2024.4.15 / 県立奈良高校・創立100周年記念・中庭プロジェクト
僕の母校である、県立奈良高等学校の創立100周年記念事業でつくる中庭プロジェクト。
徐々に出来上がっていく中庭の様子を、ランドスケープアーキテクトの視点でご紹介しています。
昨年(2023年)夏に始まった奈良高校・創立100周年記念の中庭工事も、いよいよ最終段階を迎えました。
今年1月中旬に高木の植栽工事を終えていますが、今回は、その後の中低木の植栽工事(2月)に続き、
奈良高校のOBOG有志を中心に実施した、宿根草の植栽ワークショップ(3月)の様子など、
中庭の最終の仕上げについて、レポートしたいと思います。
こちら↑は、このブログで何度もお見せしております、奈良高校の創立100周年記念事業の中庭の完成予想図。
創立100(百)周年に掛けて、「百花繚乱」という植栽コンセプトを立て、多様な植物が、季節ごとに香り咲くよう
高木のみならず、中高木、宿根草を選定しています。
ガーデンデザイナーとしては、完成時点で、このCGパースに近い風景をつくりたいと思うのですが、
工事予算の関係もありまして、実際に植栽できた高木類は当初計画よりだいぶ小さなものになってしまいました。
この完成予想図のような、緑に囲まれた中庭の風景になるには、あと5~10年程度は掛かるかもしれません。
とは言え、少しでも緑豊かな中庭風景をつくれるよう、高木の他に、中低木、ならびにグランドカバープランツ
(地被類)や宿根草にもこだわって品種を選んでいます。
【 2024/2/19(月) 低木植栽工事 】
まずは、2月中旬のこの日、中低木の植栽を行いました。
実は、1月に植栽した高木が、中庭の空間の広さに対し、やや貧弱だったのが気になって、
一本一本の樹木の大きさが小さいのなら、小さい樹木(数年経てば成長して大きくなりますが。)でも
数を増やせば、それなりの密度感にできるだろうということで、
植栽予算の中からやりくりして、5万円ほどの予算を捻出してもらいました。
その予算で、僕が自身が近くのホームセンターや園芸店を回って、セールになった
樹木など、リーズナブルなコストで買える樹木をたくさん仕入れてきました。
大小合わせて、26本の高木を調達しました。
家庭の庭に植える大きさの樹木ですが、中には樹高3mを超えるものもあり、
それなりに戦力になりそうです。
ホームセンターや園芸店で仕入れた樹木は、一旦、僕の自宅で預かり、
中低木の植栽工事日に合わせて、造園業者さんに引き取りにきていただく
ことにしました。
中低木植栽工事の日(2024/2/19)の朝、造園業者さんが、ピックアップしてくれるということで
我が家に立ち寄ってくださいました。
奈良高校の中庭ですが、前回の高木の植栽工事を2024年1月11日に実施してから、約1ヵ月が経ちました。
床のタイル工事石張り工事、プラトン・アリストテレス立像後方のR壁へのタイル張り、
インターロッキングの敷設工事など、仕上げ工事がほぼ終わり、概ね植栽を残すのみといった段階になってきました。
高木植栽の時に比べると、中高木の植栽本数は多いのですが、植栽のサイズは小さいので、
トラック一台にコンパクトに載せられて現場に到着しました。
西側のアプローチには、巨大なアーチも設置されていますので、トラックは中庭までは入ることができなくなり、
手作業で荷下ろしして、中庭中央へと植栽資材(中低木)が運び込まれます。
中庭の中央広場のタイルの上にシートを広げて、そこに本日植栽する中低木を並べてもらいました。
それをどの位置に植栽するか、概ねは図面上で決めてははいるものの、現場の状況(高木の位置、大きさなど)を
見ながら、その場で、ここに植栽してくださいと、即断即決で場所を指定し、職人さんに指示を出していきます。
職人さんが複数いらっしゃるので、ほぼアドリブでどんどん決めていかなければなりません。
しかもこの日は雨模様で、どんどん雨が強くなる予報だったため、まだ小降りのうちに植栽してしまいたいので
時間との闘いになりました。
中庭のそれぞれのエリアに中低木を間配って、いざ植え付けが始まりました。
職人さんたちが手分けして、どんどん植栽されていきます。
作業の途中から、雨も降り出してきたため、カメラで写真を撮っている間もなく、どんどん指示していきます。
職人さんたちのチームワークで、あっという間に、中低木の植栽工事は終わりました。
職人さんたちが後かたずけをして帰られたあと、中低木が植えられた中庭を見て回り、問題がないか、
