2016.5. 9 / 知っておきたい!ベランダガーデニングをもっと楽しむための方法
ここでは、ベランダならではの植物とのつきあい方や、覚えておきたいマナー、よくある質問をご紹介。
ベランダにまつわる基礎知識など、ガーデニング初心者の「ここが知りたい」に答えます。
自分はもちろん、植物にも居心地がよいベランダになってこそ、憩いの空間と呼べます。
のびのびと植物たちが生長するための毎日のお手入れをおさらいしましょう。
■まずは環境をチェック!
一日の中で一番日が当たる時間、日陰になる時間、また通り抜ける風の強さなどを確認しましょう。
時間帯のほか、スペースによっても異なる場合があるので、観察して環境を知りましょう。
─ 日照 ─
ベランダのある方角によって、日照条件は異なってきます。
また、手すり部分が格子状の場合は日差しをある程度通しますが、コンクリートの壁の場合は完全に遮断してしまうなど、ベランダそのものの設備や構造によっても違いが生じます。
●日陰・半日陰
北向きや壁に囲まれた環境の場合、日が当たりにくく日陰や半日陰になります。
この場所に適しているのは、アイビーやワイヤープランツなど葉を楽しむ品種です。
日陰に適しているのはクリスマスローズやギボウシ、インパチェンスなど。
葉ものは葉色が瑞々しくなり、いきいきと茂る。
●日差しが強い
南向きのベランダは、一日を通して日差しが強く、夏場は特に植物たちにとって過酷な環境となります。
太陽の光を求める野菜や果樹向きの環境。
強い日差しを長時間浴びると植物はしんなりしてしまう。
時間帯や季節ごとの日差しの強さをチェックして。
─ 風通し ─
植物が生長するために最も大切といっても過言ではないのが、通風です。
風通しが悪く、植物が茂っていると蒸れてしまい、病気や害虫が発生する原因になってしまいます。
●無風
三方を壁で囲まれてしまったベランダは、風が通る隙間がなく淀んだ空気が溜まります。
梅雨時は特に注意が必要。ハンギングや鉢台を活用して、風が通るようにしましょう。
風通しが悪いと植物が蒸れやすくなる。
コンテナは、なるべく高い位置に置いて通風を確保する。
●強風
高層マンションや海沿いの立地の場合、強風が吹きつけることがあります。
手すりにトレリスを設置することで風当たりが少し緩和されることも。
強風の場合ハンギングなどは土が飛ぶので注意。
風が強すぎると、茎が折れたり葉がちぎれたりすることもある。
ハンギングを掛けたり、吊るす場所も見極めて。
■植物を育てる場所づくり
ベランダの環境を理解したら、植物が生長するための「住まい」を整えてあげましょう。
環境に合わせた品種選び、資材選び、そして苗選びがポイントです。
─ プランター&用土選び ─
家となるプランターと用土を用意します。
プランターはさまざまな素材や形、大きさのものが出まわっています。植え込む植物の性質とマッチしているか以外にも、ベランダの雰囲気に合うか、重量制限はクリアしているかなどを確認するとよいでしょう。
用土は、ブレンド済の市販の培養土が手軽で便利です。品種別に必要な栄養分をブレンドしたものも出まわっているのでチェックしてみて。
プランターの素材と形いろいろ
●テラコッタ
焼成温度が1000~1300℃の高温で焼かれた丈夫な鉢。デザインが豊富。
●木製
天然木を使用したナチュラルな雰囲気が魅力。自分でペイントも楽しめる。
●樹脂製
大鉢で土の容量が増えても軽く扱いやすいのでベランダに最適。
●金属製
アルミやブリキなど。アンティーク風の演出ができる。
─ 苗選び─
環境に適していること、ベランダのスタイルに合うこと、高低差のバランスなど、選ぶポイントはさまざまです。
よい株を育てるための第一歩は、よい苗選びから。
園芸店に並ぶいくつもの苗の、葉や花、茎の様子を観察して選びます。
よい苗
- ・色つやがよく、下葉までしっかりついている
- ・つぼみがたくさんついていて、花弁に色むらがない
- ・株全体ががっしりしているもの
- ・根鉢が固まっていないもの
悪い苗
- ・発色や形が悪い。つぼみや花芽の数が少ない
- ・枯れていたり、害虫に食害されている
- ・株元がぐらついていたり、キズがあったり、折れている
- ・ポットの底穴から変色した根が出ている
プランターへの植え付け方法
<必要なもの>
- ・プランター
- ・用土
- ・鉢底ネット(鉢穴をふさぎ、土をこぼれないようにする。虫の侵入防止効果も。)
- ・鉢底石(鉢中の通気性や水はけを高める)
- 1.
コンテナの鉢穴を鉢底ネットでカバーする。 - 2.
鉢底石をコンテナの高さの3分の1を目安に入れる。 - 3.
元肥を入れた土もしくはブレンド済の用土を、苗の根鉢の大きさを考慮して入れる。 - 4.
ポット苗を仮置きして、鉢全体のバランスを見る(寄せ植えの場合重要)。 - 5.
苗をビニールポットから抜く。根鉢はあまり崩さないように。ただし根が張りすぎている場合はほぐす。 - 6.
コンテナの正面と花の向きを考慮して苗を植え込んでいく。 - 7.
株の間に土を足していく。隙間までよく土が行き渡るようにする。 - 8.
土の高さは、水やりのことを考えて、鉢の縁から1?1.5cm下を目安にする。 - 9.
植え込んだら仕上げに水を与える。鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと。
ベランダの環境をしっかりと理解して、植物にもお住まいにも最適なベランダガーデニングを目指しましょう!
次回は~お手入れ編~
植物を健やかに育てるための日々のお手入れをご紹介します。
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step1 床材~植物も自分も居心地よくなるためのファーストステップ~
step2 壁~素材、デザイン、色が空間の印象を決定づける~
step3 植栽~狭くても、地植えでなくてもここまでできる!~
step4 収納~必要な資材を上手に収めて、魅せる空間演出を~
植物を元気に育てるために~環境編~