2023.7.27 / 美しい自然風景
ここ2,3年ほど、長野県白馬村で、スキーリゾート(コテージが並ぶビレッジタイプのリゾート施設)の
ガーデンプロジェクトに関わっています。
このガーデンプロジェクトでも、結構面白いことをやっているのですが、
それはまた別の機会にご紹介させていただくとして、現場のある白馬村近郊の自然景観やガーデンなどの
ご紹介をさせていただこうと思います。
まず第一回目は、1ヶ月ほど前(2023年6月末)に立ち寄った、「姫川源流自然探勝園」(姫川源流・親海湿原)を
ご紹介したいと思います。
「姫川源流自然探勝園」は、白馬村から隣町の信濃大町へと向かう国道148号線に隣接した場所にあります。
一級河川の源流としては、国道や民家に近い場所に湧水群がある、大変珍しい場所で、
長野県の自然環境保全地域に指定されています。
国道148号線沿いの駐車場に車を停めて、案内看板に従って「姫川源流自然探勝園」(姫川源流・新海湿原)へと
入っていきます。
木製チップを敷き詰めた道は、自転車の進入は禁止されていますので、サイクリングで訪れる場合も、
自転車を置いて散策する必要があります。
「熊出没注意」という看板も掲げられており、恐る恐る森の中へ入りましたが、
朝の涼しい時間帯に散歩される方も多く、すぐ何人かの方とすれ違いましたので、ちょっと安心しました。
森の中を進むと、少し視界の開けた場所に出ました。
森の向こうには、北アルプスを望む田園風景が広がっていました。
このあたりが、姫川の源流域らしいのですが、意外にも人の暮らしのすぐ近くに源流があるのです。
森の斜面に遊歩道が整備されています。
この写真の左下方向に、源流があります。
遊歩道の展望台のような場所から、「姫川源流」を見下ろしたところです。
春には、歩道脇にミズバショウが咲いたり、清流にゆらゆらと揺れるバイカモが咲いたりするそうです。
姫川源流域をぐるっと回る遊歩道を進むと、源流が湧き出す水辺へと近づけます。
こちらが、姫川源流の「西流」あたり。
こんこんと湧き出す水辺に水生植物が繁茂しています。
フレッシュグリーンがとても鮮やかな、美しい風景です。
一番太い「西流」と「南流」「東流」がひとつになって、「姫川」として流れていくあたりです。
まさに、大地から湧き出した水が、一筋の流れとなって「川」へとなっていく場所がこちらです。
このあたりには、春になると、白馬村の村花でもある「カタクリ」のピンク色の花も咲くそうです。
「姫川源流」は、その美しい水辺の環境により、昭和60年、「日本の名水百選」に指定されました。
源流近くには、「名水百選」の石碑が建っています。
このあたりの年平均水温は、9℃らしいです。
「姫川源流」から更に奥の方に進むと、また開けた場所に出ます。
こちらは、「新海湿原(およみしつげん)」と呼ばれる場所で、標高750mという場所にも関わらず、
低層・高層両湿原の植物が豊富に咲き誇る、植物の宝庫のような場所とのことです。
湿原内には遊歩道(木道)が整備されています。
この木道は、動植物への影響が少ないような構造で作られているそうです。
訪れた時は、湿原に花は咲いていませんでしたが、5月には白い霧がかかったように一面に咲く
ミツガシワ、6月には紫色の花を咲かせるカキツバタ、7月~8月にはオレンジ色のコオニユリなどの
花が咲くそうです。
森の中から、突然、空が開けたエアポケットのような場所に出るのですが、そのコントラスト(対比)が
不思議で、とても魅了される空間です。
心がリフレッシュされる感覚を味わえる場所です。
一面、植物のカーペットのように見える場所も、木道の近くを見ると、水田のように水が溜まっています。
まさに湿原です。
新海湿原を訪れた日は、ちょうど村の人が湿原の植物を刈っているところでした。
自然のままというわけではなく、ある程度、人に力も加わって、より美しい風景が維持されていることを
感じました。
一級河川「姫川」の源流域と、草原のように見える「親海(およみ)湿原」。
この2つの美しい風景や環境を堪能できる「姫川源流自然探勝園」、おすすめの場所です。
是非、白馬に行かれることがありましたら、訪ねてみて欲しい場所です。
(1時間ほどで、姫川源流と親海湿原を見て歩けると思います。)
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