配置に狂いはないかなどのチェックを行いました。
落葉樹が多かった高木類に対し、中低木には、常緑樹も多く混じっているので、少し緑量が増えた感じがします。
生駒石のベンチ周辺の植栽スペースにも、低木もシモツケなどを植栽しています。
楕円形のスタンドベンチの後方、植栽ゾーンにも、高木の足元に、低木類を植栽しています。
このあたり(中庭北側ゾーン)は、日当たりが良いため、花の咲くシャクナゲ、ツツジ類を植栽しています。
こちらは、楕円形のスタンドベンチの外側。
北東の角エリアですが、スタンドベンチをつくるために、盛り土が約1mされていますが、
その外側が元に地盤面(level 0)になります。
この三角地帯にも、大株のユキヤナギを2株植栽しました。
こちらは、校舎東館1階の中庭へのアプローチの昇降口付近です。
東西南北を守る四神でいうと「青龍」にあたる場所になりますので、この石張りの斜めの擁壁部分には、
青い花の咲く、クレーターレイクという園芸品種のツツジを多数、植栽しました。
こちらは、南東の角地。
校舎南棟の影になる場所で、このエリアに日が差すのは、午後から夕方の一時で、
中庭の中では一番、環境条件の悪い場所になります。
ここには、日陰にも強いセイヨウアジサイ・アナベルを植栽しました。
中高木の植栽工事が完了して、残すは草本類(いわゆる草類)の宿根草やグランドカバープランツの植栽だけに
なりました。
この楕円形のスタンドベンチの内側のフラットな部分の土の部分にも、植栽を植える予定です。
ここには、芝生の代わりに、踏み圧にも耐え、びっしりと地下茎で広がってくれるクラピアという植物を
植栽する予定にしています。
校舎の上から、中庭の全景を撮影してみました。
まだまだ新緑が出始めるまで時間が掛かりますので、緑が感じられない中庭ですが、
あと少しで待望の春がやってきます。
こちらは、中庭を西側2階レベルから見たアングルです。
こちら側は、少し緑量を感じられるような植栽配置となっています。
【 2024年2月29日(木)】
この日は、楕円形の中庭の2つある「焦点」のひとつに、学生と一緒にワークショップで製作した「羅針盤」と
呼んでいる石板プレートの設置セレモニーが開催されるということで、学校に寄せていただきました。
セレモニーまで時間があったので、先日(2/19)に植栽した、中低木の植栽配置を、現地を見ながら、
図面の中にプロットしていきました。
合わせて、この日は、植物への自動潅水を行うための工事が行われることになっていまして、こちら↑が、
その自動潅水のホースの敷設図面です。
楕円形に盛られた土面の等高線に沿って、散水用のホースが設置される予定です。
実は、自動潅水は重要で、公園などでは自動潅水装置がないところも多く、植物を植えて1年目の夏越しができず、
立ち枯れてしまうことも多々あります。
今回の奈良高校の庭では、学校の庭という性格上、常時メンテナンスができるわけではないため、
当初から自動潅水設備をいれていただく計画としていました。
自動潅水のためのホースが、盛土の斜面の同じ高さに沿って敷設されているところです。
こちら側の斜面にも、等高線に沿って、設置されていきます。
生駒石の岩がランダムに配置されたロックガーデンエリアにも、自動潅水用の黒いホースが、間配られていきます。
うまく、生駒石を避けながらも、樹を植えた場所に的確に潅水できるようにホースを配置してもらっています。
こちら側のロックガーデンエリアにも。
北西角のモミジ・ツツジゾーンにも、自動潅水ホースが設置されました。
このあたりは、最も日当たりが良い場所になりますので、水枯れが懸念される場所です。
自動潅水装置が設置されると安心です。
楕円形のスタンドベンチの足元にも、自動潅水ホースが引き回されています。
この時点ではまだ植物を植えていませんが、この後、このスタンドベンチの足元にも、
グランドカバープランツのクラピアを植栽する予定にしています。
自動潅水工事のチームの方々です。
概ね、敷設完了した模様です。
西側アプローチの巨大アーチの両側の盛土部分にも自動潅水ホースが設置されました。
実は、自動潅水ホースが設置できないエリアがあります。
それは、楕円形んもスタンドの内側のアリーナ部分の植栽スペースです。
タイル張り以外の土の部分には、グランドカバーのクラピアを植栽予定ですが、ここには自動潅水ホースを
持っていくことができないため、手動でホースでの水まきをしていただかなければなりません。
