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専門家「風景」をつくるガーデニング術

清流の源を訪ねて ~長野県白馬村・姫川源流自然探勝園~

居場英則

ここ2,3年ほど、長野県白馬村で、スキーリゾート(コテージが並ぶビレッジタイプのリゾート施設)の

ガーデンプロジェクトに関わっています。

このガーデンプロジェクトでも、結構面白いことをやっているのですが、

それはまた別の機会にご紹介させていただくとして、現場のある白馬村近郊の自然景観やガーデンなどの

ご紹介をさせていただこうと思います。


まず第一回目は、1ヶ月ほど前(2023年6月末)に立ち寄った、「姫川源流自然探勝園」(姫川源流・親海湿原)を

ご紹介したいと思います。

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「姫川源流自然探勝園」は、白馬村から隣町の信濃大町へと向かう国道148号線に隣接した場所にあります。

一級河川の源流としては、国道や民家に近い場所に湧水群がある、大変珍しい場所で、

長野県の自然環境保全地域に指定されています。

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国道148号線沿いの駐車場に車を停めて、案内看板に従って「姫川源流自然探勝園」(姫川源流・新海湿原)へと

入っていきます。

木製チップを敷き詰めた道は、自転車の進入は禁止されていますので、サイクリングで訪れる場合も、

自転車を置いて散策する必要があります。

「熊出没注意」という看板も掲げられており、恐る恐る森の中へ入りましたが、

朝の涼しい時間帯に散歩される方も多く、すぐ何人かの方とすれ違いましたので、ちょっと安心しました。

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森の中を進むと、少し視界の開けた場所に出ました。

森の向こうには、北アルプスを望む田園風景が広がっていました。

このあたりが、姫川の源流域らしいのですが、意外にも人の暮らしのすぐ近くに源流があるのです。

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森の斜面に遊歩道が整備されています。

この写真の左下方向に、源流があります。

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遊歩道の展望台のような場所から、「姫川源流」を見下ろしたところです。

春には、歩道脇にミズバショウが咲いたり、清流にゆらゆらと揺れるバイカモが咲いたりするそうです。

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姫川源流域をぐるっと回る遊歩道を進むと、源流が湧き出す水辺へと近づけます。

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こちらが、姫川源流の「西流」あたり。

こんこんと湧き出す水辺に水生植物が繁茂しています。

フレッシュグリーンがとても鮮やかな、美しい風景です。

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一番太い「西流」と「南流」「東流」がひとつになって、「姫川」として流れていくあたりです。

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まさに、大地から湧き出した水が、一筋の流れとなって「川」へとなっていく場所がこちらです。

このあたりには、春になると、白馬村の村花でもある「カタクリ」のピンク色の花も咲くそうです。

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「姫川源流」は、その美しい水辺の環境により、昭和60年、「日本の名水百選」に指定されました。

源流近くには、「名水百選」の石碑が建っています。

このあたりの年平均水温は、9℃らしいです。

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「姫川源流」から更に奥の方に進むと、また開けた場所に出ます。

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こちらは、「新海湿原(およみしつげん)」と呼ばれる場所で、標高750mという場所にも関わらず、

低層・高層両湿原の植物が豊富に咲き誇る、植物の宝庫のような場所とのことです。

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湿原内には遊歩道(木道)が整備されています。

この木道は、動植物への影響が少ないような構造で作られているそうです。

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訪れた時は、湿原に花は咲いていませんでしたが、5月には白い霧がかかったように一面に咲く

ミツガシワ、6月には紫色の花を咲かせるカキツバタ、7月~8月にはオレンジ色のコオニユリなどの

花が咲くそうです。

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森の中から、突然、空が開けたエアポケットのような場所に出るのですが、そのコントラスト(対比)が

不思議で、とても魅了される空間です。

心がリフレッシュされる感覚を味わえる場所です。

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一面、植物のカーペットのように見える場所も、木道の近くを見ると、水田のように水が溜まっています。

まさに湿原です。

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新海湿原を訪れた日は、ちょうど村の人が湿原の植物を刈っているところでした。

自然のままというわけではなく、ある程度、人に力も加わって、より美しい風景が維持されていることを

感じました。

一級河川「姫川」の源流域と、草原のように見える「親海(およみ)湿原」。

この2つの美しい風景や環境を堪能できる「姫川源流自然探勝園」、おすすめの場所です。

是非、白馬に行かれることがありましたら、訪ねてみて欲しい場所です。

(1時間ほどで、姫川源流と親海湿原を見て歩けると思います。)


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居場英則

『進化する庭、変わる庭』がテーマ。本業は街づくりコンサルタント、一級建築士、一級造園施工管理技士、登録ランドスケープアーキテクト(RLA)。土面の殆どない庭で、現在約120種類のバラと、紫陽花、クレマチス、クリスマスローズ、チューリップ、芍薬等を育成中。僕が自身の庭を創り変える過程で気づいたこと。それは、植物の持つデザイン性と無限の可能。そして、都市部の限定的な庭でも、立体的な空間使用、多彩な色遣い、四季の植栽の工夫で、『風景をデザインできる』ということ。個々の庭を変えることで、街の風景も変えられるはず…。『庭を変え、街の風景を変えること』が僕の人生の目標、ライフワーク。ーー庭を変えていくことで人生も変えていくchange my garden/change my lifeーー

個人ブログChange My Garden

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