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専門家「風景」をつくるガーデニング術

今は手放してしまったけれど、気に入っていたバラたち・その2(シュラブ樹形のバラ編)

居場英則

年末の12月、駆け込みでブログ記事を連発します。

前回、年末企画として「これまで我が家の庭で、実際育ててきたバラの中で、

今は手放してしまって手元にないバラだけど、とても気に入っていたバラ」

というテーマの第1弾として、「木立性バラ編」をお届けいたしましたが、

今回はその続編、その2(シュラブ樹形のバラ編)をお届けします。

バラの分類に関しては、専門的な見地ではなく、あくまでも僕個人の育ててみた

感覚で大雑把に分けてご紹介していますので、ご容赦ください。


では、その2(シュラブ樹形のバラ編)のスタートです。

シャンタル・メリュ

こちらは、知人から譲り受けたバラで、フランスのギヨー社作出のバラで、

シャンタル・メリュという品種。

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フランスのバラらしく、見た目がとてもエレガントでオシャレです。

花色はシンプルなベビーピンク一色で花色の変化はほとんどありません。

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樹形としては、ショートクライマー(短めのつるバラ)もしくはシュラブといった

感じで、我が家では鉢植えでオベリスク仕立てで育てていました。

枝が細くしなやかで、オベリスクに誘引しやすいということもあったと思います。

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花形も整っていて、嫌みのない美しさです。

葉も繊細で、オールドローズに近い印象を感じました。

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少しフォトジェニックに撮影した写真です。

鼻ぺちゃな花形で、キュートなイメージです。

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上から見下ろしたアングルで撮影した写真です。

咲き進んでも花形が乱れず、美しいままです。

良く咲いてくれて、とても気に入っていたバラですが、癌腫に罹患したので、止む無く廃棄しました。

■カーディナル・ドゥ・リシュリュー

こちらも我が家ではショートクライマー(短めのつるバラ)としてオベリスクや壁面に誘引していた

薔薇で、オールドローズに分類されることもあるカーディナル・ドゥ・リシュリュー。

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ガリカ系品種で、その花色が濃い青紫色が特徴的なバラで、昔は最も青いバラのひとつにも数えられた

品種です。

早咲き品種で、超早咲きの黄モッコウバラと花期が重なることから、鉢植えで育てて、モッコウバラの

近くに配置していました。

上の写真の背景はまさにその黄モッコウバラで、黄色と紫色の補色対比ができるのが良かったです。

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花色は、開花後にブルーイングしてさらに青みが強くなります。

香りも、ダマスク系の香りが楽しめます。

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咲き進むと、紫色が濃くなり、美しさが際立ちます。

咲く枝が細くしなやかですが、樹勢はさほど強くなく、うどん粉病が出やすい品種です。

このバラも気に入っていた品種ですが、癌腫に冒され、止む無く廃棄することになってしまいました。

ミッドナイト・ブルー

こちらは知人に勧められて我が家のバラ庭に導入した品種で、ミッドナイト・ブルー。

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ひとつ前で紹介したカーディナル・ドゥ・リシュリューに近い、かなり濃い青紫色で咲くバラで、

スパイスとダマスク香がミックスしたような香りがあります。

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ひとつの花は花径6センチ程度のさほど大きくない花ですが、数輪の房咲きになります。

青紫色の花弁と中央のゴールドのシベとのコントラストがエレガントな印象を与えます。

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光が当たると神々しく輝き、とても美しいです。

我が家では鉢植えで育てていましたが、地植えで育てた方がより旺盛に育つと

思いますが、我が家ではそのスペースがなく、現在は友人宅で地植えで育てて

もらっています。

ブリリアント・ピンク・アイスバーグ

こちらは、名花・アイスバーグの枝替わり品種で、ブリリアント・ピンク・

アイスバーグ。

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白花の名花・アイスバーグには、つるアイスバーグの他に、

濃い紫色のバーガンディ・アイスバーグや、淡いピンク色のブラッシング・

アイスバーグなどの枝替わり品種がありますが、こちらもそのひとつで、

ピンクのグラデーションが鮮やかな品種です。

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本家のアイスバーグはとても大きな樹形で花も大きいですが、