同様に、生駒石のベンチ周辺の植栽スペースにも、自動潅水ホースを引き込めませんでしたので、
こちらも手動で散水していただくことになります。
石ベンチの後方のロックガーデンエリアには、自動潅水ホースが張り巡らされているのですが、
手前の石ベンチ周辺の植栽スペースには、自動潅水ホースを持ってくることが出来ませんでした。
ある程度、根が張ってくれると、地植えなので、鉢植えに比べると水遣りの心配も軽減されると思います。
【 2024年3月19日(火)】
いよいよ中庭工事も大詰めです。
翌日の宿根草の植栽工事を実施する日の前日、宿根草の現場への搬入、間配りを行いました。
この日に備えて、協力いただいた植栽業者さんの温室に、宿根草を見に行き確認をしたり、
希望する品種の宿根草の調達が難しい分をどうするかといった、打ち合わせを何度も行ってきました。
植栽業者さんで調達が難しい、珍しい宿根草については、僕の方で、ネット通販で個別に注文をかけて全国各地から、
お目当ての宿根草を仕入れました。
(それらは一旦、僕の自宅で保管して、植栽前日に現場の高校の中庭へと持ち込みました。)
そして、宿根草植栽工事の前日、現場へと、全国各地から取り寄せた宿根草が持ち込まれました。
それらの宿根草(全部で約120種類、約3,000株)を、中庭の中央広場に広げたブルーシートの上に並べました。
さすがに、3,000株というと、結構な株数になります。
これらの宿根草の品種と、株数に間違いがないかチェックをした上で、植栽するエリアごとに間配っていくことに
なります。
宿根草のチェックをしている間に、植栽業者さんが、植栽用の培養土を、各エリアごとに間配りを
して下さっています。
かなりの数で、これも結構大変な作業でした。
それぞれの植栽ゾーンに、植え付け用の培養土が置かれています。
スタンドベンチの間にもまんべんなく配置されています。
一番植栽のバリエーションと株数の多い、ロックガーデンエリアにも、間配られました。
次は、植栽業者さんに間配っていただいた培養土の袋を破って、土を広げる作業です。
ここからは僕一人でやることに...。
植栽業者さんの作業手間を減らして、その分、少しでも多くの植栽を購入する予算に回したためです。
何百袋の培養土の袋を、ひたすら破って、土を巻いていく作業を延々を行いました。
明日は、宿根草ワークショップを実施する予定で、十数人の助っ人が来てくれるのですが、この日は僕ともう一人、
宿根草の選定や宿根草のレイアウトをお願いしている友人との2人作業でした。
意外と土面は多く、土をばらまくだけの単純作業ですが、なかなか終わりません。
明日の宿根草ワークショップを効率的に行うためには、前日のこの日のうちに、培養土を撒いて、
その後、その上に、植え付ける植物を間配りしなければならないのです。
こちら↑は、一番土面の多い、ロックガーデンエリアです。
ここが終わると、だいぶ終わりが見えてきます。
生駒石のベンチ周辺の植栽スペースにも、培養土を混ぜていきます。
プラトン・アリストテレス立像の後方、R壁の足元にも、植栽スペースを設けているので、
そちらにも培養土を投入していきます。
3時間くらい、お昼ごはんも食べずにずっとこの単純作業を続けました。
概ね、培養土を撒く作業は終わりました。
まだこれから、宿根草の配置(間配り)をしなければなりません。
いよいよ中庭中央に陣取っている、約3,000株の宿根草を、植栽イメージと照らし合わせながら間配りしていきます。
これが大変なんです。
机上(図面上)で計画していたのと、実際の現場ではいろいろイメージも違っていますし、現場を見ながら、
植物の配置を微調整しながら変えていく作業も同時並行で行っていきます。
まずは、大きな面積を占めるグランドカバープランツのクラピアをケースごと間配ります。
スタンドベンチの間にも植栽するので、そちらにも間配っています。
こちらは、中庭へのアプローチ(昇降口)付近です。
三角形の石張り擁壁の足元にも小さい幅の植栽スペースを設けています。
ここにも、ギボウシ、フッキソウ、ツワブキなどの宿根草を、配置していきます。
横から見ると、こんな感じ。
植物の配置の順番も考慮しながら、宿根草のポットを並べていきます。
このあたりは、一番大変なゾーン。
ロックガーデンエリアには、多種多様な宿根草をランダムに配置する計画となっています。
何百というポットを並べると、なかなか壮観ですね!
