2016.1.26
「亡き妻を偲ぶ追悼の庭」をつくろうと思い立ち、つるバラを中心にした庭づくりを始めて、まる3年が経ちました。バラ栽培もガーデニングも全くの素人同然で始めた我が家のバラの庭ですが、年を重ねるごとに鮮やかな春の風景を彩ってくれるようになりました。
悲しみを癒す「追悼の庭」から、今ではガーデニングが生き甲斐になるほど熱中し、まさに、「人生を変える庭」へと変わりつつあります。
ボクの庭づくりのコンセプトを一言で言うと、「風景を創るガーデニング」。
ひとつひとつの花の美しさも素敵ですが、それが「群」となって建物や庭と一体となり美しい「風景を描く」こと、それがガーデニングの醍醐味ではないでしょうか?
今回、ご縁があって、こちらにボクの庭づくりについて書かせていただく機会をいただきました。これまで試行錯誤しながら庭と向き合ってきた中で、何か少しでも参考にしていただけることがあればと思っています。どうかよろしくお願いいたします。
まず、記念すべき第1回目は、我が家の庭のダイジェストです。
● 建物の外壁を使う「壁庭」
バラを始めて3年目の我が家の前庭です。成長力の強いつるバラを使えば、大きな壁面を覆い尽くすダイナミックな風景を短期間でつくることができます。建物と一体化することで街並み風景も豊かになります。
●庭を立体的に使う
玄関アプローチを俯瞰で見た写真です。建物の壁面だけでなく、隣地境界のフェンスや壁面、花壇や鉢植えなど、庭を構成するありとあらゆるものを使って、立体的な庭をつくっています。
●庭を区分して、エリア毎の特徴をつける
こちらは中庭。前庭が壁面につるバラを誘引したダイナミックな庭とすると、こちらの中庭は地植えのシュラブローズや鉢植えの木立性のバラを使った「秘密の花園」のような空間。庭を分節化して、エリアごとに性格を変えると、庭に変化が出て面白いです。
●庭を俯瞰(見下ろしのアングル)で考えてみる
中庭を2階から見下しで見た写真です。目線を変えることで見えてくる発見があります。ウッドデッキテラスにデッキチェアを置くことで、庭にフォーカルポイントをつくれます。また、バラだけでなく、高木や宿根草の緑も借景として活用しています。
●遊び心を加える
こちらは中庭に面した半屋外のサンルーム。ちょっとしたガーデングッズや多肉植物などの置き場として、またオープンガーデンをする際にお客様にドリンクを飲んでいただくスペースとして活用しています。ブルーの板張りもDIYで制作・設置しました。
●好みのバラを見つける
バラを始めて3年で、約100品種近いバラを育てています。色や形、香りといった要素だけでなく、花期を合わせたり、クレマチスなどの他の植物との相性、誘引する構造物との相性なども考慮しながら、好みのバラを探すのが楽しみです。
●鉢植えで楽しむ球根植物
バラの咲く期間は一年のほんの少し。バラの咲くシーズン以外も庭を楽しむために、様々な植物を育てています。土の部分が極端に少ない我が家のガーデンでは、テラコッタ鉢を多用して、チューリップや水仙などの球根植物を育てています。この際、テラコッタ鉢の色や形を揃えることで、統一感のあるスッキリとした風景をつくれるのでオススメです。
●多彩な宿根草とガーデン資材を合わせる
こちらは、前庭のロックガーデン。趣きのある丹波石を自分でランダムに積み上げ、その岩の間に青紫色の花が咲く、宿根草のアジュガを植えています。石やレンガなどのガーデン資材をうまく吟味して植物と合わせると、植物を引き立てることができます。
●地植えと鉢植えを並べることで、植栽のボリュームアップを図る
こちらは、前庭の玄関アプローチ。バラが終わった6月は、玄関先を彩る鮮やかな「紫陽花の小径」に早変わりします。鉢植えと地植えの紫陽花を並べて見せることで、限られた地植えスペースの植栽にボリューム感を付加しています。
●夜の風景を楽しむナイトガーデニング
夜桜ならぬ、「夜薔薇」を楽しむナイトガーデニングです。効果的に照明を当てることで、幻想的な夜の庭も楽しむこともできますよ。
このように、庭を「風景化」するアイディアや、自分なりのバラやその他の植物の育て方などガーデニングのポイントやディスプレーの仕方、ガーデニング雑貨や土・肥料などのグッズについても紹介していけたらと思っています。今後ともよろしくお願いします。
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