このブリリアント・ピンク・アイスバーグは、全くの別物、樹形もさほど大きくなく花も小さめです。

花弁は、和紙にピンク色のインクを落としたみたいに色が滲み、繊細な印象です。

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咲き進むと、花弁が開き、色も白く退色していきます。

シベも黒くゴマのようで、本家のアイスバーグとは全く異なる姿で、枝替わり品種とは思えない感じです。

初期生育が悪いのか、我が家ではこのバラ本来の力を発揮できず、コンパクトなままだったので、

叔母の家の移植させてもらいました。

ストロベリー・アイス

派手好きの僕がとても気に入っていたバラのひとつがこちらのバラで、ストロベリー・アイス。

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ちょっと意外かもしれませんが、フランス・デルバール社作出のバラです。

作出年は1975年で、もう約50年近く前に作られたバラで、

国内の有名なバラ園でもよく目にするバラです。

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白地に鮮やかなピンクの覆輪の花は、季節によってそのピンク色の濃淡が

変化するようです。

房で咲くので、ボリュームも出せます。

樹形はフロリバンダに分類されるようですが、つるバラとしても利用できるようです。

ただ、生育が緩慢で、なかなか枝が伸びないこと、枝が剛直で曲げにくいという

デメリットがあります。

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返り咲く品種ですが、遅咲きのため開花回数は少なめですが、その花の美しさには目を見張るものがあります。

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咲き進むと、花弁は反り返りますが、花形は崩れず、艶のある美しさを保ちます。

とても気に入っていた品種ですが、あまりにも成長が遅く根負けし、今は叔母の家で育ててもらっています。

ビアンヴニュ

こちらも、フランス・デルバール社作出のバラで、知人から譲り受けた品種でビアンヴニュ。

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品種名は、フランス語で「ようこそ」の意味らしいですが、発音が難しいです。

同じデルバールのバラで、ローズ・ポンドゥ―ルに似た感じですが、このバラの花の特徴として、

花弁の先にフリルと切れ込みが入っています。

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フルーツとダマスクの強い香りがあり、花も房で咲き、ボリューム感があります。

満開になると俯いて咲くので、視線より高い位置で咲かせるのに向いた品種です。

分類的にはシュラブに区分されていますが、別の友人が育てているこのバラは、

モンスター級に大きくなり、2階まで到達していますので、条件によっては

つるバラとして扱った方が良いかもしれません。

我が家では、このバラを大きく育てるスペースがなかったため、

現在は叔母の家で地植えして、大きく育つのを待っています。

ERレディ・オブ・シャーロット

こちらは、イングリッシュローズの中でも名花のひとつに数えられるバラで、

レディ・オブ・シャーロット。

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バラには相性があるのかもしれませんが、このレディ・オブ・シャーロットとは

相性が全く合いませんでした。

イングリッシュローズの中では、育てやすいという定評がある品種ですが、

僕は、二度枯らした上、保険でとっておいた挿し木苗まで枯らしてしまい、

合計3度チャレンジしても我が家では根付きませんでした。

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一時は、中庭のランウェイ花壇でいい感じに育ち始めていたのですが、

急に調子が悪くなり、一気に枯れてしまいました。

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少し銅色を帯びた独特のオレンジ色が魅力的な花です。

枝は細く、華奢な印象ですが、イングリッシュローズを育てておられる方の多くが、

このバラを絶賛されているので、上手く育てることができれば良かったんですが

ダメでした。

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香りはティー香で、枝が細いので、イングリッシュローズにありがちな

俯いて咲くタイプです。

上手く育てることができれば、半つるバラとしてアーチなどにも誘引できるようです。

ERブラザー・̚カドフィール

こちらは、バラを育て始めたばかりの頃、ほぼ一番最初に購入したバラの

ひとつで、イングリッシュローズのブラザー・̚カドフィール。

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友人のブログで紹介されていたバラで、その友人がおススメのバラのひとつ

として挙げていた品種です。

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イングリッシュローズの中では、花径がかなり大きな品種で、芍薬咲きとも呼ばれるほどのゴージャスな

咲き方が魅力のバラです。

樹形は半つるバラ(シュートクライマー)といった感じでしょうか?