どんな風に風景がつくれるか、ドキドキしながらの作業はしんどくも楽しいです。
殺風景だった生駒石のベンチ周りにも、宿根草のポットが配置され、それらしくなってきました。
プラトン・アリストテレス立像周りの植栽スペースにも、間配りました。
西側アプローチ、巨大アーチの両側のモミジゾーンの足元にも、多くの宿根草のポットが並びました。
このあたりは、僕のお気に入りのモミジ+ツツジゾーン。
その足元にも、多彩な宿根草が配置されました。
楕円形のスタンドベンチの外側、高木が林立する足元にも、宿根草を配置して、高木の足元にも色とりどりの
宿根草が咲き乱れるように計画しています。
夕方、日暮れ前になって、ようやく中央広場に並べた宿根草もなくなりました。
こちらは、宿根草の選定(品種選び)、宿根草の配置デザインを担当してくれた有本さん。
宿根草は、僕よりはるかに詳しいので、彼女のセンスを信じて、宿根草の風景デザインをお任せしました。
【 2024年3月20日(水祝)】
この日は、中庭工事の最後の仕上げ、宿根草の植栽を行いました。
100周年記念の中庭の主要なパーツ「羅針盤」(石材プレート)を、在校生(学生)とのワークショップで制作した
ので、最後の仕上げは、卒業生、そして学校の教職員の先生方の有志を募って実施したかったのです。
学校側、施工者に、事前の了解を得て、ようやくこの日に実施することになりました。
実は、この日、朝から嵐のような天候で、作業を実施すべきか悩んだのですが、予備日に設定していた
週末の土曜日も雨の予報だったため、この日の予報で雨の降らない時間帯(4時間ほど)を狙って
実施することにしました。
今回の宿根草植栽ワークショップに参加してくれたのは、僕の同級生有志と、後輩の同級生有志12人。
作業前、雨が降って泥だらけになる前に、記念写真を撮影しました。
後輩が、「祝・奈良高校 創立100周年」のプラカードを作ってくれたので、とても映えますね!
参加メンバーの笑顔がとても素敵で、とても気に入っている一枚です。
まずは簡単なエリアから。
女性陣には、フラットな中央広場のクラピアゾーンから植え付けに着手してもらいました。
昨日、事前に各ゾーンに撒いていた培養土(黒い土)を、混ぜ込みながら植え付けをしてもらいました。
最初の記念撮影には参加できなかった、僕の同級生の先生方も植え付けに合流してくれました。
奈良高校のOGで、新聞記者をされている後輩も、植栽ワークショップに参加しながら、取材もしてくれました。
中庭の四隅にある、楕円形の外側エリアは、盛り土が露わになったエリアで、かなりの急こう配の土面に
宿根草を植栽します。
こちらは、少し危険を伴いますので、男性陣に作業をお願いしました。
このエリアには、シャガ、グレゴマ、ユキノシタなどの宿根草を植え付けていただきました。
こちらは、多彩な宿根草を植え付ける、少し難易度の高い、ロックガーデンエリアです。
悪天候で試合がなくなったみたいで、野球部の顧問の先生が、助っ人として野球部のマネージャーさんを
手伝いに呼んでくださいました。
教職員の先生方も、何人か参加してくださいました。
寒い中、本当にありがたいです。
作業も佳境になってきました。
ロックガーデンエリアには、大きな生駒石が点在し、その合間に、高木、中低木などが多数植えられています。
さらにその隙間を縫って、宿根草を植え付けていくことになります。
植え付ける植栽も、細かくレイアウト(配置)されていますので、その指示に沿って、
皆さん植え付けて行ってくださっています。
途中から、悪天候で練習を切り上げた、野球部のメンバーも18人、庭作業に加わってくれました。
ガーデンでユニフォーム姿の野球部の選手が植え付け作業を行っているという、とても珍しい風景になりました。
この頃になると、奈良高校の卒業生OBOGに加え、教職員の先生方、現役の野球部の選手、マネージャーなど
総勢40名ほどがガーデンで作業をしていて、一気に作業が進み始めました。
普段、植物の植え付けとかしないだろうと思う、野球部の選手たち、マネージャーさんたちが、
恐る恐る植物を植えている姿は、何だかとても微笑ましく見えました。
ロックガーデンに野球部!
