作ることにしました。
壁に貼る板は、フローリング材として売っていた、節のある杉の木です。
フローリング材なので、相じゃくりがある薄い材料です。
色がポイントなので、実際にペンキを購入して、この杉板に塗って見ることにしました。
参考にしたのは、園芸家の難波光江さんの著書で『バラの庭づくり』(世界文化社刊)という本。
画家でもある難波光江さんが、ご自宅の庭で「パリブルー」という独特の「青」色を塗ったベンチや工作物、
鉢などを紹介されているのですが、その本の触発され、僕も自分好みの「青」を作ってみようと思ったのでした。
難波さんの「パリブルー」には、青の他に少量の「ピンク」が混じっているそうですが、
試しに、そのピンクをブルーに混ぜてみました。
杉板に試し塗りをしてみたのがこちら。
植物の緑との相性もチェックしたくて、多肉植物のシルバーグリーンの葉に
合わせてみたり、いろいろ試してみました。
塗り重ねたり、薄く塗って木目を出した方が良いかもとか、試行錯誤を繰り返します。
概ねの色の方向性が固まったところで、本番です。
ホームセンターで購入したフローリング用の杉板は、必要なサイズにホームセンターで切ってもらいました。
なので、今回もパーゴラのDIYの時と同様、一切、電動のこぎりを使いませんでした。
前庭の駐車場をペンキ塗りの作業場にして、一枚づつペンキを塗っていきます。
まずは、ベースとなる既製品のペンキの中から「ターコイスブルー」(もしくはスカイブルー)を選びました。
サンルームは屋内なので、防腐用の塗装ではないため、選べる色のバリエーションも多いです。
まずは、ターコイスブルーを単色で塗ったところ。
順次、乾かしていきます。
続いて、今度はベース色のターコイスブルーに淡いピンク、そして試作にはなかったオリーブ色を混ぜます。
三色を混ぜるとこんな感じになります。
オリーブ色を多めに配合しているので、全体としてはほぼオリーブ色なのですが、三色混ぜていることで
ひとつ上の写真と比べてみるとよくわかりますが、単色のオリーブ色より深みが出ています。
それをターコイスブルー単色で下塗りした板材に塗り重ねていきます。
下の木目を殺さないよう、なるべく薄く塗り重ねていきます。
最初から三色混合したもので一気に塗るのではなく2層に分けて薄くグリーンの色をラッピングするような感じです。
こうすることで、杉板の木目も残しつつ、単純なベタな色でもなく、
塗りムラのある好みの色「ブルーグリーン」を表現しました。
塗り重ねた板を壁に立てかけて乾かしているところです。
光の当たり方でだいぶ変わりますが、とても奥行き感のある奇麗な色に発色してくれました。
ようやく材料の下準備が整い、これからが本番です。
表面に貼る板材の他に、下地となる胴縁(どうぶち)材もホームセンターで所定のサイズに切ってもらいました。
まず、この壁面に取り付けてある棚板とDIYで増設した収納棚(箱)を一時的に撤去します。
あとからDIYで増設した収納棚(箱)は、組み立てたのとは逆工程で、分解していきます。
最後に、L字金物で強固に取り付けられていた棚板も撤去して、何もないサーモンピンクの左官仕上げの壁だけに
なりました。
この壁面もこの日が見納めとなりました。
まず、ブルーグリーンに塗装した化粧板を貼るための下地となる胴縁材を壁に取り付けていきます。
実は、これが想像以上に大変な作業でした。
左官仕上げの壁の下地は、コンクリートブロック。
この固い壁に木製の胴縁を取り付けるために、振動ドリルを使って穴を開ける必要があるのです。
これがとても大変でした。
大きな壁面に横に流すように胴縁材を何本も取り付けたのですが、途中で何度も気持ちが折れそうになりましたが、
何とか全て取り付けることができました。
壁面の中央部の三か所の下地は、棚板と収納棚(箱)を取り付けるためのものです。
ここまでできれば、あとは簡単です。
左から、こだわりのブルーグリーン色に塗装した板材を胴縁に張り付けていきます。
ブルーグリーンの板材はもともとフローリング材なので、
相じゃくりがあって、その部分を被せるように張り進んでいきます。
何とか壁面全体に化粧板を張ることができました。
写真は中庭から見た全景です。
サンルームの中庭側はガラス張りになっているため、今回サンルームの内壁に張ったブルーグリーンの板が
良く見えます。
ブルーグリーンの化粧板をサンルームの奥の内壁に張りつめた様子です。
細かい部分の粗さはありますが、素人施工の割には、うまくできた方ではないでしょうか?(笑)
今度はまた逆の手順で、この化粧板の壁面に、棚板とそれに接続する収納棚(箱)を取り付けていきます。
何とか全行程、完了しました。
思った以上にキレイにできて満足です(笑)。
向かって右側の壁面は、竣工当時と同じ、サーモンピンクの左官仕上げの壁面のままにしています。
こうすることで、奥のブルーグリーンの壁が一層引き立つからです。
この時、サンルームのガラスの内側(室内側)にも鉢植えのつるバラを実験的に誘引していましたが、
日当たりも風通しも悪く、バラが弱ってきたので、すぐに取り外しました。
サンルームの外側(中庭側)には、大型のつるバラ、ピエール・ド・ロンサールを誘引しています。
ガラスの壁面に誘引することはあまりないと思いますが、サンルームの内側から誘引の様子も見れて
なかなか面白い風景になります。
こちらが、完成後、サンルームをデコレーションしている時の様子です。
数年前に実施したオープンガーデンの際の、休憩所というかドリンクコーナー的に使っていた時の写真です。
我が家のサンルームは、建物とは別棟の半屋外スペースで、前庭から玄関アプローチを抜けて、
中庭へと続く動線に面した場所にあります。
中庭と空間的につながる半屋外ならではの我が家のサンルームは、視覚的に一体感のある演出が可能です。
中庭には、多くのバラを植栽していて、とても鮮やかなガーデンですが、
今回DIYで製作したブルーグリーンの壁面が、アクセントになり、より庭を引き立てているように思います。
前回、今回と2回に亘ってレポートしました我が家のガーデンDIY、いかがでしたでしょうか?
専門工具もほとんど持たない、素人同然の僕でも、うまくホームセンターやネットショップを活用すれば、
ある程度のプチリフォーム、DIYをすることは可能かなと思います。
誠にお恥ずかしい内容ですが、多少なりとも皆さんの庭づくりの参考なれば幸いです。
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