我が家では、壁面に誘引したり、2階バルコニーの手すりに誘引したりしていました。

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最盛期の頃の開花の様子。

まさにシャクヤクのような豪華な花を咲かせていました。

花色も上品なピンクで気に入っていたのですが、

ある日、突然調子を崩してからは一気に枯れ込んでしまいました。

カタログ落ち品種のため、もうなかなか手に入れることは難しいとは思いますが、

できれば、再度育ててみたい品種のひとつです。

ERシャリファ・アスマ

こちらは、友人から譲り受けて育てていたイングリッシュローズで、

シャリファ・アスマという品種。

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イングリッシュローズの中には、ガートルード・ジェキルやエブリン、

ジュード・ジ・オブスキュアなど、強香で有名な品種がありますが、

このシャリファ・アスマもそのひとつ。

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強香に加え、コロンとした美しい花形も魅力のひとつでした。

ただ、我が家で育てていた株はひ弱で、上手く育てられず、いつの間にか息絶えていた、といった感じでした。

■花冠

こちらは、シュラブ樹形というより、ミニバラに近い品種ですが、兵庫県宝塚市にあるナーセリー・確実園さん

作出のバラで、「花冠(はなかんむり)」という品種。

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ほとんど市場に出回らないので、ご存知の方は少ないかもしれませんが、偶然、宝塚の園芸店で開花株を見つけ

気に入って購入しました。

花形がレンゲみたいなフリフリの花で可愛らしいのが特徴です。

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おそらく修景バラとして開発された品種だと思いますが、宝塚に近いバラ園で、花壇に群生して植えられている

のを見たことがあります。

樹高も50センチぐらいと低く、サツキやツツジのような使い方をするタイプのバラではないかと思います。

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花付きも良く、ひとつひとつの花も可愛らしいので気に入っていたのですが、我が家では相応しい場所がなく、

叔母の家に引き取ってもらい、そこでは今とてもお旺盛に花を咲かせています。

グリーン・アイス

こちらもミニバラに分類されるバラで、グリーン・アイス。

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緑色を帯びた白い多弁の小花のバラです。

花径は3㎝ほどの小さな花が咲きます。

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非常に花持ちがよく、花弁が散らずに、やがて緑色に変色していきます。

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いわゆるミニバラで、鉢植えで育てていましたが、なかなか我が家の庭で風景の一部になることができず、

結果、いつの間にか処分してしまったのかはっきり覚えていないのです。


如何でしたでしょうか?

年末企画「今は手放してしまったけれど、気に入っていたバラたち」の第2回目(シュラブ樹形のバラ編)。

このシュラブ樹形のバラタイプには、お気に入りのイングリッシュローズが多く含まれるのですが、

やはり相性といいますか、我が家の生育環境との合わないバラは淘汰されていったのかもしれません。

振り返ると今はなき懐かしいバラたちばかりですが、いつかまた育てる機会があればと願うばかりです。

次回は、最終回・その3(つるバラ編)です。

我が家のガーデンの醍醐味のつるバラで、今はなき懐かしのバラたちをご紹介したいと思います。

乞うご期待!


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居場英則

『進化する庭、変わる庭』がテーマ。本業は街づくりコンサルタント、一級建築士、一級造園施工管理技士、登録ランドスケープアーキテクト(RLA)。土面の殆どない庭で、現在約120種類のバラと、紫陽花、クレマチス、クリスマスローズ、チューリップ、芍薬等を育成中。僕が自身の庭を創り変える過程で気づいたこと。それは、植物の持つデザイン性と無限の可能。そして、都市部の限定的な庭でも、立体的な空間使用、多彩な色遣い、四季の植栽の工夫で、『風景をデザインできる』ということ。個々の庭を変えることで、街の風景も変えられるはず…。『庭を変え、街の風景を変えること』が僕の人生の目標、ライフワーク。ーー庭を変えていくことで人生も変えていくchange my garden/change my lifeーー

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