なかなか見れない組み合わせがとても面白かったです。
途中から、僕の同級生がもう一人加わって、男性陣も急斜面地の植栽を頑張ってくれました。
こちらにも、野球部の助っ人が...。
新旧の奈良高校生が植栽作業を通じて交流していて、とてもいいなぁと思いました。
「このあたりに、この植物をこんな感じに植えといてください。」、とかなりアバウトな指示を出しても、
彼らは自分たちで考えて、前向きに頑張ってくれていました。
最後のひと踏ん張りで、一気に3,000株の宿根草の植え付けが完了しました!
スタートから約3時間半、寒風吹きすさぶ中庭で、長時間の作業に関わっていただいた皆さん、
ありがとうございました。
最後に、宿根草ワークショップに参加いただいた皆さんと一緒に、プラトン・アリストテレス像の前で記念撮影!
卒業生、現役生、教職員の先生方の力が重なって、最後の仕上げが出来たこと、本当に良かったです。
100周年記念の中庭整備プロジェクトのフィナーレを良い形で終えることができました。
この日は、雨が降る前に作業を終えようということで、昼ご飯抜きで、9時~13時近くまで、
休みなくぶっ通しで作業をしていただきました。
本当なら、新しい中庭で交流したり、もっといろいろやりたかったのですが、
寒空の中で皆さん身体が芯まで冷え切ってしまったと思うので、この日は一旦これで解散といたしました。
解散したとたん、雨がしとしとと降ってきました。
雨が降る前に、植え付け完了できて本当に良かったですし、植え付け時間の間だけ雨が止むなんて、まさに奇跡としか言いようがありません。
この日も休日出勤でサポートして下さった施工会社の現場監督さんと一緒に、土で汚れたタイルの広場を清掃して、キレイにしました。
その後、本日の宿根草の植え付けした後の様子を写真に撮っておきました。
楕円形のスタンドベンチの間(足元)や、広場の土のスペースにも、芝生がわりの「クラピア」を植えました。
まだまだ土の面しか見えませんが、半年もすると、全面を覆って緑のカーペットのようになるのではないかと
楽しみにしています。
日陰ゾーンにも、修景(風景をつくる)ために、シャガの群生地を作ったり、
雑草対策で斜面をびっしりカバーしてくれる斑入りのグレゴマを植えたり、
最も日陰のエリアには、耐陰性の強い常緑のハランなどを密植しました。
中庭北西の角エリアのスタンドベンチからロックガーデンへのつながりと、
プラトン・アリストテレス立像方向の見え方です。
ここも、まだまだ土のイメージしかありませんが、しばらくすると緑に覆われて、雰囲気が出てくると思います。
こちらは、僕がこの中庭で最も気に入っている、モミジ&ツツジエリアです。
秋には様々な葉色に紅葉し、春にはいろんなツツジが色とりどりに花を咲かせるはずです。
その足元にも、多彩な宿根草が咲き乱れて、とても素敵になるはずです。
そして、西側通用口へのアプローチに設置した、高さ4.5mの巨大アーチ。
このアーチの両側から、2本のつるバラ(アルベリックバルビエ、ERモーヴァンヒル)を誘引しています。
巨大アーチを、西側通用口から見たところ。
このアーチの両側に誘引している2本のつるバラは、知り合いの園芸家にお願いして長尺苗まで育ててもらいましたが、それでもまだまだ小さいのです。
ですが、3年もすると、この巨大アーチを覆いつくすほど大きく育つはずです。
その時には、圧巻の風景になると思います。
中庭の北西角、楕円形の盛土の外側ですが、この辺りは日照条件も良いのですが、
中庭の中央からは盛土や高木のため、ほとんど見えないのですが、校舎の上(教室や廊下)からは良く見えます。
ここにも、植栽を施して、風景をつくるために、奈良高校の生物の先生が個人的に育てておられた
宿根草のアガパンサスを株分けして、全体的に植栽しました。
ここも将来的には緑に覆われると思います。
こちらは、その反対側、中庭の南西角です。
こちらは、校舎南棟の影響で、ほぼ陰になるゾーンです。
そのまま何もしないと、雑草の温床になってしまうため、こちらのも耐陰性があり、雑草対策にもなる
旺盛に茂る宿根草として、ハランを密植しています。
右側中央の濃い緑色のハランは、我が家の庭から掘り上げて供出したものです。
その周りの今回の植栽工事で調達したハランで覆いつくしています。
こちらは、巨大アーチの反対サイドから見たところ。
ちょうど、プラトン・アリストテレス立像の後方にあたる場所です。
写真が切れて、少しわかりにくいですが、右側のR状になったコンクリートの壁面が、プラトン・アリストテレス立像を
包み込むようにした壁面です。
その壁面にも、当初計画がなかったつるバラを植栽できるよう、植え穴を掘ってもらい、つるバラを誘引するための
ビスを打ち込み、ステンレスワイヤーを張ってもらいました。
そこに、我が家の庭から供出した2本の赤い花のつるバラ、バロン・ジロー・ドゥ・ランとフロレンティーナという
バラを誘引しています。
無機質なコンクリート壁に赤いつるバラが咲くと、きっと美しい風景になると思います。
こちらは、アーチの向かって左側。
ここもアーチ右側と同じ、様々な品種のモミジを植栽しているエリアです。
鉄骨の屋外階段の存在を軽減するために、このエリアには、常緑の高木を意図的に植栽しています。
高木の足元の宿根草も、最も多彩なシーンを作ってくれるエリアです。
こちらは、生駒石の位置ベンチ周辺。
中央広場に一番近い特等席となる石ベンチ。
そこに木陰をつくるように、高木のアオダモとシャラの木を植栽しています。
石ベンチの足元にも、クラピア、フッキソウ、ギボウシ、ツワブキ、クリスマスローズなどの宿根草を
植栽しています。
写真左端が、中庭のちょうど南側のセンターにあたる場所です。
ここには、クリスマスツリーにもなる針葉樹のプンゲンストウヒ・ホプシーという、葉が青い木を植えました。
そのホプシーの周りにも、日陰でも美しい葉ものの宿根草や、様々な色どりを見せる宿根草を植栽しています。
完成した中庭をぐるっと一周してきました。
写真ではよく分からないかもしれませんが、小雨の中で撮影しているので、少し薄暗い感じですが、
もうすぐすると新緑が芽生え、様々な植物が花を咲かせてくれるはずです。
これまで、工事関係者の皆さんはじめ、教職員の先生方、現役生、卒業生OBOGなど、様々な方々の支援をいただき、
ようやく創立100周年記念の中庭が完成しました。
本当にありがとうございました。
次回は、また新緑の頃、新1年生も加わった奈良高校の学生が、生き生きとこの中庭で躍動するシーンなどを
お伝えできればと思っています。
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【 奈良高校・創立100周年記念事業について 】
今回の奈良高校・創立100周年記念の中庭プロジェクトは、50年前の創立50周年の時と同じく、
OBOG(卒業生)をはじめとした、様々な方々の寄付によって創られる事業になります。
「奈良高校 100周年記念特設サイト」も、2023年9月1日よりオープンしております。
[ 奈良高校 100周年記念特設サイト] は、こちら ⇒ 奈良高校 創立100周年 (narahs100th.jp)
創立100周年を機に、ますます発展する奈良高校へご支援いただけましたら幸いです。
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